地味な女に負けた? 夢を諦めた“こたつライター”の「プライド」が砕かれるまで

ミドリマチ 作家・ライター
更新日:2024-10-12 06:00
投稿日:2024-10-12 06:00

記事への批判コメントには慣れたのに…

 『読みづらい。内容もスカスカ』

 『壮馬さまが入ってない。やり直し。期待外れの見出し詐欺!』

 『AI? 当たり前のことを書いてお金もらうなんていいですね』

 こんなものは言われ慣れている。

 自分も、タレントのこういう批判のコメントをとりあげて、嬉々として記事にすることもあるから、反論ができない。

 だけど、心が凍った。

 ――のんびりと、目先の小銭を稼いでいる間に、彼女は…。

 TOPページに掲載されている玖美さんの笑顔を、ワンクリックで消した。

 実は、自分も応募していた。

 あのコが受賞した文学賞に。

学生時代に通った「原点」に向かう

 結果が怖いので、連絡が来るまで選考経過は追わないようにしていた。受賞したなら、結果は電話か封書で来るだろうとそれをずっと待っていた。しかし、今改めて経過ページを見ると、二次選考にも私の名前は残っていなかった。

 思い切り濃厚で苦いコーヒーが飲みたい。自分に喝を入れたかった。

 ある店が思い浮かんで、着の身着のまま、3日ぶりに下界に降りる。

「神保町まで」

 学生時代を過ごした原点の街に私は思わず向かっていた。

#3へつづく:下世話な仕事がバレた? 家族の「意外な反応」で主婦が気づいたこと】

ミドリマチ
記事一覧
作家・ライター
静岡県生まれ。大手損害保険会社勤務を経て作家業に転身。女子SPA!、文春オンライン、東京カレンダーwebなどに小説や記事を寄稿する。
好きな作家は林真理子、西村賢太、花村萬月など。休日は中央線沿線を徘徊している。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


富士山の眺めが日本一美しい街
 富士山の眺めが日本一美しい街――。  そんなというキャッチフレーズに誘われて、街を見下ろす小高い山の上で桜の海に...
撮らにゃいでよー! 逃亡の瞬間に念願の“たまたま”とご対面
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
女性に著しい「未婚」と「非婚」って何?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ドンキ→薬屋→歩道橋…お願いだから動くな~っ!方向音痴LINEにトホホ
 方向音痴の人に出会ったことはありますか? なかには信じられないような感覚でありえない方向に歩いていく相手に驚いた経験の...
焼肉屋の隣でおにぎりをパクリ! 節約ガチ勢が実践するマル秘独特テク
 少しでも生活を楽にしようと節約に挑戦している人はたくさんいるはず。電気を消す、安い野菜を買うなど、いろいろな方法があり...
話題のトナラーに狙われた! 撃退法は? 同性or異性“標的”の違いは?
 昨今、SNSで炎上しては大論争を巻き起こしている「トナラー」。電車やバス、カフェなどで多くの席が空いているのにわざわざ...
もやし1袋で参加するの!? BBQストレス地雷6選、肉に罪はないけどイラチ
 みんなでワイワイ楽しむイベントといえば、BBQ! ゴールデンウィークや 長期休暇に、友達・会社の同僚などとBBQをする...
お天気の日は念入りに!お手入れ中の“たまたま”紳士をパチリ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
MUJIのフレグランスオイルが優秀 価格は有名高級ブランドの6分の1以下
「無印良品」が好きなくせに知らなかった不覚…。インテリアフレグランスオイルの「ウッディ」、すでに人気の商品ですが、噂に違...
長期休暇でも帰省しない選択…6つのあるある理由、罪悪感を抱く必要なし
 皆さん、長期休暇のときは帰省しますか? 帰省を毎年のイベントとして楽しみにしている人もいれば、「帰省したくない」と悩ん...
母の日の定番アジサイを長持ちさせるには?「伊予獅子てまり」が大注目
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋が位置する神奈川は、有名な温泉場がいくつも点在しているお土地柄。ワタクシが居を構える場も...
【月5万円】収入&スキルUPを目指すシンママは集合!
☆月に5万円、10万円の収入UPをしよう! ☆文章力をUPさせよう! 『コクハク』の読者選抜チームとして、メディ...
2024-04-30 13:20 ライフスタイル
家事大っ嫌い~!40独女のQOL(生活の質)が爆上がりした2大時短家電
 7月よりドラマ「西園寺さんは家事をしない」(TBS系)が放送されるそうですね。 “干物女”を生み出したドラマ「ホタルノ...
40代もやらかす“プチ老害”の落とし穴 全長数十cmの長文LINEで見切れ
 40代にとっては他人事のように感じる「老害」ですが、実は今、40代の人から届く「プチ老害LINE」に困る若者が増えてい...
困り顔がたまらない! オッドアイ“たまたま”君にロックオン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
今更「アイドル」になろう。そして、安倍なつみとCoCoの追憶
「おら、アイドルになる!」  そう叫んで、女の子走りでステージから捌けた瞬間、自分でブッと吹き出してしまう。アイド...