「ほっぽらかし園芸」の準備は秋にする
ここでの努力を怠ると、今後の“楽だけどきれい”な植物生活にも支障をきたしかず、「ほっぽらかし園芸愛好家」にとって不本意にも若干忙しくなる季節なのですが…今回は、ほっぽらかし園芸を死守するための大事な「球根」のお話し。
「今すぐ走って! お目当ての球根は今買わないでいつ買うの?」の解説です。
球根の購入時期は短期決戦
春の美しいお庭やベランダ園芸には欠かせない球根植物。低予算でお求めになるなら、秋が一番お安いです。通販では夏から予約販売もしていますが、じっくり現物を拝んで選びたいアナタ。秋の声が聞こえる頃、量販店は品ぞろえ豊富となりますが、それもほんのわずかな期間です。まもなく終了~でござんす、見かけたらすぐに購入くださいませ。
球根を売る側からすれば、球根が休眠しているわずかの期間、まさに今、死ぬ気で追い込みをかけています。球根ゲットは秋の短期決戦です。
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球根はいつ植えるのが正解?
早々に球根をゲットしたものの、植えないでそのまま放置は気になって仕方ねぇ! というアナタ。お気持ちはわかりますが、植えるは少し辛抱してください。絶好の時期をジリジリと待つ、が基本ですのよ。
植えたばかりの球根は地熱が高いと激変した環境に慣れる前に弱ったり腐ったりしてしまい、結果、咲いてくれない…はよくある話。以前、お客様から「通販で1万円もかけて球根セットを買って植えたのに、ひとつも芽が出ないんだけど!」とお叱りを受けました。
ワタクシのお店で買ってないのにナゼ? なクレームでしたが、お伺いすれば、海外サイトの猛烈な量が届くお安い球根セットをゲットし、秋の始めに植えてしまったとのこと。うーん、それダメー! なヤツでござんす。
球根を植えるのは、自宅周辺の紅葉が始まったらがひとつの目安です。つまり、アナタが「ちょっと寒っ!」と思う頃合いが正解なのです。
都会でも紅葉がロマンチックなイチョウ並木なんぞございますからね。イチョウ並木が黄色くなったら、ではどうでしょう。
出番を待つ球根は涼しく完全遮光した場所で、スタンバイ。ワタクシは大きな冷蔵庫があるお花屋なので、基本、球根は冷蔵庫保管です。
一般冷蔵庫でも野菜室など5℃程度の場所であればOK。新聞紙などに包んでビニール袋に入れた保管も良いですわよ。
他の草花と植える際の注意点
カタログなどで見かける、背丈の低い草花が咲き誇った中からチューリップやヒヤシンスなどの球根植物がところどころ咲いているお庭、素敵ですよね。
自分も真似したいけど、草花or球根、どっちを先に植えるのか気になるところ。植えやすさや今後のことも考えるなら、草花を先に植え、寒くなってから球根をゆっくりとね、が楽チンでしょうか。
10月にもなれば、パンジー・ビオラやアリッサムなど、冬の定番商品が次々と登場してまいります(ほんとはまだ早いけど)。一緒に植えたいけれど球根の植え時まで待ってられるかーい! なら、草花をお先にどうぞ。
地域にもよりますが、ハッキリ言って、年が明けた1月あたりからでも全然大丈夫ではあります。
そもそもお花屋さんで球根苗物が売られるのもそのあたり。秋販売の球根に比べたらだいぶ高額ですけれども。
宿根・多年草とのコラボの注意点
春から秋まで楽しめる宿根・多年草のコラボもオススメですぞ。人気のチューリップなどは一年草扱いですが、ムスカリや水仙、ユリなどは植えたらそのままでも数年咲き続けます。
ただし花が咲き終わった後、葉は球根を再び太らせるために光合成を行い、枯れて朽ち果てるまでそのままにしておくことが前提です。
ただし難点は見た目が汚い! それを上手にカバーしてくれるのが、四季咲きの宿根・多年草やオシャレなカラーリーフやカラーグラスたち。クリスマスローズやチェリーセージなどのハーブ、ヒューケラやギボウシなど美しいカラーリーフは花まで咲き、球根が太ってパワーを蓄えてくれるまで目隠しをしてくれます。
球根だけでなく花やグラス、リーフたちの美しいバトンリレーは、秋に作られると言っても過言ではござらん。もっといえばワタクシの信条、ほっぽらかし園芸も秋にちょっとだけ努力が必要です。アナタもお試しくださいませ。
あーやっとアノ暑さから解放されますねー。秋の夜長、月明かりに照らされて眺めるお庭の美しさを、アナタも堪能できますことを…遠いお空の向こうからお祈りしておりますよ~。
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