10年分のカネの流れが怪しい。会員数が集まり⼤喜びしたのもつかの間…

フィッシュバーン真也子 コラムニスト
更新日:2024-10-16 06:00
投稿日:2024-10-16 06:00

助さんの怪しい態度に不安がよぎる

 商店会の新たな出発として⾏政への⼿続きを済ませた後、LED化申請のため電気⼯事の事業者と会合することになった。

「いろいろな申請のお⼿伝いはするのでご安⼼ください」と近隣の中規模な電気⼯事の業者さん。

「よかったー、ものすごい資料を作らないといけないと聞いていたので不安でした」と私。

「会計資料さえきちんとしてあれば、⼤丈夫ですよ!」

「…あ、⼤丈夫、俺ちゃんとノートにつけてるからね。ちゃんと10年分あるよ」と助さん。

「え、ノートですか? 会計ソフトは使ってらっしゃらない?」と業者さん。

「俺、ノート派。帳簿ね。⼤丈夫、ばっちりだから。⼤原簿記卒だから!」助さん、謎のアピール。

「なるほどwww。ま、⼿書きでも2年分の収⽀報告書があれば問題ないです」と電気業者さんが⾔った後、おしゃべり助さんが沈黙。この沈黙、嫌な予感…。

申請へのハードルは富⼠⼭級にまだまだ⾼かった!

「収⽀報告書2年分あるんですよね? ちょっと、これから⾒せてもらっていいですか?」と会合の帰り道に助さんに尋ねる私。

「あ、あ、うんうん、あるよある。ま、⼿書きだけど、⾒る? ⾒ちゃう?」と助さん。

 妙におちゃらけた様⼦に不安が増す。「⾒ちゃう?」って⾔葉から予測できる開けてびっくり感が怖い。

 予感的中。確かに収⽀報告書は存在した。そして10年間分の帳簿もあった。が、しかし…。

 これ、このままコピーして公的機関に提出できないよね? というレベルの、殴り書きと⾔えなくもない収⽀報告書であった。適当感満載、エクセルなりスプレッドシートなりに打ち込む必要がどう見たってある。

「せめてパソコンで表だけでもつくりませんか?」と私。

「ほら、俺ノート派だから無理無理」だよね、デジタル弱者だったよね。⾔った私がバカだった。

 このポンコツ商店会には会計係がもう⼀⼈必要なことを⽬の当たりにした。街路灯LED化申請以前に人材を探し、通常レベルの収⽀報告書を作成せねば…。だいたい、この収⽀報告書、合ってるのか?

 申請期限は2カ⽉を切った。うー、前途多難。ハードルは富⼠⼭の如く⾼し…。

フィッシュバーン真也子
記事一覧
コラムニスト
養生茶カフェ店主。とある都心商店会会長。ちょこっと大家業。

出版社でインテリア誌やファッション誌の編集者として長らく勤務したのち、フリーランスのエディター、インテリアスタイリスト、デコレーターとして活動。現在はメディカルハーブのスペシャリスト、ハーバルプラクティショナーの資格を活かし、養生茶と手作りおやつのカフェ『だんで茶屋』を経営。その他、著述業、不動産賃貸業などを少々営む。

外国人との結婚と離婚、シングルマザーでの子育てなど、タフな経験を栄養にして生きる50代。いい『気』を求めて神社脇に移住。住まいや暮らしを自分流にカスタマイズしながら「空間から得る幸福感」を実践研究している。54歳から建築系大学に再入学、現在大学院にて空間によるコミュニケーションデザインを研究中。

著書に食と旅のエッセイ『笑顔になれる美味しいプロヴァンス』(スタンダードマガジン)、住まいのエッセイ『女ひとり・借金アリ・貯金ゼロからのトーキョー大家さんLIFE』(主婦の友社)

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


モテは“たまたま”の大きさ次第? 経験豊富なイケニャンを激写
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
発達障害、情緒障害、認知症…花をお求めになるお客様から教わること
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋にはいろいろなお客様がやってまいります。  学校帰りに「ただいま~」なんて...
会長報酬は月500円。スタバのソイラテ買ったらほぼ終わり…商店会活動は「ご奉仕」です
 勢いとその場の流れで商店会会⻑を拝命(←ぶん投げられた?)することになり、まず何から⼿を付けるべきか考えてみた。 ...
大ピンチ!よくある裏垢誤爆5選。悪口を投稿するだけならまだかわいい?
 ここ最近、アインシュタインの稲田さんやフワちゃんが「裏垢を持っているのでは?」と疑惑をかけられていましたよね。世間では...
指先をあざとく香らせるネイルオイル術【調香師がタイプ別に解説】乾燥対策におすすめのアロマは?
 乾燥が気になり始めるこの時期は、意外と異性にも見られている指先を意識してみましょう。きれいなネイルをしていても手がかさ...
城からは一歩も出ないにゃん! 窓際で鳥を眺める“たまたま”王子
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
可愛らしい姿と屋号に思うこと
 久しぶりの帰省でふと目に入った、懐かしい光景。  なにか可愛らしい姿と屋号に小さな幸せを感じて。 【読まれ...
「豆娘」って読める? ヒント:最近、空を飛んでるかも
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
『ルナルナ』の呪縛から早4年、そろそろ子どもも考えたい。もう一度入れたら“副産物”が…!
 生理管理アプリとして有名な『ルナルナ』ですが、さまざまな理由からアンインストールしていた筆者。そろそろ妊活も考えたいと...
2024-09-14 06:00 ライフスタイル
「コーヒー1杯も買えない!」キャッシュレス化に乗り切れない、現金派の叫び
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳...
滝川クリステルに「好きになれない」の声多数。バリキャリだけど同性ウケしないのはなぜ?
 フリーアナウンサーの滝川クリステル(46)の所属事務所が9日、夫の小泉進次郎元環境相(43)が自民党総裁選に出馬表明し...
ペッ!!他人の人脈を勝手に使うな~!「距離感バグってる人」がやりがちな5つの行動
 率直に聞きますが、みなさんの周りで「この人、なんか距離感バグってるな」って人いません?  今回はスナックのママ、...
暑すぎる夏…クール系入浴剤が気持ちいい~!疲れをお湯に流せる3選
 今年の夏は特に暑かった。本当…驚くほど暑すぎました。  毎日かき氷やアイスコーヒーを摂取していたので、身体の中は...
親不孝じゃないよ! 実家に帰省しない時の冴えた言い訳6選
 シルバーウィークが終わったら、もう年末年始はすぐそこ。長期休暇に帰省をする人は多いですよね。「実家でのびのびすごそ〜♡...
頭重感とは?MRIは異常なし、頭痛の“震源地”は肩こりだった!【薬剤師監修】今すぐできる改善法
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
懐かしの「アジャパー」ポーズを激写! お茶目な“たまたま”にほっこり
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...