「センスが悪い」ってモラハラじゃないの? かつての「センスがいい人」はどこに…

山口明 プロ童貞・現代アーティスト
更新日:2024-11-09 06:00
投稿日:2024-11-09 06:00
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳の時に仕事中心で働く生き方をドロップアウト。現在は悠々自適な老後(?)を送りながら、還暦過ぎの童貞として注目を集めています。

デザイナーにとっては死活問題

 56歳でリタイアするまで本の装丁デザインを生業にしてきたんだけど、現役のデザイナー時代に人から「センスが悪い」なんて言われたら、仕事を続けられなくなるレベルの死活問題。センスってデザイナーにとっては生命線なワケですよ。

 まぁ、オレくらい図々しくなると「このスペシャルなセンスは常人には理解できないのかしら?」くらいに思えるけど、世の中ナルシストばかりじゃないからね。

――普通に生きていても「センスが悪い」なんて言われたら地味に傷つきます…。

 そうだよね。無防備な場面で他人から「センスが悪い」なんて言われたら立ち直れないし、瞬時に反論もできないと思う。そもそも「センスがいい」という言葉自体がよく分からないからね。定義が曖昧でつかみどころがないんだよ。

【こちらもどうぞ】男性用のレース下着って知ってる?トム・クルーズと極道の「色気」の正体

センスは数値化できない

 最近、千葉雅也先生の「センスの哲学」を読ませてもらったんだけど、この本では「ものごとをリズムとして捉えること、それがセンスである」と語られている。少し抽象的にも感じるけど、哲学者がつかみどころのない概念を言語化するとこんな表現になるのか〜と唸ったよ。

 だいたいセンスって数値化できないし、その本質を誰にでも分かるように言葉で説明するのは、なかなか難しい。

 オレが若い頃は、なんとなくオシャレで洗練された雰囲気の人を「センスのいい人」と一括りにしていた気がするよ。青山に住んで全身を海外のハイブランドでコーディネイトしている人がいたら間違いなく多くの人が「あの人はセンスがいい」と言っていたと思うんだけど、最近はちょっと違うよね?

――誰もが憧れ、「マネしたい!」とは感じないかもしれません。

 いまだったら「成金趣味でセンスが悪い」と思う人もいるだろうし、むしろ蔵前とかに住んで、古着やファストファッションにハイブランドを組み合わせた“ハイ&ロー”のミックススタイルを着こなす人を「センスがいい」と感じる人が多いんじゃない? 受け取り方は十人十色なんだよ。

山口明
記事一覧
プロ童貞・現代アーティスト
1960年生まれ。プロ童貞しかし、あるときは現代アーティスト。そしてまたあるときはオナニストにして予言者。しかし、その実体は無職のオシャベリ・クソジジイ。毎日、地元MAD CITY(松戸市)の平和を守る為、猫背&早歩きでパトロール。本日も童貞戦線異状なし!!
著書の「ワイルドチェリーライフ山口明 童貞力で一億総クリエーター時代を生きる」が発売中。代理人による公式Xも更新中。

ライフスタイル 新着一覧


球根いつ仕込む?「秋」の今でしょ!植えっぱなしにオススメの花は7種類
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋は、神奈川の真ん中の片田舎で商売をさせていただいておりますが、今年も悩ましい秋でございま...
とことん落ちないと浮上できない 放っておいてあげる優しさ
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
「花屋前にいる」「どこ?どこにでもいる顔だから」実は傷つきLINE3選
 誰かの何気ない一言に深く心が傷ついた経験は誰しもあるはず。  相手の性格にもよりますが、ほとんどは相手に悪気がな...
お疲れ様はNG、お元気様はOKのナゼ…職場のうざいローカルルール5選
 社会一般ではない通じない「職場独特のローカルルール」が存在する会社って多いですよね。入社したての社員からすれば、ドン引...
青空に踏切の音が映える 季節は秋でも絶対に手放せないもの
 ここ数年ですっかり浸透したものに男性の日傘がある。 「男が日傘なんて」という謎の気負いも、死を覚悟する日差しには...
たまたまもゴロンと全開!幸せそうなにゃんたま様に昭和CMを思ふ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
中年のババア、もとい「中年女性」になった私たちへ
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
「聞いてよ!」「で、結論は?」せっかち君のLINEはタイパ重視ですって
 世の中には、1秒でも時間を節約したい「超せっかちな人」が存在します。なぜ生き急いでいるのかはわかりませんが、とにかく少...
#1 芸能界に執着する35歳女の密かな楽しみ。裏アカで吐き出す腹黒い本音
「いらっしゃい、シゲさん今日は早いんだね」  阿佐ヶ谷駅の北口の飲み屋街・スターロードにひっそりたたずむ小さなスナ...
平日夜8時、話題のオーケー銀座店の惣菜コーナーに行き完全敗北した件
 10月17日、東京・銀座3丁目のマロニエゲート銀座2内に「オーケー銀座店」がオープンして話題になっていますね。銀座の一...
#3「バカにされてる?」元彼のイヤミがつらい。女が椎名林檎を歌う理由
【#1、#2のあらすじ】  阿佐ヶ谷のスナックに勤務している紘子は、役者を目指しながらもくすぶっている日々。そんな...
#2「普通の女」に負けた美人は怨念まみれのSNSがバズり快感を覚える
【#1のあらすじ】  阿佐ヶ谷のスナックに勤務している紘子は、役者を目指しながらもくすぶっている日々。そんな彼女の...
「鉛筆なめなめ」「セクハラはやめて」悲しきおじさんビジネス用語3選
 会社に勤めている人なら、50代以上のおじさんたちが「おじさんビジネス用語」を使っているのを聞いたことがあるかもしれませ...
経験は「ナマモノ」…感情も感度も“錆びた大人”になっていませんか
 人生において経験は重要ですよね。これから先の未来や、あるいは後輩たちを助けられるかもしれません。  だけど昔の経験に...
あなたにとっての「過去」はいつ? 過去を閉じ込めた空間で
 過去という言葉の意味が広すぎて、思い浮かべるイメージがまったく違うと気づいた。  ある人は自分が小さかった頃を、...
奢り奢られ問題…リュウジ氏にもう港区くるなよ?の反論、私達が学ぶこと
 ネットを大いに騒がせた「奢り奢られ問題」。料理研究家のリュウジ氏のSNS投稿が火種となり、多くの意見が寄せられました。...