更年期、私はこれで対処しています①漢方薬服用歴15年超、「意味あるのか?」と医師に尋ねた

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2024-11-27 14:57
投稿日:2024-11-06 06:00

歴15年超えの漢方薬

 更年期の治療の一環として続けていることがいくつかある。

 まずは漢方薬の『加味逍遙散(加味逍遙散)』(太虎堂)。女性ホルモンのバランスを正す効果があるという。同年代の友人が何人か、処方されていたので更年期障害の定番薬なのだろう。

 私は更年期障害の症状が出てから飲み始めたわけではなく、30歳で良性の子宮内膜症の診断を受けた時から、もう15年以上、服用を続けている。

 こんなに長く飲んでいても「おお…」と、変な声が出るほどの効果を実感したことはない。数年前、婦人科医に服用を続けていて、何か意味があるのだろうかと質問した。

「漢方薬は続けて飲むことが大事です。いざ、というときに症状が軽く済んだりしますから、予防線を張る意味もある。もし飲んでいなかったら、内膜症も更年期ももっとひどかったかもしれません」

 なるほど。だからといって皆に大手を振って勧めるかといえば、そうでもない。漢方薬の服用は何かと面倒だ。副作用こそないけれど、はっきり言って、味はまずい。

 これを1日3回、食前の空腹時に飲む。気心の知れた人の前なら飲めるけれど、ランチミーティング中や、取材の撮影中、デートの初回などはテーブルには出せなかった。

「人前で服用する」という行為は、国内だと不快感を与えてしまう行為に匹敵するらしい。行為が寛容されるのは、老人と子どもに限ったことだと、漢方薬を飲み始めてから知る。

1カ月2000円程度の出費

 今ではTPOに合わせ、外出中はこっそり水を持ち歩いてトイレで飲んでいる。旅行中もスーツケースに入れると割とスペースを取られるし、慣れるまでは割と大変だった記憶がある。加えて処方箋が必要になるので、通院もある。

 私の場合は低容量ピルと合わせて、1カ月約2000円程度の出費。1年間で2万4000円近くになる。病院側はあっさり処方してくるけれど、服用を守る側はなかなか不便、面倒を強いられるのだ。

 余談だが、45歳を過ぎて服用を始めた友人が、

「喉に粉が引っかかる(泣)!」

 そう嘆いていた。中年は喉に詰まらせやすいのでご注意を。私の対処法に関しては、次回連載更新にも続きます。ご興味のある方はぜひブックマークをお願いいたします。

 次回(#5)へ続く。

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


なぜ『鬼滅の刃』は心に響く?ボロボロだった女が“ある台詞”で救われた話「雷に打たれたような衝撃でした」
 最終決戦が描かれる映画三部作の第一章が公開され、アニメの歴史を塗り替える伝説を打ち出し続けている『鬼滅の刃』(フジテレ...
SNSだらだら、安物を爆買い…全部やってる! やめらない“ムダ習慣”7つがじわじわ刺さる
「やめたいのに、なぜか続けてしまう」そんな“惰性の習慣”に心当たりはありませんか? 毎日の行動の中には、「なんとなく」「...
生きる伝説、“スター★にゃんたま”の貫禄あふれるポージングを見よ!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「自慰行為」の語源になった人物の悲劇。“悪いこと”と罰された本当の理由
 職場や近所、SNS界隈に現れる「残念な人」、いますよね。実は今から約2000年前から現在に伝わる「聖書」にも「残念な人...
「イラつく顔ね」にグサッ…義母が放った“ひどい言葉” 5選。離婚すればってそりゃないよ~
 嫁姑の関係が悪化する原因の1つに、姑の悪意ある発言があるのかもしれません。こんなことを言われたら、姑への憎悪が膨らむの...
【動物&飼い主ほっこり漫画】連載特別編「ハルちゃん 幼少期の思い出」
【連載特別編】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場!  11月下旬発...
「うちはもっとヤバいよ!」え、不幸話で勝負してる? 聞いてて疲れる“愚痴LINE”3選
 人に不幸話をするときは、いくつか気をつけるべきポイントがありそう。なぜなら「それって不幸自慢?」とウザく感じる人が少な...
「着飾るのは何もないから」偽セレブがマウントを取る理由。“本物の令嬢”の前で見つけた本当の自分
 綾乃は千代田区の高級マンションから武蔵小杉に2年前に引っ越して来た。セレブ気取りの綾乃は同じマンション住人でさえない ...
「あの人が…なんで?」地味ママの“富豪人脈”に呆然。勝ち組を演じていた女の勘違い
 綾乃は千代田区の高級マンションから武蔵小杉へ2年前に引っ越して来た。以前の土地では、富裕層中心のママ関係に居づらさをお...
「世帯年収1500万じゃ恥ずかしい」御茶ノ水からの“都落ち”…武蔵小杉のタワマンを選んだ女のプライド
 リビングの大きなガラス窓の向こうには、大樹のようなマンションがいくつもそびえている。  その景色はまるで都会の森...
ママ友の悪口を誤爆!「このLINE、共有しますね☆」やっちまった…恐怖の誤爆エピソード3選
 子どもを介した友達“ママ友”。それぞれ性格が違うので、合う合わないがあるのは当然です。でも裏で悪口や愚痴を言っていると...
昭和や平成にいた“カタカナ職業”とは何だった?バブルを生きた男が思う「総クリエイター時代」の清々しさ
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(65)。多忙な現役時代を経て、56歳...
長渕剛に20代女性との熱愛報道。60代や70代を好む「桶専女子」の生態とは?“枯れ専”との微妙な違いも
 芸能界ではシニアの恋愛・結婚が話題になっている。8月27日配信の文春オンラインはシンガーソングライターの長渕剛(68)...
100均の“お掃除グッズ”でチャレンジ!夏の水回りは「凄腕くん」でピカピカになるか?
 夏は“大掃除向き”の季節だと思っています。冬のように水が冷たすぎないので、特に水回りの掃除は今がチャンス。  気...
大阪万博だけじゃない!行列で起きた“地獄と奇跡”8連発。推しの神対応、彼氏との悲劇…
 2025年4月にスタートした大阪万博も、残すところあと僅か。今回の万博は、何かと大行列ができることで話題になっていまし...
捨てにくい…!困った引き出物、賢い処分方法は?タオルは保護猫に寄付、2人の写真はリメイクで
 結婚式や祝賀会などの引き出物で、「正直いらない」と思ってしまったものはありますか? 折角の品物だと分かっていても、いら...