元AKB48小嶋陽菜の襲撃事件で顕在化…外国人ファン急増で変容したアイドルビジネス

更新日:2024-11-02 17:03
投稿日:2024-11-02 17:00

 元AKBのタレント小嶋陽菜(36)がファンの男に襲撃された事件は、なかば予想されていたものだったらしい。

 小嶋は自らが社長の会社スタッフを通じて、今年8月に「過激なファンがいる」「日本語が通じなくて会話ができない」などと警視庁に相談していた。このファンが、今回暴行容疑で逮捕された台湾出身の語学留学生(42)とみられている。このほどの渋谷センター街での写真集発売イベントは抽選制だったが、時間と場所は事前に公にしてあり、それを見て小嶋を待ち伏せし、押し倒すに至ったようだ。某芸能プロ社長が言う。

「外国人ファンは年々増えている一方、昔から筋の悪いのもいて迷惑しているんです。『日本語が分からない、日本の文化も芸能界のことも分からない。だからいいでしょ』という勝手な理屈でルールを守らなかったり、イベントなどのチケットを買わずにタレントに接触し、抱きついたりする。アイドルビジネスは、タニマチのように好みのタレントの興味関心を引くためには大枚をはたくのが日本流ですが、そんな流儀などお構いなしなのでしょう」

 ファンだからこそ、応援するタレントを守ろうと「親衛隊」を結成して、自分たちで警護役を買って出る人物もかつてはいた。

「親衛隊は事務所スタッフにも敬礼したり、礼儀正しく、イベント会場の掃除までしていましたね。彼らのようなファンが今もいたら、今回の容疑者のような振る舞いは決して許さなかったと思いますよ」と続けた。

 今回の事件の結果として、ファンはタレントと直接触れ合う機会が減るか規制が強化される方向に向かう可能性が高い。しかし、タレント側にとってそれは手放しで歓迎できないようだ。小嶋は開催予定だった写真集発売記念イベント中止をアナウンスしたあと、SNSでこう訴えた。
《ご心配をおかけして申し訳ございません。今日のイベントに参加予定だった皆さん、中止になってしまい私もとても残念です。改めて、また皆さんと会える日を楽しみにしてます!》

 タレントはタレントで、ファンと触れ合うイベントなどはさらに自分のファンを引きつけ、新規を獲得する貴重な営業の機会だからだろう。

「本人はファンに囲まれて、キャーキャー言われるのが嫌いじゃない。今回の事件は心底、迷惑だと思っていると思います」と小嶋を知る芸能関係者も言う。

 アイドルではないが、東京・新橋のガールズバーでの刺殺事件で殺人容疑で送検された職業不詳千明博行容疑者(49)は「(キャストの18歳の女性から)店の外では会いたくないと言われた。それで腹が立った」と逮捕後に供述していると報じられた。千明容疑者は6月ごろ、マッチングアプリでこの女性と知り合ったとみられ、女性目当てに頻繁に店を訪れていたという。

「芸能界のことではないものの、色恋営業を本気と勘違いした客が起こした事件と近いものを感じます。カスハラ問題がようやく日本で理解が広がっていくなか、ファンビジネスも過渡期を迎えています」と前出の芸能プロ社長は言った。ファンとタレントの距離感がますます難しい時代である。

  ◇  ◇  ◇

 AKB48の卒業生は各方面で活躍している。●関連記事【もっと読む】指原莉乃が筆頭、元“神7”板野友美も参入 AKB48卒業生のアイドルプロデュースが増加する背景…では、指原莉乃と板野友美が発揮するプロデュース力について伝えている。

エンタメ 新着一覧


ドヤ顔のアユミとヘイヘイブギー歌唱シーン温存の理由がわかる回だった
 昭和31年、大みそか。第7回オールスター男女歌合戦当日。スズ子(趣里)は、楽しみに会場へと向かう。スズ子が楽屋で支度を...
桧山珠美 2024-03-22 14:30 エンタメ
最終回秒読み…スズ子はブレずにお人よし、NHKと沼袋勉の手腕いかに!?
 愛子(このか)は、翌日の体育の時間に足の早い転校生と競争することになっていた。しかし、勝てる見込みがなく、愛子は学校を...
桧山珠美 2024-03-21 16:07 エンタメ
和田勉が転生したら中村倫也に!? 強烈インパクトで霞んだ礼子娘の初登場
 東京ブギウギのヒットから9年、ブギブームも下火になってきつつある中、スズ子(趣里)や羽鳥善一(草彅剛)のブギは古いとい...
桧山珠美 2024-03-18 14:30 エンタメ
「光る君へ」主人公バージン喪失!大石静氏が描く平安エロ&バイオレンス
 NHK大河ドラマ「光る君へ」は、平安中期の貴族社会を舞台に、吉高由里子演じる主人公のまひろ(紫式部)の生涯を描くもので...
沢尻エリカ不死鳥の如く女優復帰!大衆は真似できぬ人生転落リアルショー
 2月25日、沢尻エリカの女優復帰作となった主演舞台『欲望という名の電車』が千秋楽を迎えました。  「『残念プロフ...
堺屋大地 2024-03-16 06:00 エンタメ
NHK大阪が誘拐未遂事件をぶち込んだのなぁぜなぁぜ? かつ丼コント?
 誘拐犯が捕まってから、愛子(このか)は3日間も学校を休んでいた。スズ子(趣里)は、学校に行くようにと言うが、愛子は友達...
桧山珠美 2024-03-15 14:30 エンタメ
“テレ朝ドラマ”常連・ホンモノの刑事よりも刑事な内藤剛志、降臨!
 大野(木野花)が受けた電話は、3万円払わなければ、愛子(このか)を誘拐するという脅しの電話だった。そして、警察には伝え...
桧山珠美 2024-03-13 14:30 エンタメ
りつ子スパークのラインダンス必見!ワクワクズキズキと笑顔が溢れる回
 羽鳥善一(草彅剛)作曲二千曲記念ビッグパーティーの日が近づいてくる。羽鳥はスズ子(趣里)たちに、パーティーで余興をして...
桧山珠美 2024-03-11 15:30 エンタメ
“ユーミンドラマ”で見せたクソ女の夏帆、そして金子大地と中島歩に注目!
この投稿をInstagramで見る 【公式】「ユーミンストーリーズ」オムニバス夜ド...
真木よう子“まっけんセクハラ発言”はわざと?昭和の価値観をエンタメ化説
 ドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』(2007年/フジテレビ系)や『最高の離婚』(2013年/同)などでの演技が好...
堺屋大地 2024-03-09 06:00 エンタメ
第111回ブギウギの“三大なぁぜなぁぜ”…畑仕事する農家の手じゃない!
 梅吉(柳葉敏郎)が亡くなった。葬儀では松吉(木内義一)が号泣しながら、遺影の自慢をする。  そんな中、スズ子(趣...
桧山珠美 2024-03-08 15:50 エンタメ
死の間際までユーモア忘れず、父娘で歌った「父ちゃんブギ」
 久しぶりに香川に戻ったスズ子(趣里)は、梅吉(柳葉敏郎)が写真館を切り盛りし、繁盛していた話を聞く。梅吉が大切にしてい...
桧山珠美 2024-03-07 15:40 エンタメ
NHKさん、経費削減のあおりですか?スズ子の米公演シーンは写真だけ
 アメリカ行きを決めたスズ子(趣里)だったが、愛子(小野美音)は置いていかれることにすねてしまう。  旅立ちの直前...
桧山珠美 2024-03-05 15:35 エンタメ
“電撃婚”大谷翔平の心を射止めた妻はプロ中のプロ彼女。目標はダル夫婦?
 2月29日16時42分のことでした。NHKで衆院政治倫理審査会(政倫審)の中継を見ていたら、<大リーグ・大谷翔平選手 ...
【台湾ルポ】台湾人の祈り方「拜拜」が酔狂的でエキセントリックすぎる!
 日本からのアクセスも良く、週末や連休を利用して旅行が楽しめる海外として人気の「台湾」。台湾グルメを満喫したり、観光スポ...
2024-03-07 18:24 エンタメ
「買い物ブギ」圧巻のステージ!“キングカズ長男”覚醒、スズ子の虜に
 ワンマンショーに向けて稽古や衣装合わせが続く中、スズ子(趣里)は新しいマネージャーのタケシ(三浦獠太)の様子を見て不安...
桧山珠美 2024-03-01 14:30 エンタメ