元AKB48小嶋陽菜の襲撃事件で顕在化…外国人ファン急増で変容したアイドルビジネス
元AKBのタレント小嶋陽菜(36)がファンの男に襲撃された事件は、なかば予想されていたものだったらしい。
小嶋は自らが社長の会社スタッフを通じて、今年8月に「過激なファンがいる」「日本語が通じなくて会話ができない」などと警視庁に相談していた。このファンが、今回暴行容疑で逮捕された台湾出身の語学留学生(42)とみられている。このほどの渋谷センター街での写真集発売イベントは抽選制だったが、時間と場所は事前に公にしてあり、それを見て小嶋を待ち伏せし、押し倒すに至ったようだ。某芸能プロ社長が言う。
「外国人ファンは年々増えている一方、昔から筋の悪いのもいて迷惑しているんです。『日本語が分からない、日本の文化も芸能界のことも分からない。だからいいでしょ』という勝手な理屈でルールを守らなかったり、イベントなどのチケットを買わずにタレントに接触し、抱きついたりする。アイドルビジネスは、タニマチのように好みのタレントの興味関心を引くためには大枚をはたくのが日本流ですが、そんな流儀などお構いなしなのでしょう」
ファンだからこそ、応援するタレントを守ろうと「親衛隊」を結成して、自分たちで警護役を買って出る人物もかつてはいた。
「親衛隊は事務所スタッフにも敬礼したり、礼儀正しく、イベント会場の掃除までしていましたね。彼らのようなファンが今もいたら、今回の容疑者のような振る舞いは決して許さなかったと思いますよ」と続けた。
今回の事件の結果として、ファンはタレントと直接触れ合う機会が減るか規制が強化される方向に向かう可能性が高い。しかし、タレント側にとってそれは手放しで歓迎できないようだ。小嶋は開催予定だった写真集発売記念イベント中止をアナウンスしたあと、SNSでこう訴えた。
《ご心配をおかけして申し訳ございません。今日のイベントに参加予定だった皆さん、中止になってしまい私もとても残念です。改めて、また皆さんと会える日を楽しみにしてます!》
タレントはタレントで、ファンと触れ合うイベントなどはさらに自分のファンを引きつけ、新規を獲得する貴重な営業の機会だからだろう。
「本人はファンに囲まれて、キャーキャー言われるのが嫌いじゃない。今回の事件は心底、迷惑だと思っていると思います」と小嶋を知る芸能関係者も言う。
アイドルではないが、東京・新橋のガールズバーでの刺殺事件で殺人容疑で送検された職業不詳千明博行容疑者(49)は「(キャストの18歳の女性から)店の外では会いたくないと言われた。それで腹が立った」と逮捕後に供述していると報じられた。千明容疑者は6月ごろ、マッチングアプリでこの女性と知り合ったとみられ、女性目当てに頻繁に店を訪れていたという。
「芸能界のことではないものの、色恋営業を本気と勘違いした客が起こした事件と近いものを感じます。カスハラ問題がようやく日本で理解が広がっていくなか、ファンビジネスも過渡期を迎えています」と前出の芸能プロ社長は言った。ファンとタレントの距離感がますます難しい時代である。
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