“レス夫は同居人”と割り切る40代主婦の告白「まさか女性に惹かれるなんて…」#1

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2024-11-15 06:00
投稿日:2024-11-15 06:00

片思いでもいいから恋がしたい

 弥生さんはその日をきっかけに、丁寧にヘアメイクをするようになったという。

「夫の出勤後、時間をかけてヘアメイクをし、レッスン着も韓流スターを意識したショート丈のTシャツにラフなパンツに変えました。レッスン室に入ると、音響を調節していた美和子先生が『弥生さん、素敵。見違えたわ!』と褒めてくれたんです。

 キュンとしました。先生のキラキラした瞳に見つめられ、どうしようもなく鼓動が高鳴って…。自信を持った私は、その日、最前列でレッスンを受けました。いつもは後ろの目立たない位置だったのですが、少しでも先生のそばにいたくて…(笑)。

 ステップやターンをするたび、先生の甘い香水の匂いが鼻腔をかすめて、緊張や嬉しさがさらにエスカレート。美和子先生の気を引きたい一心で、必死に振りを覚え、首の角度やターンのタイミング、手指の先まで意識を届かせて、頑張りをアピールしたんです。

 レッスン後、先生は私に『格段にうまくなってる。サビのチャールストンステップやBメロの体重移動、アイソレーションも完璧』と皆の前で褒めてくれて…すごく幸せでした。

 先生ほどの美女にパートナーがいないはずはありません。でも、片思いでもいいから、恋したかったんです(笑)」

渋谷でまさかの事態に遭遇

 恋愛対象だと認識したとたん、恋心は膨らむばかり。弥生さんは生徒として「特別な存在」になろうと自宅でもYouTubeを見ながら自主トレをし、レッスンに励んだ。

「ある日、買い物で渋谷に行った際、雑居ビルの前で美和子先生を見かけたんです。私の通うカルチャースクールは都内にいくつも会場があるため、『今日は渋谷でレッスンだったのね』と声をかけようとした時、連れの女性がいることに気付いたんです。

 2人ともショートヘアでスラリとした美女ですから、とても目立ちました」

 弥生さんが声をかけようか迷ったところで、事件が起きた。

「なんと、美和子先生が連れの女性の頬をひっぱたいたんです。しかも泣きながら…。大声を上げて連れの女性をなじっているのが遠目でも分かりました」

 周囲の人の多くが関りを避けるようにで女同士のケンカを横目に素通りしていったという。

ネットカフェで話を聞くことに

 しかし、弥生さんは見逃せなかった。

「そばに歩み寄り、遠慮がちに『美和子先生…?』と声をかけたんです。名を呼ばれた先生は目を見開いて呆気に取られていましたが、『弥生さん…私、裏切られたの』と泣きながら抱きついてきたんです」

 予想外の事態が起きて困惑したものの、彼女の柔らかな体に、弥生さんはドキッとしたという。

「あの時はあまりにも驚いて記憶が定かではありませんが、先生の背中に手を回し『別なところに行きましょう』と、2人を引き離したことだけは覚えています。

 すすり泣く先生の背中に手を回したまま、渋谷の街を歩いていると、先生が『ここでいい。ここで話を聞いてほしい』とネットカフェの看板を指したんです」

 2人はエレベーターで6階まで行き、カップルシートをリザーブした。

 続きは次回。

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

ラブ 新着一覧


LINEに隠された彼の本心は? 文章から分かる男性心理5つ
 男性の知り合いや友達とLINEのやりとりをしていると、「ん? これってどういう意味だろう?」と、相手の本心が気になるこ...
恋バナ調査隊 2021-10-10 06:00 ラブ
一緒に暮らしているのに“ホウレンソウ”を怠る彼に募る苛立ち
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2021-10-09 06:00 ラブ
最低限のマナーなのに…謝罪も感謝も言えない恋人に呆れる彼
「冷酷と激情のあいだvol.59〜女性編〜」では、恋人からの“ホウレンソウ”が不十分であることに、怒りを抱き続ける女性・...
並木まき 2021-10-10 05:34 ラブ
「もう、うんざりだ」夫から離婚を告げられる妻の6つの行動
 男女問題研究家の山崎世美子(せみこ)です。離婚を切り出すのは女性からというイメージはもはやありません。ここ最近目立つの...
山崎世美子 2021-10-09 06:00 ラブ
シンデレラに学ぶ恋愛に効果的な心理学♡ 終電で帰るべき理由
 誰もが知っている「シンデレラ」の話。ガラスの靴を持って探しに来た王子様と結ばれるというファンタジーに、ときめいた女性も...
恋バナ調査隊 2021-10-08 06:00 ラブ
カップルの同棲はデメリットが多い?幸せに暮らすためのコツ
 カップルの同棲は、「家賃の負担が減る」「結婚前のシミュレーションができる」などのメリットがある一方、きちんとルールを決...
恋バナ調査隊 2021-10-08 06:00 ラブ
口下手彼氏の気持ちを探るポイント5つ&上手な付き合い方
 好きな男性から、言葉で愛情を表現されると安心する女性は多いでしょう。でも、男性の中には、言葉にしなくてもちゃんと愛情を...
恋バナ調査隊 2021-10-07 06:00 ラブ
浮気された過去から彼を疑ってしまう…不安を消す3つの方法
 過去に浮気されたことのある女性は、「信じていたのに裏切られた」というトラウマから、恋人をどうしても疑ってしまうと苦しん...
恋バナ調査隊 2021-10-07 06:13 ラブ
おひとり様の期間が長すぎて…どんな人を恋人にすればいい?
 一人でいる時間が長くなれば長くなるほど、次の恋愛へのフットワークが重くなりがちですよね。最近はアプリなどで異性に出会え...
若林杏樹 2021-10-06 06:00 ラブ
“恋愛したい”と言う男性の心理って? 本音を見極めるポイント
 男友達から「恋愛したい」と言われると、ドキッとしてしまいますよね。「もしかして、これって告白?」なんて、舞い上がってし...
恋バナ調査隊 2021-10-06 06:00 ラブ
倦怠期かもしれない…5つのチェックポイント&乗り越え方
 交際期間が長くなると、どんなカップルにも訪れるのが「倦怠期」。もちろん、倦怠期知らずのカップルもいますが、ごく稀しょう...
恋バナ調査隊 2021-10-05 06:00 ラブ
“リアル離婚弁護士”が説く「結婚したら地獄な男性」特徴8つ
「何歳からでも夫婦になるのは遅くない」とお伝えする本連載。今回は番外編です。のべ3000人以上の離婚案件の相談に乗ってい...
内埜さくら 2021-10-05 13:29 ラブ
彼氏の浮気を許すor許さない? 判断ポイント&許す時の心構え
 彼氏に浮気されたら誰だって悲しいものですが、その後の対応は人によって異なります。あっさりと別れを選ぶ人もいますが、愛情...
恋バナ調査隊 2021-10-04 06:00 ラブ
元彼がしつこい…秘められた4つの男性心理&上手な対処方法
 どんなにラブラブだったカップルも、思いがけないことが原因で別れてしまうことがあります。お互いに納得して別れていれば良い...
恋バナ調査隊 2021-10-03 06:00 ラブ
いくつ当てはまる? 外見&性格でわかる魔性の女度診断8選♡
「魔性の女」とは、独自の魅力で男性を翻弄する女性のこと。男性からモテる性質を持つ魔性の女に、憧れたことがある女性も多いで...
恋バナ調査隊 2021-10-03 06:00 ラブ
彼氏の二股が発覚…“最後の火遊び”と許そうとする女性の本心
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2021-10-02 06:00 ラブ