更年期め、50代手前で不眠で悩むとは…「大変だ、眠れない!」試行錯誤の睡眠導入術

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2024-12-04 14:25
投稿日:2024-11-27 06:00
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まった老化現象についてありのままに綴ります。第7話は「大変だ、眠れない!」。

生まれついての睡眠自慢、崩れる

「ん~…うあ~…」

 とある深夜2時。私はベッドに入って、天井を見上げて唸っていた。日常生活で悩みがあるわけではなく、眠れないのだ。

 子どもの頃から40代前半に至るまで「眠れない」という体験をしたことがなかった。勉強も仕事もパッとした人生ではないと思うが、寝付きの良さだけは天下一品。もしこの世に『快眠賞』があったら、受賞連覇していた自信がある。

「ひさちゃんってさ、本当に寝つきがものすごくいいよね。俺、なかなか眠れない時もあってさ」

 30代で交際していた恋人に入眠の良さ、睡眠の深さをうらやましがられたことがある。彼の一言のおかげで、自分の睡眠の質が良いことに気づき、同年代に「眠れない」という人がいることを知った。それほど眠ることには自信があった。


【こちらもどうぞ】更年期、私はこれで対処しています①漢方薬服用歴15年超、「意味あるのか?」と医師に尋ねた【日日更年期好日】

 が、50代を前にして不眠に悩むことになろうとは予想だにせず。

 結局この夜は深夜3時過ぎまで眠れなかった。0時にはベッドに入っていたので、3時間も無駄にしたことになる。以前、眠れないときは潔くあきらめて、ベッドを出て、眠くなるまで別のことをすると良い…読んだ。

 が、明日の仕事のことを考えると「寝なきゃ」と、ベッドから出る勇気がない。古臭い表現になるが、目がギンギンのまま夜は深まっていった。

No Life,No Sleep.

 翌朝、いつも通り7時には目が覚めたけれど、体と頭がズーンと重い。仕事を始めようとパソコンに向かうものの、脳内に靄がかかったように、ぼんやりとしている。

「あなたは力仕事でもないんだし、デスクワークでしょう?」

 いや私のようなデスクワーク人間こそ、生活リズムが少し乱れるだけで、パフォーマンスに影響が出る。これが、若かったら短時間睡眠でもとっとと脳が回復する。でも二日酔いの回復に二日かかるような年頃になると、睡眠不足にもリカバリーの時間がかかる。

 これもどうやら更年期のせいだ。今日も、明日も、その先もずっと眠れなかったら、それこそ死活問題になる。

 まだ睡眠薬のお世話にだけはなりたくないし、漢方薬が加味逍遙散(更年期治療薬)とは別に投入されるのは勘弁してほしい。

 私は睡眠不足による食いっぱぐれを避けるために、睡眠改善について調べ始めた。出版社勤務経験を経た、現役の編集者でもある。「調べる」「ソースを取る」という行為に関しては、異様な力を発揮する。

 まずは原因究明だ。

 更年期の眠れない原因はいくつかある。代表的なところで、ホットフラッシュといった体異様に熱くなり、寝つけなくなってしまうパターンがある。私の場合は単純に眠れないだけ。原因はエストロゲンという女性ホルモンの低下によって、セロトニンの減少も同時に引き起こる。

 良質な睡眠には不可欠なホルモン、メラトニンはセロトニンを主原料としているので、不眠になってしまう云々。要は自律神経の乱れた、緊張状態にあるらしい。

 連載では「のぼせる」「めまい」「倦怠感」などの体験談を、少しずつ公開してきたが、ヒトの体とはどこまでホルモンに采配されているのだろうかと『踊る大捜査線』(フジテレビ系・1997年)の室井慎次のように眉をしかめる。

 もう全てをホルモンのせいにしたいけど、したところで何の解決策にもならない。解決策を探すしかないんだ、私!

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


クリスマスまでボディ磨き! 貴女に合うマッサージオイルの種類は何?【フェロモンジャッジ調香師が解説】
 もうすぐクリスマスですね。愛するカレや気になる人とデートの約束をして、楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。 ...
通りがかりの小さな秋祭りで②
 こどもたちの晴れ舞台の日。  希望をありがとう。
男の港で太陽パワーを蓄電中! “たまたま”に学ぶ寒い冬の乗り越え方
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ほっこり癒し漫画/第86回「小悪魔マル」
【連載第86回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
【女性語】「おいど」って知ってる?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
無痛分娩したいけど夫の反応が気になる…隠れた男の本音と説得方法は?
 いつの時代も出産は命懸けです。特に、痛みに強い不安がある人は「無痛分娩」を検討しているかもしれませんね。でも、気になる...
闇深けぇ…起業家女性の「たかが接客業」にゾク。ギャップ満載LINE3選
 ネット社会の現代では、「現実の顔」と「SNSやLINE上の顔」の2つを持つ人が多いですよね。  顔が見えない世界...
斎藤元彦知事案件で炎上! キラキラ広報女子の天国と地獄、「叩かれる自慢」と「許される自慢」の境界線は?
 兵庫県知事選で再選された斎藤元彦氏をめぐる公職選挙法違反疑惑。選挙期間中に「広報戦略を全般を担当した」とPR会社「me...
「アンパンマン嫌い」の親が“強要”するのは虐待? 炎上騒動に思うアンチと子育ての妥協点
 先日、Threads(スレッズ)において、生後6カ月の赤ちゃんを育てている女性が「(我が子に)アンパンマンを徹底的に避...
好奇心が止まらない! チビッ子ギャング“たまたま”は次の遊びを模索中
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「綿花」は冬の超絶人気商品!コットンフラワー、コットンツリーの値段は? どう楽しむ?
 12月の足音が聞こえ始めると、クリスマスとお正月商材の準備でお花屋さんは大爆発! 猫店長「さぶ」率いるわが愛すべき...
「体目当てだって気づかないと」菊池風磨構文でぴしゃり!友達の心にしっかり刺さった神LINE3選
「菊池風磨構文」とは、Sexy Zoneから改名したtimelesz”が新メンバーを募集するオーディションで生まれた構文...
残念ばーさんにはなりたくない! 平均年齢70代の“おじさまの海”で学ぶ
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女...
通りがかりの小さな秋祭りで①
いつか主役になっていくのだろうと思わせる眼差し とっても頼もしい
野生炸裂! 躍動感たっぷりなワイルドハンター“たまたま”の雄姿
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
男も女も絶対信用できない言葉7選「行けたら行く」ほど当てにならないものはない
 今回は、信用できない言葉を特集! コミュニケーションにおいて本音と建前を使い分けるのは大切ですが、ここで紹介する言葉は...