松本人志が文春訴訟取り下げで失った「大切なもの」…焦点は復帰時期や謝罪会見ではない

更新日:2024-11-16 17:03
投稿日:2024-11-16 17:00

【城下尊之 芸能界ぶっちゃけトーク】

 松本人志(61)が週刊文春を訴えた裁判で、松本がその訴えを取り下げたことが大きな話題として報じられた。

 SNS上は「裁判も終わりだから、早くお笑いに戻ってくれ」と復帰待望の声がある一方、「やっぱり気持ち悪くて、今までのように見ることができない」といった批判的な声に二分されている感じだ。

 芸能マスコミ的にもテレビ番組復帰時期の予想がかまびすしい。年内か、年明けか、はたまた来年中か、それとも劇場でダウンタウンとして再始動してから徐々に活動を拡大していくのか……と伝えている。スムーズな復帰のためには「記者会見すべきだ」という意見も多い。

 だが、今回の焦点は復帰時期とか、謝罪の会見とか、そんなことなのだろうか。

 裁判取り下げのコメントとして、松本の代理人弁護士は「被告ら(文春側)と協議等を重ね、訴訟を終結させることといたしました」とし、松本本人は「強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認いたしました」「(会合に)参加された女性の中で不快な思いをされたり、心を痛められた方々がいらっしゃったのであれば、率直にお詫び申し上げます」と公表している。

 要するに、被害者がいれば謝るし、性的接触はあったかもしれないが、「法に触れることはしてませんよ」「罪を犯したわけではありませんよ」と強調したいわけだ。

 だが、そこが問題ではないのだ。松本は芸人仲間らが集めた女性たちと飲み会を開くにあたって、ホテルのスイートルームで飲み会の最中に女性と寝室に入ってひとときを過ごした。この時点でアウトなのだ。松本が強調したい“性加害”がなかったとしても、性的行為自体はあったとみられても仕方がないし、むしろ容易に想像がついてしまう。あわよくば性的な関係を持ちたいという下心も丸見えだ。

 その松本のこれまでのテレビでのイメージはどうだったのか。笑いを交えて言いたいことは言ってきたが、「それでも悪い人じゃない」という感じで見ていた視聴者は多いと思う。お笑い界の“大御所”であり、後輩たちにも慕われていると思っていた人も多いだろう。

 ところが、今回の訴訟は自分でアクションを起こしながら、白黒をうやむやにしたまま敵前逃亡のような形で逃げてしまった。

 松本は先のコメントでこうもつづっていた。

「ファンの皆様、関係者の皆様、多くの後輩芸人の皆さんに多大なご迷惑、ご心配をおかけしたことをお詫びいたします。どうか今後とも応援して下さいますよう、よろしくお願いいたします」

 あの威勢の良さは完全に消えてしまった。タレントに戻りたくてしょうがないのだろうが、人の情けにすがる哀願口調に変わっている。

 こんな姿を彼に憧れていた後輩芸人たちはどう思うか。テレビの若手スタッフはどう見ているのか。局の上層部とスポンサーはどう判断するだろうか。

(城下尊之/芸能ジャーナリスト)

エンタメ 新着一覧


【写真特集】背中ぱっくりドレスを着こなす滝クリ。健康的な美脚も披露!
【この写真の本文に戻る⇒】滝川クリステルに「好きになれない」の声多数。バリキャリだけど同性ウケしないのはなぜ?
航一も明治生まれの男。娘に手を上げるのか!? と一瞬緊張が走ったシーン
 のどか(尾碕真花)の婚約者・誠也(松澤匠)が星家にやってくる。しかし、星家では航一(岡田将生)と優未(川床明日香)が優...
桧山珠美 2024-09-12 17:15 エンタメ
「東出昌大の再婚を叩いたら負け」なのか? SNS社会は彼に試されている…
 2015年1月、朝ドラ『ごちそうさん』で夫婦役を演じた杏と結婚して3人の子を授かるも、映画『寝ても覚めても』で共演して...
堺屋大地 2024-09-11 06:00 エンタメ
夫婦水入らずの何気ないシーンが描いたもの。爆速で進む物語、子どもたちは誰が誰やら…
 8年にも及ぶ「原爆裁判」を終えた寅子(伊藤沙莉)たち。竹中(高橋努)は渾身の記事を書き、よね(土居志央梨)と轟(戸塚純...
桧山珠美 2024-09-12 16:53 エンタメ
【写真特集】若っ!金髪姿の岡田将生。浴衣、くるんくるんパーマヘアも…
【この写真の本文に戻る⇒】岡田将生「ラストマイル」沼にハマる人続出!「虎に翼」との共通項も考察
岡田将生「ラストマイル」沼にハマる人続出!「虎に翼」との共通項も考察
この投稿をInstagramで見る 映画『ラストマイル』公式【大ヒット上映中】(@...
朝ドラ史上、いやテレビ史上に残る名判決シーン。「政治の貧困」の言葉が胸に突き刺さる
 昭和38年6月、桂場(松山ケンイチ)は最高裁判事のひとりに任命される。  竹もとで修業に励む梅子(平岩紙)、そし...
桧山珠美 2024-09-07 06:00 エンタメ
夕飯のカレーで描いた星家の“遠慮のない家族”への変化。入山法子の名場面を振り返り
 昭和37年1月、「原爆裁判」の原告のひとり、吉田ミキ(入山法子)が法廷に立つことを承諾。広島から上京してきたミキを、原...
桧山珠美 2024-09-05 17:30 エンタメ
虎に翼の脚本は朝ドラ特有の“中だるみ”なし!塚地出演「あさイチ」との連携プレイにも救われた
 昭和34年、優未(毎田暖乃)は高校1年生に。直明(三山凌輝)と玲美(菊池和澄)の間に子供が産まれ、猪爪家はますますにぎ...
桧山珠美 2024-09-02 17:30 エンタメ
東出昌大“狩猟系イケメン”面目躍如。通り過ぎていった女性たちは何を思う
 期待に応える男、東出昌大(36)がまたまたやってくれました。今度は“デキ婚”ですって。いつかやってくれるだろうとは思っ...
第110回感動のラストシーン! 余貴美子演じる百合さんの“ある台詞”がとっても可愛かった
 寅子(伊藤沙莉)たちとの同居がつらいと本心を語り、家を出ようとするのどか(尾碕真花)。そんな彼女に、優未(毎田暖乃)は...
桧山珠美 2024-08-31 06:00 エンタメ
【写真特集】10年前の初々しい東出昌大。オールバック、ナチュラル、横流し…髪型3変化
【この写真の本文に戻る⇒】杏との離婚から4年、東出昌大“デキ再婚”で話題の養育費問題。子のために前妻が即やるべき事【弁護...
虎に翼108回目でお見事だった2つのシーン。世の中の“普通人”の理不尽な思いを代弁させた
 稲垣(松川尚瑠輝)と小橋(名村辰)にも手伝ってもらい、裁判所で中学生向けの法律の勉強会を開いた寅子(伊藤沙莉)。だが話...
桧山珠美 2024-08-28 17:15 エンタメ
松本人志はいまや「憧れの芸人」ではない。若手芸人が話す3つの理由
「生きるお笑い界の伝説」ことダウンタウン松本。還暦を迎えた今も大人気の冠番組を複数抱え、お笑い界で最も大きな発言権を誇る...
帽子田 2024-08-28 09:38 エンタメ
なんて賢い子!“星家イチのオトナ”が優未だった件。27日あさイチに“料理男子”井上祐貴が降臨
 寅子(伊藤沙莉)と優未(毎田暖乃)は星家で暮らし始めるが、航一(岡田将生)の長男・朋一(井上祐貴)、長女・のどか(尾碕...
桧山珠美 2024-08-26 17:35 エンタメ
木戸大聖が世間に見つかってしまった!月9「海のはじまり」スピンオフでファン急増中
 めめ(目黒蓮)の体調不良が心配でなりません。現在、フジテレビ系月9「海のはじまり」に主演していますが、Snow Man...