60代ふつうのおばさんが資産家シニア男性を虜にした「2つのモテ」【後妻業の女・筧千佐子#1】

神田つばき 女と性 専門ライター
更新日:2024-11-23 06:00
投稿日:2024-11-23 06:00
「いつまでも可愛い女性でいたい」「男性から大切にされたい」――誰もが思うことだろう。ところが、男性を狙って凶行におよんだ女犯罪者には、なぜか男性を魅惑する可愛い女性が多い。
 私は、女犯罪者の心理と魅力の秘密を研究するZINEを作りはじめて「男を捕獲するのは顔でも若さでもない」という驚きの事実を知ってしまった。
 例えば、「後妻業の女」として世間を驚かせた筧千佐子死刑囚(77)は事件発覚当時、60代のふつうのおばさんだったのだ!

後妻業の女・筧千佐子死刑囚#1(高齢男性4人への殺人、強盗殺人未遂罪で死刑判決)

 結婚を語って男性に近づき、遺言を書かせてから相手を殺して財産を乗っ取る後妻業の女。2013年末の京都の夜、「夫が倒れている。息をしていないみたい」と、前月に結婚したばかりの妻・千佐子から119番通報が入った。

 救急隊員が駆けつけた時には75歳の夫はすでに死亡。外傷はなく、司法解剖すると体内から青酸化合物が検出された。女の身辺で10人の男性がなくなっていること、合計10億円を超える資産を手にしてきたことが判明、2021年に死刑宣告を受けた。

  ☆  ☆  ☆

狩り場は結婚相談所

 疑惑の妻・筧千佐子にTVメディアが群がって囲み取材を行ったとき、世間が驚いたのは、彼女がすでに67歳のおばさんだったことだ。より多くの男性と知り合うために、千佐子は複数の結婚相談所を利用していた。

 相談所で作ったPRデータには、お花のコサージュをつけて微笑んだ写真に、趣味は読書と料理、性格は気さくで明るく、尽くすのが好き、家のことをするのは苦にならない、などと書き添えられていた。

 誰もが振り返る美魔女というわけではなく、おとなしい顔立ち。でも、年齢の割に髪も肌もきれいで、身なりも小綺麗。「こんなきちんとした人が、お金目当てに人を殺したりするかなあ?」という印象だ。

 ところが事件について質問されると、立て板に水のごとくペラペラしゃべる。用意されたシナリオを一人で読んでいるみたいに、相手の反応を見ないで一気に話そうとする。「やはりこの人、やってるな」と誰もが感じた。

理想の女房を演じて

 パートナーを求めるシニア男性には共通の特徴がある。特に資産を持っている男性はプライドが高く、家事やご近所づきあいが苦手だったりする。相談所やサイトに登録しているシニア男性の多くは、心の底では若くてきれいな女を好む。

 でも、現実には若い女性は男に対して手厳しいから、怖い。そこで、やさしくて家事をやってくれそうな女を選ぶことになる。

 そんな孤独なシニア男性のニーズを、千佐子はしっかり把握していた。派手すぎない程度におしゃれ、近隣の人とも気さくにやり取りできる社交性があり、料理がうまく、家もゴミ屋敷にならないように片付けてくれる理想の女房だ。

 その一方で千佐子は男性の家に住みつかず、数日ごとに賃貸マンションに帰っていた。こうすれば複数の男性と親密になり、後妻業のかけもちができる。

 千佐子のモテの秘密はもう一つあった。性的に男性を拒絶しないことだ。

神田つばき
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女と性 専門ライター
離婚と子宮ガンをきっかけに“目がさめて”女性に生まれたことの愉しみを取り戻すべく、緊縛写真のモデルとライターに。私小説「ゲスママ」、イベント「東京女子エロ画祭」「親であること、毒になること」などを企画。最近は女犯罪者や緊縛表現者に関するZINEの制作・販売を開始。Xnoteblog

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