渋谷の路上で号泣ビンタを目撃!女同士の秘め事はネカフェのカップルシートで… #2

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-03-03 19:13
投稿日:2024-11-22 06:00

甘美な時間を過ごして

 それからのことは夢かと思うほど甘美な時間だった。美和子先生が弥生さんに覆いかぶさって来たのだ。

「驚くというよりも、幸福感のほうがまさりました。柔らかな唇、なめらかな肌、甘い香り…。女性の体ってこんなにも男と違うのかをまざまざと知らしめられたんです。同性愛の経験など初めての私です。

 先生はしなやかな指、柔らかな唇と舌で、夫がしてくれなかったことをやってくれたんです。今思い出しても恥ずかしく、でもたまらなく心地いい時間でした。

 パーティションで区切られただけのネットカフェで、必死で声を押し殺しました。声を出せない代わりに、先生のショートヘアを撫でまわして…。体が痙攣する頃には、先生は『弥生さん、可愛い』と甘く囁いて、今でもドキドキしています」

 弥生さんは、真っ赤に火照った頬を両手で覆った。その日以来、講師と生徒だった関係は恋人同然の関係に変わった。

幸せな瞬間と付きまとう後ろめたさ

「レッスン後、時間をずらしてスタジオから出て、2人きりで逢うようになりました。食事だけの時もありますし、先生の自宅マンションを訪れる時もあります。

 ベッドの中で『弥生さんはますますダンスがうまくなっていくわね』と褒められて、『だって、先生の特別な生徒でいたいもの』と笑い合う瞬間の幸せと言ったら…もう言葉にできません。

 こんなことを言ったら申し訳ないけれど、美和子先生を振ってくれた彼女にお礼を言いたいくらい(笑)」

 弥生さんは生徒たちの憧れるダンス講師・美和子先生と肌を重ねているという事実に陶酔した。一方で「自分は既婚者なのに」という後ろめたさが付きまとった。

 同性と言えども、これは不倫に他ならない。夫や周囲にバレてはいけない。そして、いつかは先生が離れて行ってしまうかも…という不安も抱き続ける。

夫に会ってみたいと告げられて

 そんな折、美和子先生は思いがけないことを告げてきたという。

「ある日のデートの帰り際、『今度は弥生さんのお宅に行きたいわ。ご主人にも会ってみたい』と言われたんです。自宅に呼ぶのは構いませんが、主人に会いたいだなんて…」

 弥生さんは言葉を詰まらせた。美和子先生の意図が全く分からなかった。

 しかし、先生は「来週か再来週はどう?」と畳みかける。もしかして試されているの? 弥生さんの胸奥がざわめいた。

 続きは次回。

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

ラブ 新着一覧


うわぁ…彼女に“激萎え”したLINE3選。そのお世話、裏目にでてるかもよ?
 付き合った当初と違う…と彼女の変化に不満を抱く男性は多い様子。中には「女として見られない」と、気持ちが冷めてしまう人も...
恋バナ調査隊 2025-06-01 06:00 ラブ
「俺は毎日もやしでいいのに」質素な生活を望む47歳夫。家事代行を頼む妻との結婚を後悔する毎日
「冷酷と激情のあいだvol.248〜女性編〜」では、家計に満足なお金を負担せず、家事への労力も渋る夫への妻・美幸さん(仮...
並木まき 2025-05-31 06:00 ラブ
「生活費は10万しかくれない」夫が“セコ過ぎる”と嘆く43歳妻。お金も家事も私ばかり…と不満が募る日々
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2025-05-31 06:00 ラブ
不倫はもうおしまい。女たちが最後の“さよならLINE”を送る瞬間
 大好きな男性とはお別れなんてしたくありませんよね。でも相手が既婚者だったらどうでしょうか? 今回は、既婚者の彼との最後...
恋バナ調査隊 2025-05-31 06:00 ラブ
【漫画】疑似結婚って何?ドS上司から提案された条件と、彼が“シンパパ”になったワケ『授かり疑似婚』#3
【『授かり疑似婚~秘密のマリアージュ~』あらすじ】  見栄っ張りなOL・花森咲良(27)は、弟と一緒に住んでいた家を追...
【漫画】ちょおえええ!シゴデキ上司「俺、奥さんいないよ」突然の“顎クイ”告白から…『授かり疑似婚』#2
【『授かり疑似婚~秘密のマリアージュ~』あらすじ】  見栄っ張りなOL・花森咲良(27)は、弟と一緒に住んでいた家を追...
【漫画】うっわ~女物の靴…弟に追い出された夜、ドSな上司との運命の歯車が回り始めた『授かり疑似婚』#1
【『授かり疑似婚~秘密のマリアージュ~』あらすじ】  見栄っ張りなOL・花森咲良(27)は、弟と一緒に住んでいた家を追...
「訴えられる…」女装子の妻に“レズビアン”関係がバレる? 不倫の終わりは略奪か、それとも #3
 菜々美さん(28歳ホステス/独身)はアフターで連れて行ってもらった女装バーで、女装が趣味の直樹さん(43歳エンターテイ...
蒼井凜花 2025-05-30 06:00 ラブ
梅宮アンナは大病を経験した“しびれ仲間”と再婚…「いたわり婚」がブームの予感
 梅宮アンナさんが52歳で電撃再婚されました。お相手とは出会って10日、乳がんの診断を受けたことを公表し、現在も治療を続...
内藤みか 2025-05-29 06:00 ラブ
早めに逃げて! モラハラ夫、3つの常套句。卑劣な行為は母親の影響か?
 倫理・道徳に反した嫌がらせを繰り返し、相手を精神的に追い詰める「モラハラ夫」。周囲から見れば「おかしい」と気が付くのに...
恋バナ調査隊 2025-05-29 06:00 ラブ
「対岸の家事」に共感。それでも私が“専業主婦”を選んだ3つの理由
 夫婦共働きが当たり前になってきている今の時代に、あえて専業主婦を選択する女性もいます。セレブならいざ知らず、物価高のご...
恋バナ調査隊 2025-05-29 06:00 ラブ
今すぐ離れて! 自己中男があなたから搾取する6つのこと。お金より大事なものを失うかも
 恋愛は人生を豊かにする要素の1つであるはず。マイナスになるような恋愛はしたくありませんよね。だとしたら、これら6タイプ...
恋バナ調査隊 2025-05-28 06:00 ラブ
なぜ? 親友の夫が襲来…彼女の「裏の顔」に愕然。まさか私が“使われてた”なんて!
 著名人が不倫で活動自粛するというニュースが相次ぐ昨今。そのせいか日常生活で「不倫」という言葉を聞くことが増えたと感じて...
彼とのスキンシップが面倒。性欲が低いのはおかしいですか?(46歳・会社員)
 46歳・会社員の婚活女性です。好きな人が相手でもスキンシップを取るのが面倒くさく感じてしまいます。同世代の元彼とも仲は...
植草美幸 2025-05-26 06:00 ラブ
ぎゃー! 初対面デート、相手がタイプじゃない…どうする? 5つの対処法
 素敵な男性と出会えるチャンスが潜んでいる、マッチングアプリ。マッチングアプリで恋愛成就させる人も増えている一方で、初デ...
恋バナ調査隊 2025-05-26 06:00 ラブ
【男女別】結婚の理想と現実をガチ告白。思ってたんとちがーう!
 あなたは結婚に対してどのような理想を持っているでしょうか? 理想の結婚生活を求めて婚活している人もいるでしょう。  ...
恋バナ調査隊 2025-05-25 06:00 ラブ