「ギャラ飲み」初体験女子が港区で受けた洗礼。富裕層おじがニヤつくワケは…

ミドリマチ 作家・ライター
更新日:2024-12-14 06:00
投稿日:2024-12-14 06:00

2万円が一瞬で稼げる? 甘い誘惑にぐらつく

「よかったら、ここブッチして一緒に来ない? あいつケチだから、タクシー代くらいしかくれないと思うけど、埼玉に住んでるって言えばいいし」

 もちろん、遠慮はする。しかし、押しに逆らえず彼女とLINEを交換してしまった。

 ヘトヘトの退勤後、興味本位で恵比寿から埼玉へのタクシー料金を検索すると、2万円近くあった。

 単発バイトの3日分だった。

その世界に足を踏み入れる「覚悟」

 週末の夜。

 久々に胸まであるロングヘアを下ろす。晴乃はまひなとともに、タクシーで麻布にある会員制のダイニングバーに向かっていた。

 手元には、彼女と色違いのピンクのLady Dior。服装は清楚さを意識した透け感のある白いブラウスに黒のタイトスカートを合わせた。これらは全てまひなからの借りものだ。

「今日はギャラ飲みだし、スレてない子が好きな古風なおじばかりだから晴乃にピッタリ」

 いつの間にか、名前は呼び捨てになっていた。数日前まで目も合わせない関係だったのに。

「本当に大丈夫ですよね。危ないことになりませんよね」

「ま、相手は女の子をはべらすのが好きなだけの人だから健全よ。ただ、ギャラをもらう分、覚悟は必要だけどね」

「覚悟…」

 言葉に詰まっていると、まひなは耳元に顔を寄せ、囁いた。

「晴乃は純粋そうでおじウケする見た目だし、大人な関係もOKならスマホくらい1回のお手当で楽勝だと思うんだけどなぁ…私の周りは誰でもやってるよ。あんたのところのオーナーもそれでのし上がったって噂だし」

 あっけらかんと爆弾情報を投下したところで、タクシーはお目当ての場所に到着した。

憧れの先生も「パパ活」していた?

 煌びやかなネオン街から少し離れた、隠れ家的な静かな場所にぽつんと立つビルの前であった。

 ――パパ活ってこと? あの友梨佳先生が…?

 愛人稼業のようなものだろうか。

 確かに考えてみれば、いちエステサロンオーナーにもかかわらず、芸能人や経営者など彼女の人脈は多岐にわたっている。パートナーはいないと言うが、そこはかとない色気もある。背景がそうだったとしても不思議ではない。

ミドリマチ
記事一覧
作家・ライター
静岡県生まれ。大手損害保険会社勤務を経て作家業に転身。女子SPA!、文春オンライン、東京カレンダーwebなどに小説や記事を寄稿する。
好きな作家は林真理子、西村賢太、花村萬月など。休日は中央線沿線を徘徊している。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


年末年始に増えるご不幸と葬儀。花屋が心底思う「後悔しない直葬」とは?
 寒くなり、アノ不思議現象がボチボチ起こり始めております。それは、年末から年明けにかけて頻発する「お亡くなり現象」。...
「卓越下着術」「胸囲ない」セクハラかと思いきや…!職場&家族へのおもしろ誤変換LINE7連発
 日常の連絡ツールとして欠かせないLINE。気軽に送れるぶん、おもしろ誤変換が生まれます。特に職場LINEや家族への誤変...
「オレ忙しいアピール」って何様よ? 昭和オヤジの怠慢さに怒りの沸点越え
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女...
更年期、私はこれで対処しています②賛否両論のプラセンタ、筋肉注射で痛みもこの上ないが…
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
40歳、セルフプレジャーより睡眠が優先!?フルタイム正社員に転職で痛感
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方をテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。  つい先日ま...
仕事ができないけど愛される人の特徴5つ。ポンコツなのになんで?
 あなたの職場にも仕事ができないポンコツなのになぜか周りに愛されている人、いませんか? 今回は、仕事ができないけど愛され...
気は優しくて力持ちってこんな感じかな
 そして、  思わずほっこりしてしまうのはなぜ?  
ダークヒーロー参上! 木の上から睨みを利かせるアウトロー“たまたま”
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
息抜きは絶対必要!忙しいワーママが自分時間を確保する4つのアイディア
 世の中のワーママは、仕事や家事、育児と朝から夜まで大忙し! 自分の時間なんてほとんどありませんよね。しかし、人には息抜...
「糟糠の妻」の意味は? 出世しても〇〇してはいけないんだゾ
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
ほっこり癒し漫画/第85回「食べる! 食べるでござるーッ!」
【連載第85回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
酔っ払い同士の胸熱&ちょっと恥ずいLINE3選。きのこたけのこ戦争の和解にもおすすめ?
 人はお酒を飲むと日頃心に秘めている本音が出てきますよね。酔っ払い同士のLINEをのぞいてみると、本音同士の面白い会話が...
お互いの「子どもの共通点」に愕然。平凡になったのは元彼と私、どっち?
 新川崎の大規模マンションに暮らす真央。「量産型主婦」を自覚しているが、かつての真央はバリバリの個性派女子だった。そこで...
言われたくない! ただのオジサンになった「元彼からの一言」に怒りが…
 新川崎の大規模マンションに暮らす真央。量産型主婦を自覚しているが、かつての真央はバリバリの個性派女子だった。20年前の...
「浜崎あゆみみたい」って褒め言葉? サブカル女からママ友への小さな抵抗
 かつて京浜工業地帯を支えた巨大な貨物列車ターミナルだった新川崎は、今や「品川から3駅に住まう」などというまやかしのよう...
「奢る代わりに…」急に見せた“男”にドン引き! 仲良かった友達が苦手になった瞬間【LINE編】
 仲良くしていた友達と、LINEがきっかけで疎遠になった経験はないでしょうか? 「こんな人だったの?」という違和感から、...