【朝ドラおむすびのモヤっ】美佐江発言の矛盾とナベさんの心変わりはなぜ? “見せ場”スルーが残念すぎる

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-12-10 12:19
投稿日:2024-12-07 06:00

第10週「人それぞれでよか」#50

 結(橋本環奈)は、明日のこども防災訓練用の炊き出し準備を終えて、家で愛子(麻生久美子)とホッとするが、そこに聖人(北村有起哉)が帰ってきて、防災訓練の全体打ち合わせに結も参加するよう促す。

 打ち合わせで結は、炊き出しの人数が足りないので手を貸してくれる人が欲しいと言い、聖人は孝雄(緒形直人)の名前を出す。


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【本日のモヤっ】

美佐江とナベさんの幻のシーン

 ※※以下、ネタバレあります※※

 ほかほかのわかめおむすび、子どもたちがおいしそうに食べていて、炊き出し隊長の結の株もさぞや上がったことでしょう。

 で、ほかほかのおむすびの件ですが、これって一応、名目は防災訓練なのだから、ほかほかの温かいおむすびよりも、冷たいおむすびを配って、震災の際は電気もガスも使えません、と、冷たいおむすびを食べる訓練をしたほうが、タメになると思うのですが…。

 それはともかく、商店街の人たちです。まだイベント中なのに、自分たちも食べるってどういう了見でしょう。こういう時、スタッフはすべて終わってから食事をとるものでは?

 そもそもですが、炊き出しを手伝う人が足りない件はどうなったのでしょう。栄養士学校のクラスメートたちが手伝ってくれるのかと思いきや、見たところJ班のみ。歩(仲里依紗)が手伝うのかと思えば、そんな気配もなく…。

 ナベさん(緒形直人)がやって来て、結のおむすびを受け取って食べたことで、一件落着のような空気になっていましたが、その辺のところがモヤっとしたままで、スッキリしません。

 さらにモヤっとしたのが、美佐江(キムラ緑子)の発言です。こちらにやって来るナベさんを見つけて、「うちが声かけたん。お礼、言うたんよ。今更やけど、あの時、菜摘のことありがとねって」と言っていましたが、震災の時、わかめなどの食料を持って来てくれたナベさんを拝むように手を合わせ、涙を流しながらお礼を言っていたのはなんだったのでしょう。

 しかも、あんなに頑なだったナベさんが、美佐江にお礼を言われたからといって、ノコノコやって来るのも納得がいきません。

 ナベさんの心を動かす何かがあったとしか思えないのです。美佐江とナベさんのそのやりとりこそ、見せて欲しかった、とつくづく。

 キムラ緑子と緒形直人の迫真のシーン、幻に終わってしまったのは実にもったいないことです。

翔也の真の実力は…?

 そして、おまけのような翔也(佐野勇斗)のスランプ脱出。澤田先輩(関口メンディー)に「お前は速球にこだわり過ぎてた。変化球磨け」と言われ、「ヘンカキュウ?」と初めて気づいたような感じでした。

 言われるまで一度も変化球を試したことはなかったのでしょうか。翔也、将来有望だったはずが、いつからこんなポンコツに…。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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