眼瞼下垂を治したい! 美容外科界隈で「世紀の大発明」と呼ばれる手術とは?【目元の美容専門医師が解説】

増田えりか 医師(形成外科・美容外科・美容皮膚科)
更新日:2025-01-06 06:00
投稿日:2025-01-06 06:00
 この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、テッパンの不安や疑問を分かりやすく“一発回答”。今回は『眼瞼下垂について』について、東京・赤坂「イートップクリニック」院長で、目元の美容専門医師である増田えりかが解説します!

眼瞼下垂ってなに?

 目の上が凹んできた、二重が広くなってきた、夕方あるいは夜になるとまぶたが重い…。そんなあなたは、眼瞼下垂かもしれません。

 目を開ける力が弱ってくるとおでこの筋肉を使って目を開けようとするので、額にシワがよって、その結果おでこの緊張が頭全体や首まで伝わり、頭痛や肩こりの症状につながるケースは少なくありません。

 日常生活に支障をきたす「眼瞼下垂」は保険適用で症状を回避する手術を受けることもできます。

目が開く仕組み

 目は「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」と呼ばれる筋肉が、「挙筋腱膜(きょきんけんまく)」というとても薄い膜を介して、まつ毛のキワにある「瞼板(けんばん)」を持ち上げることで開くのですが、挙筋腱膜は加齢によってさらに薄くなっていきます。

“極薄”になった挙筋腱膜によって、連動する眼瞼挙筋はつられた状態になり、目の上の脂肪が奥へ移動することで凹みが生じたりします。

 また眼瞼挙筋自体も衰えて伸びたり弱ったりするので、最終的に瞼板から外れて別の力を頼り出し、おでこの皺が常に寄ってしまうのです。

 目の上が凹んでいる状況は、筋肉のさらなる酷使につながるので、何かしらの治療や対策を講じたほうがいいでしょう。軽度の眼瞼下垂なら、目の上へのヒアルロン酸注入のみで解決できる場合もあります。

 よりまぶたが重く感じる場合は、いよいよ手術が必要となります。

【こちらもどうぞ】「まぶたのたるみ」原因と予防法。おでこのシワにボトックスが不向きな人は注意【目元の美容専門医師が解説】

眼瞼下垂の手術は大きく2つ

1. ダウンタイムの少ない「糸による切らない眼瞼下垂」

 糸で二重まぶたを作る埋没法を応用して、薄くなった挙筋腱膜を糸でたぐり寄せ、まぶたの開きもよくしてしまおうという画期的な手術です。

 傷跡は、“二重ライン上の針穴のみ”なので、ほとんど目立ちませんし、お化粧は3日目から可能です。

 ダウンタイムが思うように取れない忙しい方には、もってこいです。美容外科界隈では「世紀の大発明」と言われるくらい、見た目と機能がどちらも整う、保険診療では受けられない技術です。

 ただし保険適用外の自費診療のため、お値段はさまざま。10~40万円とクリニックにより幅広い価格設定なのも、この手術の一つの特徴です。

 眼瞼下垂はまぶたの手術の中でも最も経験と技術が問われるので、手術にかけるプライドと想いが表れる部分ですね。

2. 術後に1週間の休みが取れるなら「切開の眼瞼下垂」を

 凹みに負けて二重まぶたの食い込みがなくなっている、あるいは、黒目が上半分隠れているような“眠そうな目”の場合は、糸による手術では太刀打ちできません。

 皮膚のたるみが多い場合も、糸でたくし上げるには限界があります。眼瞼下垂の切開手術のメリットでもある、少量の皮膚切除を行うことで、機能と見た目を整えます。

増田えりか
記事一覧
医師(形成外科・美容外科・美容皮膚科)
「イートップクリニック」院長。2013年日本大学医学部卒業後、東京臨海病院、昭和大学病院、千葉こども病院などの形成外科で経験を積む。湘南美容クリニック高田馬場院長を経て、2021年に赤坂見附にイートップクリニックを開設。目周りの手術では業界トップクラスの症例数。『360度美人』を目指して! 美容医療だけではなく、広くお悩み解決に携われるよう、婦人科専門医による婦人科外来、泌尿器科専門医による男性美容外来、美容師とのコラボレーションで頭皮・髪質治療も展開中。

病院HPYouTubeInstagram

関連キーワード

ビューティー 新着一覧


「目が死んでる」アラフォー女性の“大損”アイメイク。20代女性が僭越ながら再現してみました
「目は口ほどに物を言う」ということわざの通り、目元が周りに与える印象は大きいですよね。  ですが、アイメイクのせい...
食欲の秋ですが! ダイエット失敗談“あるある”6連発、そりゃ痩せないよね…
「ダイエットをしても、いつも必ず失敗してしまう」と、痩せられないことに悩む人は多いようです。なぜ、みんななかなか痩せられ...
歳は取るもの、尿はちょい漏れるもの!? 40代向け尿漏れ対策に取り入れたいセルフケア【薬剤師解説】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
【美容のウソ・ホント】顔マッサージを毎日するのはOK?NG?医師3人の見解は/専門家監修
 SNSにさまざまな情報が溢れている昨今。美容について発信するアカウントも多く存在し、なかには同じテーマでも相反する意見...
40代、ほうれい線が目立つよ…。王道人気のヒアルロン酸は回数限定!?【抗加齢学会正会員の女医が解説】
 東京・赤坂にある「イートップクリニック」院長で抗加齢学会正会員の医師、増田えりかと申します。この連載では美容医療“若葉...
古い下着は運気を下がるだけじゃない!風水的には「寿命3年、処分時に感謝」、ビジュの見極めは?
 皆さんは、同じ下着を何年くらい使いますか? 半年で替える人もいれば、3年以上使っている人もいますよね。実は、風水では古...
40代こそおすすめ!進化続行中のオルチャンメイクで女っぷりを底上げしましょ♡
 オルチャンメイクといえば、どうしても可愛らしい印象が強くて「40代には向いていない」と思っている人は多いはず。でも、オ...
豊胸の覚悟までは…【薬剤師監修】30代からの理想のブラジャー選びと5つの育乳方法
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
産婦人科医の「腟ヒアルロン酸」セミナーに潜入! 感度が高まるって本当? 女性への実技も見学してきた
 目元のシワやほうれい線、眼頭下から頬中央まで斜め下方に表れるゴルゴラインなどを目立たなくさせる方法して、主流の美容整形...
ダイエットしてもバストキープは可能? 女性の永遠のテーマ、きれいに痩せる4つのコツ
 ダイエットしたいけれど、バストが痩せるのは嫌だと悩む女性は多いですよね。実際に、お腹の脂肪だけを落として、バストキープ...
40代美容家が無限リピする「お値段以上」ヘアオイル2品。うねりもクセも怖くない!
「ヘアオイル」の種類は多けれど「お値段以上」で「しっとりツヤツヤ」。この2つをクリアするヘアオイルって、案外見つからない...
全力共感!胸が小さい女性、胸が大きい女性「あるある悩み」攻防戦10選
「自分以外みんな巨乳に見える!」と感じながら生きている“貧乳”女性もいれば、「羨ましい」と言われるたびに、「いやいや結構...
“アレの元気”がない彼氏はEDかも?【薬剤師監修】二人でできる“勃起スコア”チェック&EDの改善方法
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
額と眉間のボトックスは、美容クリニックで最も多いクレーム!?【目元の美容医療に定評ある女医が解説】
 イートップクリニック院長の増田えりかと申します。この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、テッパンの不安や疑問...
性生活にも支障が…つらい膣のかゆみと痛みは萎縮性膣炎かも【薬剤師解説】症状、原因、治療法は?
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
40代「秋のアイメイク」正解は? 必要最低限新調するだけで“ほんのり若返り”トレンド感【美容家解説】
 秋の訪れが近づいてきて、メイクやファッションにも季節感を取り入れたくなるタイミングです。秋アイメイクの最適解は?