【最新回のおむすびにモヤっと】「豚肉と玉ねぎのニンニク炒め」はサラダの後に作ったほうが…

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-12-27 19:30
投稿日:2024-12-27 19:30

第13週「幸せって何なん?」#65

 スナック「ひみこ」で、佳代(宮崎美子)と話す結(橋本環奈)。永吉(松平健)とただいるだけで幸せだと言う佳代の言葉を聞いて、翔也(佐野勇斗)のことを思い出す。

 それから結は台所に立ち、夕飯に豚肉と玉ねぎのニンニク炒めを作るが、その最中にも、翔也と最初に出会った時からこれまでに至るさまざまな思い出が脳裏を駆け巡っていく。


【こちらもどうぞ】面白かった「秋ドラマ」を調査!『海に眠るダイヤモンド』を抜いた1位は?期待外れに“あの作品”がまた…

【本日のモヤっと】



「豚肉と玉ねぎのニンニク炒め」は最後に作ったほうが…

 ※※以下、ネタバレあります※※

 今年最後の「おむすび」。結に会いに糸島までやって来た翔也。姉の歩(仲里依紗)にギャル魂を教え込まれ、自分が悪かったと謝る翔也。歩たちがパラパラを踊るのを見て、覚醒したとのこと。

 お夕飯、何食べたい? と結に聞かれた佳代は「豚肉と玉ねぎのニンニク炒め」をリクエストしますが、複雑な表情の結。最初に作った翔也のお弁当に入れたおかずでした。

 続いて、料理を作る結と過去の翔也との想い出のシーンがオーバーラップされます。「豚肉と玉ねぎのニンニク炒め」の次はトマトのサラダ、そして、イチゴのジャムを使ったドレッシング。だんだん翔也への想いが募り、ついには涙まで…。

 そこに、玄関の開く音が。「英吉さん、帰ってきたんかね」と玄関に出迎えにいく佳代。「米田結」という声に振り返ると翔也が立っていました。髪も黒く戻っていました。

「なんしに来たん?」

「どうしてもおめに謝りに来た。昨日、姉ちゃんにギャルがなんなのか教えてもらった。パラパラも一緒に踊った。思いっきり踊ったら、ギャルがなんなのかちっとだけわかった気がする。俺、おめの言う通りギャル舐めてたわ。ほんとごめん」

 素直で真っ直ぐなところが翔也のいいところですから、自分が間違ったと思ったらすぐに「ごめん」と謝罪するのは好感がもてます。

「おめの父ちゃんと母ちゃんに髪の色元に戻して貰った」というのは、結の両親も翔也の味方をしてくれているのでしょう。ひと昔前なら、肩を壊した元野球選手など将来が不安過ぎて、うちの可愛い娘にやれるか、ってなものでしょうが、令和の親はものわかりがいいこと。おかげで事がサクサク進みます。

 翔也の「でも、心はギャルだ。ギャルの魂持って、大好きな人と今この瞬間を大切にして生きていくって決めた。そしたら一秒でも早くおめに会いたくなった」

 ナベベ(緒形直人)に続き、翔也にもギャル魂が植え付けられました。制作チームは、隙あらば、ギャル魂を絡ませたくて仕方がないようです。

「うちも翔也に会いたかったよ、一秒でも早く」と結。翔也の「プロ野球選手になって幸せにしてやりたかった」発言にムカついたと打ち明け、「うちは翔也に幸せにしてもらおうとは思っとらん。ふたりで幸せになる。何が何でもふたりで幸せになる。やけん。うちと、結婚してください」と結からプロポーズ。

めでたしめでたしのハッピーエンド

 めでたしめでたしのハッピーエンドでした。なんならここで終わっていただいても、誰も文句を言わないのでは、という見事な着地でした。これでひとまず、幸せな気持ちのまま新年を迎えられそうです。「紅白」のB'zも楽しみですね。

 そうそう。回想シーンの都合もあるのでしょうが、先に「トマトのサラダ」を作って、「いちごジャムのドレッシング」、最後に「豚肉と玉ねぎのニンニク炒め」を作ったほうが、熱々のうちにおいしくいただけるのではないか、などと思いました。

 よいお年を。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


朝ドラヒロインは「大日本国防婦人会」と揉めるのがお約束
 結婚した寅子(伊藤沙莉)は弁護の依頼も来るようになり順調な日々を送る。  ある日、手伝いとして働くよね(土居志央...
桧山珠美 2024-05-20 15:30 エンタメ
角界一の美容力士・翔猿らが明かした脱毛&モテ事情、全力で推したいのは
 圧倒的な強さと精神力、鍛え抜かれた筋肉美、昭和の名横綱“ウルフ”千代の富士、整った顔立ちと沸き立つ色気がたまらない“各...
「僕じゃ駄目かな」あすなろ白書のキムタクを想起、優三渾身のプロポーズ
 寅子(伊藤沙莉)は、弁護士として社会的な信用を得るためにお見合いをさせて欲しいと直言(岡部たかし)とはる(石田ゆり子)...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ
事件はいつも「あの階段」で起こる! 岩ちゃん演じる花岡もう婚約
 晴れて弁護士になったが、女性であることを理由になかなか依頼をしてもらえない寅子(伊藤沙莉)。「女の幸せより大事なものか...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ
炎上芸人・粗品は松本人志にビビってない!キンプリへの暴言も計算済み?
 2018年にコンビとして『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)のチャンピオンとなり、2019年にピン芸人として『R-1ぐ...
堺屋大地 2024-05-15 06:00 エンタメ
「握手」の演出に伏線?寅子と花岡は友情の証、優三のそれとは真逆だった
 寅子(伊藤沙莉)の1年先を行く花岡(岩田剛典)は司法修習後の試験に合格。どうしても早く伝えたいと寅子に電話をしてきたの...
桧山珠美 2024-05-14 16:00 エンタメ
あぶ刑事ヒットならドラマ化も?柴田恭兵の“枯れた老人”は世を忍ぶ仮の姿
 先月までNHK-BSで放送していた「舟を編む~私、辞書つくります~」はなかなか素敵なドラマでした。  三浦しをん...
映画『広末涼子』(仮)の鳥羽氏は中盤キャラ?スキャンダル史まだ続く説
 昨年6月、人気シェフ・鳥羽周作氏とのダブル不倫が報じられ、無期限の謹慎処分を受けていた広末涼子。その後、夫だったキャン...
堺屋大地 2024-05-11 06:00 エンタメ
花岡(岩ちゃん)、寅子に匂わせプロポーズ!?でも黄色いバラの花言葉は…
 とうとう合格した寅子(伊藤沙莉)、先輩の久保田(小林涼子)、中山(安藤輪子)。そして寅子と合格者が3人も出たことで、廃...
桧山珠美 2024-05-10 15:30 エンタメ
生田斗真“無痛おねだり”大炎上の後始末 羊水発言は“謹慎4カ月”だったが…
 俳優の生田斗真(39)が大炎上している。生田はインスタグラムのストーリーズで、ファンから質問に回答する企画で「今日で妊...
優三のいい人キャラさく裂!予告でヒヤリとした梅子の断崖絶壁シーンも〇
 涼子(桜井ユキ)と香淑(ハ・ヨンス)の思いを背負って、寅子(伊藤沙莉)たちは再び高等試験に挑むが、今度は梅子(平岩紙)...
桧山珠美 2024-05-09 16:30 エンタメ
『虎に翼』脚本家、アニメ界でなぜ高評価?朝ドラ人気の要因は公平な目線
 NHK連続テレビ小説『虎に翼』が好評だ。主人公は日本初の女性弁護士・三淵嘉子をモデルとした猪爪寅子。彼女が投げかける疑...
竹もとで勉強する寅子たちは今時のノマド?法律事務所の初仕事はお茶入れ
 昭和13年春、明律大学を卒業した寅子(伊藤沙莉)たち。寅子は雲野(塚地武雅)の法律事務所で働きながら高等試験合格を再び...
桧山珠美 2024-05-07 14:20 エンタメ
あさイチで光った令和の“料理男子”の新星、キスマイ横尾のライバル現る!?
 ゴールデンウィークといっても、どこかにお出掛けの予定になんの予定もなく、ただ漫然とテレビを見ていたら、神様から思わぬご...
直言ら16名全員無罪!憲法記念日に放送された寅子が語る「法」の解釈
 昭和11年12月。1年半に及んだ直言(岡部たかし)の「共亜事件」がいよいよ結審の日を迎えた。  寅子(伊藤沙莉)...
桧山珠美 2024-05-04 06:00 エンタメ
直言の判決いかに? 寅子の表情、優三腹くだり…テンポ絶妙な法廷シーン
 公判中に倒れた直言(岡部たかし)は、自分の無実を信じる寅子(伊藤沙莉)の気持ちに応え、取り調べで自白を強要されたことを...
桧山珠美 2024-05-02 17:13 エンタメ