【おむすびにモヤっと】メンチ切り合った2人がなぜ? 見たいシーンを出し惜しむのが「おむすび」クオリティ

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-01-11 06:00
投稿日:2025-01-11 06:00

第14週「結婚って何なん?」#70

 結(橋本環奈)と翔也(佐野勇斗)は、保留とされていた結婚を進めるため2人が考えた生活プランを親たちに説明する。会社で初めて責任ある仕事を任され、少しだけ野球以外の仕事でもやっていける自信が持てたと言う翔也。

 聖人(北村有起哉)は、翔也が野球選手にならなくなった今、結に栄養士を続けていくのか問う。


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【本日のモヤっと】

幻に終わった愛子vs幸子の名シーン

 ※※以下、ネタバレあります※※

 結婚資金を貯めるため、節約するふたり。家計簿をつけるとか500円貯金をするとか、発想がお子ちゃま。家計簿というか、おこづかい帳のほうがお似合いでは、という感じでした。

 翔也にいたってはマイボトルでお茶を持参するのはまだしも、結を神戸まで送った帰りは大阪まで走って帰るなど、わけがわかりません。そこは送るのを止めたほうが手っ取り早いのでは?

 そもそも、ふたりとも名の知れた企業の正社員なのだから、社歴が浅いとはいえ、そんなにお金が無いアピールをしなくても…。それとも星河電器は相当のブラック企業なのでしょうか。

 そんなこんなで年が改まり、新年を迎えました。米田家には翔也の両親も集まり、重々しい空気が流れています。そこで、お互いの両親に結婚の承諾を得ようと試みるふたり。ところが「もう、誰も反対してねえよ」と幸子(酒井若菜)。「ふたりが真剣に考えてるって、愛子(麻生久美子)さんが教えてくれたのよ」と続けます。それを受けて「ふたりのこと伝えに行ったのよ、栃木のいちご農園に」と愛子。

 幸子が「いちごの収穫まで手伝って貰っちゃって。愛子さん、うめえんだもん」と言えば、「だって、糸島で農家やってたもん、当たり前よ~」と愛子。てっきり1話分、見逃したかと思いました。

「あ~ん」「あ~ん」とメンチを切り合っていた元レディースと元スケバンが、なにをどうしたら、ここまで仲良くなれるのでしょう。できることならその過程をじっくりと見たかったなあ、と。突然、愛子が尋ねてきて幸子はどう出たのか。なんといっても、メンチを切り合った2人ですから。相当気まずいはずです。

 それをどう懐柔したのか。愛子と幸子の見せ場だったのに、またしても台詞だけで終わらせてしまう愚行。母親たちの名シーンは幻に終わってしまいました。見せて欲しいシーンを出し惜しむ。それが「おむすび」クオリティです。

 そもそもですが、愛子は結に分からないようにいつの間に栃木まで行ったのでしょう。新幹線で行ったとしても片道5時間はかかります。そのうえ、いちごの収穫まで手伝ったとなると、とても日帰りでは難しいのでは…。さらにいうなら、四ツ木ファミリーもUSJに行くのなら、わざわざ神戸まで来ずとも、現地集合のほうがよろしいかと。


桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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