【おむすびにモヤっと】結の出産も大震災直後の描き方もショートカットが凄まじい…米田家の呪いはどうした?

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-01-15 18:30
投稿日:2025-01-15 18:30

第15週「これがうちの生きる道」#73

 テレビを見て、東日本大震災が発生したことを知る結(橋本環奈)たち。歩(仲里依紗)は被災の映像を見て呼吸が荒くなり、そばにいたチャンミカ(松井玲奈)が肩を抱いて寄り添う。

 ちょうど実家にいた結は愛子(麻生久美子)、聖人(北村有起哉)と歩を心配するが、晩になって歩はなんとか家に帰ってくる。結は歩に、自分に何かできることはないかを聞く。


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【本日のモヤっと】


藤原紀香キャスティングの方便?

 ※※以下、ネタバレあります※※

「(赤ちゃんは)卵で産みたい」――その昔、妊娠会見でそんなことを言っていた女優さんがいましたっけ。昨日放送の「おむすび」を見て思い出しましたよ。

 いや~、驚きました。結、卵で産んだのかと思うくらい早かったですね。月曜日に妊娠がわかって、火曜日には抱っこって。もうびっくりです。腎盂腎炎や重症妊娠悪阻も、なんだか藤原紀香を出すための方便にしか思えません。その紀香もたった2日の登場とはこれまたびっくりでしたが。

 そして、2011年3月11日の東日本大震災が起こります。当日夜の結と歩、阪神淡路大震災を思い出しての会話です。

「ねえ、お姉ちゃん。なんかうちにできることないかな? あの日、地震を経験したうちにできること、なにかできることない?」と結が言えば、「結に今できることは、花をしっかり育てることだよ。やるなら私だよ。何したらいいんだろうね」と歩。

 そんな会話からもう明日にでも歩がボランティアに向かうのかと勝手に思ってしまいましたが、次のシーンはその2週間後が描かれます。

米田家の呪い、発動せず

「神戸の地震の時、いろんな県の人が助けてくれたやん。うちに何ができるかわからんけど、恩返ししたくて」と東北にボランティアに行く菜摘(田畑志真)と遭遇した歩。「待って! 私も行く!」とでも言うのかと思ったら、違いました。自宅に帰って「すごいよね、なっちゃん。ボランティアなんて。私にはできないや」と愛子に話します。

「自分にできることをすればいいのよ」と話す愛子。自分のブログを楽しみにしている東北の人たちに向けてせっせと描くことが、今、自分にできることなんだそう。

 そして次の場面ではもう「地震から1か月頃」。栄養専門学校時代の同級生・カスミン(平祐奈)が結の家に遊びに来ます。「どうしても、結ちゃんにお礼が言いたくて来たんよ」と。気仙沼にボランティアに行っていたというカスミンの口から避難所の様子が語られます。

 ですが、いつまで経っても結にお礼が言いたくなるようなことはでてきません。「あるある言いたい~早く言いたい~」のレイザーラモンRGじゃないのだから、もったいつけずに言えばいいのに。

 それにしても、隙あらば「人助けは米田家の呪い」を連呼していた結。産休中とはいえ、「うちになにかできることない?」にはがっかりです。あっという間に1カ月が過ぎてしまっています。今こそ、米田家の呪いを発動させるところだと思うのですが…。

 糸島の永吉(松平健)の動向が気になります。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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