ポンコツ商店会「結束力・帰属意識の低さを痛感する」の巻。氏神様の参拝を企画しても参加者は2割以下…

フィッシュバーン真也子 コラムニスト
更新日:2025-01-22 06:00
投稿日:2025-01-22 06:00

神社脇にあるカフェは2月の節分まで大忙し

 新年明けてから、もうすでに数週間が経過。はやい。

 その上、今月は誕生日月のため、また1歳、年を取る。赤いちゃんちゃんこがヒタヒタと近づいてくる…どうせなら、ちゃんちゃんこは、鬼太郎みたいなボーダーがいいなぁ。

 私が営むカフェは神社脇に位置するため、お正月は参拝客が多数来店する。毎年元旦から営業し、七草が過ぎても旧暦だと立春の前まではお正月なので、参拝客は節分が終わるまでだらだらと続き、結構忙しい。

 と、さも働き者っぽく語っているが、三が日の営業時間は12時~16時と1日4時間のみ。その上、基本は週末のみの営業www

 働き者というには語弊があるが、中年後期なものでこれくらいがいっぱいいっぱい。

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商店会の「ご立派女子」が来店

 商店会の皆さんのほとんどが、お正月はお休み。商店会の方々に会うこともないだろうなぁと思っていた矢先、「あけおめでーす」と玄関から明るい声が。

「今年もよろしくお願いしまーす!」

 快活な声を発するその方は、ヘアサロンを営む商店会会員の女性Wさん。

「こちらこそよろしくですー、あら、お参りですか?」

「そうそう。今日から営業だから、その前にお参り」

 Wさんはこの地でワンオペでのヘアサロンを10年以上続けている。そして語学も堪能なため、外国人にも大人気など、やり手のご立派女子。

「小正月に行く商店会の氏神様参拝は来ないのー?」と私が聞くと、「私、お正月営業終わったら、ちょっと休んで旅行するからだめなのよ。皆さん参加するのかな?」

「…それが、今のところ参加者は4名。床屋夫妻&元酒屋、いつもの役員メンバー」

 商店会会員の皆様にお声がけして小正月参拝を企画したが1月は仕事が忙しいのか、逆にもう初詣は済ませてしまったのか、意外と集まりが悪い。ちょっと寂しい…。

旧商店会での恒例行事「新年氏神様参拝」、新商店会では不人気…

 この商店会、活動は10年止まっていたけれど、過去はなかなかに団結力のある商店会だったそう。旧商店会会員は、地元に住みつつ(所有物件)商売を営む方がほとんどで、毎年1月2日には会員皆で氏神様へ参拝。その後「御神酒をいただきながら新年の歓談」が恒例行事だったという。

 ところが…。

 新たな商店会会員は3分の2以上が他地域で暮らし、事業所は賃貸が大多数で、ほとんどの会員がお正月は不在。仕事が始まらない限り、この地域には来ないのだ。

「皆さんの仕事が始まってちょっと落ち着いた頃に、と思って参拝を14日にしてみたんだけどなんか不人気よ」と私。

「今何人予定?」

「ひとり増えて5名。商店会の会員は50名くらいいるのにー。寂しいよね」としょんぼりな私。

「やばっ、ちょっときっついね」

 Wさんの可哀想な人を見るような視線が痛い…。

「大丈夫、きっと、当日いきなり参加の人いるよ!」

 同情から一転した励ましもありがたいけれど、ちょっぴり心がえぐられる…。

新年氏神様参拝企画の参加者8名のみ

 参拝前日、「明日は参拝」とLINEでリマインド&「当日飛び入りで参加でもOKですよぉ~」と告知。

 この策を講じた結果、当日の参拝参加者は8名。飛び入り参加の方が現れたおかげで、当初(4人)の倍の人数にはなったが、所詮50名中の8名である…とほほ。切ない。

 商店会の結束力のなさや帰属意識の低さを改めて見せつけられ、ポンコツ感ってこういうところにもでるんだよなぁ…と考えさせられた。

「全然人数集まらなかったね…」

 私が床屋の角さんに呟くと「新年はみんな忙しいっすよ、でも毎年恒例なら、参加する人少しずつ増えるんじゃないっすか? こんなもんっすよ」と、お気楽な感じの角さん。

「まぁまぁ。人数とか関係なく、昔もやってたことだから長い目でみてさ」と元酒屋の助さん。

 そっか、そうだよね。参加者が少ないからって、別に私が落ち込むことはないんだよね。助さんと角さんの「ふわっと受け流す」処世術をリスペクトしたものの、ちょっとしょんぼり気味だった私。

 それでも助さんと角さんの「適当に流す感じのトーク」に救われ、参拝後のお茶タイムでは、参加した8名の方々とゆっくり和やかな時を過ごすことができた。

「受け流す」スキルは人生を豊かにする?

 一つひとつの出来事で、一喜一憂してしまいがちだけれど、角さんや助さんを見習って「こんなもんだ」とか「長い目で」とか、もろもろ「ふわっと受け流す」と、日々ご機嫌な状態でいられる気がする。

 助さんと角さんって、自然にそういうスタイルができてるから意外に人生の達人かも。もしかしてリスペクト対象じゃない? なーんて、お茶タイムにぼんやり思っていたら、

「コーヒー1杯450円なんてクソ高い、考えられない!」

「おれもそんなコーヒー絶対飲まない、缶コーヒーでいい」

 角さんと助さんのコーヒーをめぐる、なんともケチくさい会話が聞こえてきて…あー、しょぼい。やはり前言撤回、リスペクトは「なし」で~www

 次回(#13)へ続く。

フィッシュバーン真也子
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養生茶カフェ店主。とある都心商店会会長。ちょこっと大家業。

出版社でインテリア誌やファッション誌の編集者として長らく勤務したのち、フリーランスのエディター、インテリアスタイリスト、デコレーターとして活動。現在はメディカルハーブのスペシャリスト、ハーバルプラクティショナーの資格を活かし、養生茶と手作りおやつのカフェ『だんで茶屋』を経営。その他、著述業、不動産賃貸業などを少々営む。

外国人との結婚と離婚、シングルマザーでの子育てなど、タフな経験を栄養にして生きる50代。いい『気』を求めて神社脇に移住。住まいや暮らしを自分流にカスタマイズしながら「空間から得る幸福感」を実践研究している。54歳から建築系大学に再入学、現在大学院にて空間によるコミュニケーションデザインを研究中。

著書に食と旅のエッセイ『笑顔になれる美味しいプロヴァンス』(スタンダードマガジン)、住まいのエッセイ『女ひとり・借金アリ・貯金ゼロからのトーキョー大家さんLIFE』(主婦の友社)

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