ポンコツ商店会「結束力・帰属意識の低さを痛感する」の巻。氏神様の参拝を企画しても参加者は2割以下…

フィッシュバーン真也子 コラムニスト
更新日:2025-03-13 16:33
投稿日:2025-01-22 06:00
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女一匹の“ほぼリアタイ”ドタバタルポです。
 商店会は末端社会の縮図。次から次へと巻き起こるトラブルや人間関係は、どこぞの職場や家庭で見たような光景ばかりで…。

神社脇にあるカフェは2月の節分まで大忙し

 新年明けてから、もうすでに数週間が経過。はやい。

 その上、今月は誕生日月のため、また1歳、年を取る。赤いちゃんちゃんこがヒタヒタと近づいてくる…どうせなら、ちゃんちゃんこは、鬼太郎みたいなボーダーがいいなぁ。

 私が営むカフェは神社脇に位置するため、お正月は参拝客が多数来店する。毎年元旦から営業し、七草が過ぎても旧暦だと立春の前まではお正月なので、参拝客は節分が終わるまでだらだらと続き、結構忙しい。

 と、さも働き者っぽく語っているが、三が日の営業時間は12時~16時と1日4時間のみ。その上、基本は週末のみの営業www

 働き者というには語弊があるが、中年後期なものでこれくらいがいっぱいいっぱい。

【こちらもどうぞ】“幽霊商店会”から「相談がある」と突然言われ、会合に出てみると…何!ナニ!!なにー!!!

商店会の「ご立派女子」が来店

 商店会の皆さんのほとんどが、お正月はお休み。商店会の方々に会うこともないだろうなぁと思っていた矢先、「あけおめでーす」と玄関から明るい声が。

「今年もよろしくお願いしまーす!」

 快活な声を発するその方は、ヘアサロンを営む商店会会員の女性Wさん。

「こちらこそよろしくですー、あら、お参りですか?」

「そうそう。今日から営業だから、その前にお参り」

 Wさんはこの地でワンオペでのヘアサロンを10年以上続けている。そして語学も堪能なため、外国人にも大人気など、やり手のご立派女子。

「小正月に行く商店会の氏神様参拝は来ないのー?」と私が聞くと、「私、お正月営業終わったら、ちょっと休んで旅行するからだめなのよ。皆さん参加するのかな?」

「…それが、今のところ参加者は4名。床屋夫妻&元酒屋、いつもの役員メンバー」

 商店会会員の皆様にお声がけして小正月参拝を企画したが1月は仕事が忙しいのか、逆にもう初詣は済ませてしまったのか、意外と集まりが悪い。ちょっと寂しい…。

旧商店会での恒例行事「新年氏神様参拝」、新商店会では不人気…

 この商店会、活動は10年止まっていたけれど、過去はなかなかに団結力のある商店会だったそう。旧商店会会員は、地元に住みつつ(所有物件)商売を営む方がほとんどで、毎年1月2日には会員皆で氏神様へ参拝。その後「御神酒をいただきながら新年の歓談」が恒例行事だったという。

 ところが…。

 新たな商店会会員は3分の2以上が他地域で暮らし、事業所は賃貸が大多数で、ほとんどの会員がお正月は不在。仕事が始まらない限り、この地域には来ないのだ。

「皆さんの仕事が始まってちょっと落ち着いた頃に、と思って参拝を14日にしてみたんだけどなんか不人気よ」と私。

「今何人予定?」

「ひとり増えて5名。商店会の会員は50名くらいいるのにー。寂しいよね」としょんぼりな私。

「やばっ、ちょっときっついね」

 Wさんの可哀想な人を見るような視線が痛い…。

「大丈夫、きっと、当日いきなり参加の人いるよ!」

 同情から一転した励ましもありがたいけれど、ちょっぴり心がえぐられる…。

新年氏神様参拝企画の参加者8名のみ

 参拝前日、「明日は参拝」とLINEでリマインド&「当日飛び入りで参加でもOKですよぉ~」と告知。

 この策を講じた結果、当日の参拝参加者は8名。飛び入り参加の方が現れたおかげで、当初(4人)の倍の人数にはなったが、所詮50名中の8名である…とほほ。切ない。

 商店会の結束力のなさや帰属意識の低さを改めて見せつけられ、ポンコツ感ってこういうところにもでるんだよなぁ…と考えさせられた。

「全然人数集まらなかったね…」

 私が床屋の角さんに呟くと「新年はみんな忙しいっすよ、でも毎年恒例なら、参加する人少しずつ増えるんじゃないっすか? こんなもんっすよ」と、お気楽な感じの角さん。

「まぁまぁ。人数とか関係なく、昔もやってたことだから長い目でみてさ」と元酒屋の助さん。

 そっか、そうだよね。参加者が少ないからって、別に私が落ち込むことはないんだよね。助さんと角さんの「ふわっと受け流す」処世術をリスペクトしたものの、ちょっとしょんぼり気味だった私。

 それでも助さんと角さんの「適当に流す感じのトーク」に救われ、参拝後のお茶タイムでは、参加した8名の方々とゆっくり和やかな時を過ごすことができた。

「受け流す」スキルは人生を豊かにする?

 一つひとつの出来事で、一喜一憂してしまいがちだけれど、角さんや助さんを見習って「こんなもんだ」とか「長い目で」とか、もろもろ「ふわっと受け流す」と、日々ご機嫌な状態でいられる気がする。

 助さんと角さんって、自然にそういうスタイルができてるから意外に人生の達人かも。もしかしてリスペクト対象じゃない? なーんて、お茶タイムにぼんやり思っていたら、

「コーヒー1杯450円なんてクソ高い、考えられない!」

「おれもそんなコーヒー絶対飲まない、缶コーヒーでいい」

 角さんと助さんのコーヒーをめぐる、なんともケチくさい会話が聞こえてきて…あー、しょぼい。やはり前言撤回、リスペクトは「なし」で~www

 次回(#13)へ続く。

フィッシュバーン真也子
記事一覧
コラムニスト
養生茶カフェ店主。とある都心商店会会長。ちょこっと大家業。

出版社でインテリア誌やファッション誌の編集者として長らく勤務したのち、フリーランスのエディター、インテリアスタイリスト、デコレーターとして活動。現在はメディカルハーブのスペシャリスト、ハーバルプラクティショナーの資格を活かし、養生茶と手作りおやつのカフェ『だんで茶屋』を経営。その他、著述業、不動産賃貸業などを少々営む。

外国人との結婚と離婚、シングルマザーでの子育てなど、タフな経験を栄養にして生きる50代。いい『気』を求めて神社脇に移住。住まいや暮らしを自分流にカスタマイズしながら「空間から得る幸福感」を実践研究している。54歳から建築系大学に再入学、現在大学院にて空間によるコミュニケーションデザインを研究中。

著書に食と旅のエッセイ『笑顔になれる美味しいプロヴァンス』(スタンダードマガジン)、住まいのエッセイ『女ひとり・借金アリ・貯金ゼロからのトーキョー大家さんLIFE』(主婦の友社)

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


義母vs実母の“初孫”バトル勃発! マウント合戦に巻き込まれた新妻の叫び「私たちは代理戦争の駒じゃない」
 幸せなはずの新婚生活に影を落とす、姑との問題。令和の時代でも根強く残る嫁姑トラブルに直面したケースをご紹介します。
おやつにワクワク♡ 猫の尻尾がピン♪ “にゃんたま”の勝利ポーズが尊すぎる
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
子どもを思うほど胸が痛い…ひとり親家庭が抱える“見えない苦労”。差別や偏見とどう向き合う?
 2024年に離婚した夫婦の数はなんと18万組にのぼるのだそう。なかには「ひとり親家庭」となる人もいるでしょう。子どもと...
コンクリ貫通の生命力!「タカラジェンヌ」が由来の高貴なお花、寒さに弱いはずが“3度の冬”を越えたわけ
 今年の夏も暑かった!、我がお花屋の店先では、暑さにめっぽう強い見上げるほど大きく育った「南国生まれの貴婦人」が見ごろを...
効いてくれよ、スタバ1杯分! 更年期女がすがる心のお守り。すべてはプラシーボ効果と気づいても
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
この夏もやらかした! 女たちの“反省エピ”7選。「自分史上最も夏を無駄にした」「大出費でクレカを直視できない」
 毎年のことながら、終わってから「もっとこうしておけば…」と思うのが夏休み。今年も例に漏れず、反省を抱えたまま日常に戻っ...
「逃げたら干されるぞ」若手芸人が踏み込んだ“後戻りできない”選択。大金と引き換えに失ったキャリア
 世間を揺るがす芸能界のさまざまな噂。ニュースとして報じられ、真実が明らかになることも増えました。  現在は清浄化...
「我が子を可愛いと思えない」産後に心が壊れかけた経験談。私は母親失格だ…なんて思わないで
 出産してから「なんだか最近自分が自分じゃないみたい」などと異変を感じている人は、先輩方の声を参考にしてみるとよいかもし...
義母「うちの子そっくり」にザラつく…。“孫フィーバー”の裏、無視され続けた嫁の叫び。私は透明人間じゃない!
 私の友人サエ(32歳・銀行員)が第一子を出産したのは昨年の冬。待望の赤ちゃんが誕生し、夫婦で新しい生活を始めた矢先、彼...
芸術の秋!美少年“にゃんたま”の曲線美と薔薇にうっとり♡ まるで絵画みたいじゃない?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
騙された!一見“仕事デキる風”…でも実は? 有能ぶったLINEにご用心。“能ある鷹”の逆パターンも
 世間では仕事ができない風に見えるLINEを送ってくるのに、実は超有能な人材だった話もよくあります。その一方で、本当は無...
【漢字探し】「鰯(イワシ)」の中に隠れた一文字は?(難易度★★★☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
母が急病、社長の「帰りなさい」に涙…一生ついて行くと決めたLINE3選。元カレの言葉にホッ
「この人だけはどんな自分も受け入れてくれる」「この人だけは失いたくない」など、絶対的な信頼や必要性を感じる人に出会えると...
【マジかよ】ごま油×ミルクコーヒーに反響。老舗メーカーの“推しレシピ”にネット困惑「ヤバそう」「勇気でない」
「金印純正ごま油」などで知られる老舗メーカー「かどや製油」。企業公式X(旧Twitter)が2025年10月1日に投稿し...
「夜職だって立派な仕事」それ、本気で言ってる? 水商売への “本心”に気付いてしまったスナック嬢の独白
 最近は本当に“キラキラ夜職”が表に出る時代になりましたね。が、私は本当に危ないと思っています。 「そんなことない...
私が『愛の、がっこう。』に重ねた親との苦しい関係。振り返ってわかる“完璧じゃない”からこそ得られたもの
 フジテレビ系で放送されたドラマ『愛の、がっこう。』を観ながら、ふと「わたしの親も、今で言えば“毒親”だったのかもしれな...