事例ありき? お役所仕事だな。街路灯ランプをLEDにするだけなのに、なぜかてんやわんや…

フィッシュバーン真也子 コラムニスト
更新日:2025-02-05 06:00
投稿日:2025-02-05 06:00
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女一匹の“ほぼリアタイ”ドタバタルポです。
 商店会は末端社会の縮図。次から次へと巻き起こるトラブルや人間関係は、どこぞの職場や家庭で見たような光景ばかりで…。

紆余曲折を経て、待望の「街路灯LED化」が実行に!

 節分も過ぎ、お正月気分は完全に終了。きっと、少し短い2月が風のように過ぎ去り、あっという間に桜が咲いちゃうー。

 今回は、商店会の顔、街路灯案件についてのお話し。ちょっと1回では書ききれないので、2回に分けて書きます。よろしくです。

  ◇  ◇  ◇


 以前も触れたが、このポンコツ商店会、再出発するきっかけの一つに「街路灯のLED化」があった。水銀灯ランプを使用した街路灯の電気代が高く、将来的に電気代が払えなくなるから、LEDランプに変えなきゃねって話。

 ただ、LED化工事はなかなかの金額(ウン100万円)がかかるため、行政の助成金なしでは不可能。そして、助成金申請には、ポンコツ幽霊商店会ではだめ、正式に活動中の商店会であることが条件となる。

 つまり、商店会再出発の目的は、街路灯LED化申請であり「街路灯維持」でもあったんですわー。

 そんなこんなで、昨年の夏、LED化工事の申請。そしてやっと年末に助成金交付の許可がおり、年を明けてLEDランプの設置実行となった。いやー、結構長い道のり…。

【こちらもどうぞ】「オレ忙しいアピール」って何様よ? 昭和オヤジの怠慢さに怒りの沸点越え

世の道路や商店会の街路灯、ランプの色は白色が主流

 昨年夏のLED化申請から実行まで、考えてみればいろいろなことがあったなぁ。LED化工事の施工業者さんにたくさんお世話になり、そして諸々学ぶこととなった。

 例えば、ランプの色。

「商店会のランプなんですけど、白色でいいですよね?」と業者さん。

「え! いやいや、電球色みたいなオレンジっぽいのにしてください。白はオシャレじゃないし」と私。

「…あ、そうですか。うーん、実はー、商店街ってほとんど白色ランプなんですよ…」

「そーなの!? 電球色だと申請通らないとかあるんですか?」業者さんの想定外の答えにびっくり。

「明るさがキープできれば、電球色に規制はないと思うのですが、区内の事例がほぼなくて…」

 衝撃! 地域の道路、商店会など、世の中のほとんどの道路の街路灯は白色ランプを使用しているという。全くノーマーク…全然気にしてなかったー。

 白色電球が多い理由として、過去には照度の問題があった。しかし、現在はLEDが主流になり、電球色でも十分に照度を保てるため、白色以外も取り入れられるようになったという。

 業者さん曰く、行政の申請というものは、過去の事例があればすんなりいくけれど、事例がないと滞りがちなんだとか。さすが、お役所仕事って感じっす。

近隣地域の「電球色街路灯事例」を探し歩く

 施工業者さんに事例があれば…と言われ、白色電球を使用していない道路や商店会を探し始めた。すると、近隣にも多少白色電球以外の街路灯があった! ほんの数例ではあるが、ビールがモチーフになった街路灯(某ビール会社の近所)や、和風の雰囲気に合わせて柔らかい電球色を選択している商店会などを発見。

「ありましたよ、電球色商店会! 同じ区内で一つでも事例があればいけますよね?」と私。

「そうですねー、多分いけると思います。やってみましょ」と苦笑いの業者さん。

傾いた街路灯は修繕しないと申請おりず…

 ランプの色問題をクリアし、あれこれ資料を揃え、必死の思いで期日内に申請。あとは交付を待つばかり~♪ とのんびりしていると――。

「あのー、街路灯が2本傾いてるの気づいてました? あれねー、直さないとLED化の許可は降ろさないって役所から連絡ありました」と業者さんからの電話。

「えぇぇぇ、それすっこい大変じゃないですか!」めちゃめちゃ焦る私をよそに、

「そうですねー、これで1カ月以上工期が伸びますねー。あと、傾きを直すのは助成金出ないので、商店会さんで負担になりますけど大丈夫ですか?」業者さん、淡々としてるー。

 私は、また費用がかさむのか! とヒヤヒヤもの。あああ、なぜ、こうサクサクいかないかな。

LED化は置いといて、取り急ぎ傾いた街路灯のお直し

 そして、 LED化は街路灯の傾きを直すまでお預けとなり、まずは傾きの原因やら状況を調査。といっても、行うのは私ではなく業者さんだけど。

「調べましたけど、根元は問題なくて、上の方がちょっと曲がっているだけだったので、費用もあまりかからずに直せそうですよ」と業者さん。その言葉に心からほっとする私。

「あー、よかった…。もしかして街路灯、設置し直し! みたいな話になるのかと思ってビビりました」

 一つ進むと一つなにか起こる。なかなかスムーズに物事が進まない。まるで私の人生のような3歩進んで2歩下がる「街路灯案件」。

 次回は「街路灯LED化」プラス、街路灯に設置する「商店会フラッグ」の話も。今回に引き続き、街路灯にまつわるドタバタをお届けするつもりです。

 次回(#14)へ続く。

フィッシュバーン真也子
記事一覧
コラムニスト
養生茶カフェ店主。とある都心商店会会長。ちょこっと大家業。

出版社でインテリア誌やファッション誌の編集者として長らく勤務したのち、フリーランスのエディター、インテリアスタイリスト、デコレーターとして活動。現在はメディカルハーブのスペシャリスト、ハーバルプラクティショナーの資格を活かし、養生茶と手作りおやつのカフェ『だんで茶屋』を経営。その他、著述業、不動産賃貸業などを少々営む。

外国人との結婚と離婚、シングルマザーでの子育てなど、タフな経験を栄養にして生きる50代。いい『気』を求めて神社脇に移住。住まいや暮らしを自分流にカスタマイズしながら「空間から得る幸福感」を実践研究している。54歳から建築系大学に再入学、現在大学院にて空間によるコミュニケーションデザインを研究中。

著書に食と旅のエッセイ『笑顔になれる美味しいプロヴァンス』(スタンダードマガジン)、住まいのエッセイ『女ひとり・借金アリ・貯金ゼロからのトーキョー大家さんLIFE』(主婦の友社)

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


まるで御神体のよう! 美しく雄々しい“たまたま”に幸せを祈ります…
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
どれくらい実践してますか? 家でできる環境にいいこと「7つの習慣」
 子供たちに限りある資源を残すためには、私たちの日々の努力が欠かせません。今回は、みんなが普段心がけている環境にいいこと...
胡蝶蘭はお祝い専用? 寺の住職から聞いた「お悔やみ花」としての需要
「つかぬことをお伺いしますが……」  猫店長「さぶ」率いる愛すべき我が花屋には、お客様から毎日のように“ちょっと困...
台無しなんですけど!家族旅行なのに「夫のイライラ言動」と4つの予防策
 世の女性の中には、せっかくの家族旅行中、「夫のイライラする言動」によって、楽しい雰囲気が台無しになってしまうケースも…...
“頑張り屋のメンヘラ”が「セルフラブ」という人生の処方箋を知りました
「セルフラブ」という考え方は、確実に私の人生に大きな影響を及ぼしています。  セルフラブについて学び始めた時「世界...
【にわか呑み鉄】電車とビール好きにたまらない「流鉄BEER電車」に参戦
 さる9月2日(土)、千葉県流山市で「電車好き」と「ビール好き」垂涎の1日限りのイベントが開催されました。  通常は入...
かつて入り浸った店も 横丁の思い出も時代と共に変わってゆく
 昼間の細い路地を軽装の観光客が闊歩する。  誰かにとってはノスタルジーでも、また違う誰かにとっては新鮮に映るんだ...
にゃんたま写真の成立には“たまたま”への愛のピントがマスト
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「才色兼備」は女性だけに使われる不適切表現?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ずーっといい子ちゃんとか無理!「笑える悪口LINE」で上手に息抜きを
 友達や同僚から人の悪口を聞かされたらあまり良い気分にならないでしょう。でもそれがユニークな悪口だとしたら、思わずクスッ...
ほっこり読み切り漫画/第57回「隣りの芝生はオーノー」
【連載第57回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 生きものたち、...
これって良心ですか、マウントですか?「おまいう」説教LINE3選
 説教をされて、いい気分になる人はあまりいませんよね。でも、いつもどこか偉そうで、何かと説教をしてくる人はいるもの。 ...
相棒のぬいぐるみは無理! 大人になっても捨てられないもの6選と対処法
 物や情報に溢れた現代では、断捨離やミニマリストに憧れる人が多いですよね! でも、大人になってもどうしても捨てられないも...
40代で振り返ると納得!いろいろあった人生の転機、思い出してみない?
 人生の転機とは、その時には気がつかず、後になってから「転機だった」と気がつくもの。特に40代を過ぎると、人生の前半を振...
今年はお日様が大きく見える そろそろ落ち着いてくれるかな
 この数年で男性の日傘がすっかり定着したのも納得の暑さ。  日陰に逃げても、どこまでも太陽に追いかけられている気が...
記事読んだらソワソワ♡ 予定がない週末は寝溜めより楽しい6つのことを
 子どもの頃は暇さえあれば遊んでいたのに、大人になると週末は「予定もないし、寝溜めしておくか〜」と何もしない1日を過ごし...