更年期で老眼未満の仲間たちよ、視覚的老化はショックデカっ!けどね…

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2025-02-21 14:39
投稿日:2025-02-12 06:00
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まった老化現象についてありのままに綴ります。第17話は「老眼の波」。

老眼は必ず来る

 若いみなさまにお伝えしたいけれど、老眼というのは本当に来る。「あれ?」と疑問を感じているうちに、次第にピントが合わなくなり、視界がぼんやりしていく。ちなみに私は10代から近視なので、見えないことがデフォルトで生活をしてきた。今、老眼の症状は実感する時はあるけれど、大きな不便は感じていない。

 パソコン作業用と、近視用の2種類のメガネを使い分けて、スマホ画面など手元を見る時には裸眼で見る。コンタクトもTPOで使用することもある。そりゃ何もしないでまるっと視界がクリアであればいいけれど、症状に合わせて視力セッティング…というところだろうか。

 老眼が厄介だろうと思うのが元来、視力が1.5以上ある人だ。幼なじみのちいちゃんがまさにそれ。小さな頃から遠くの視界を見極めており、一緒にライブへ行っても見えている世界が違う。私が近眼用のオペラグラスを使って、必死にアーティストを追いかけている傍らで、

「会場は肉眼でほとんど見える」

 と、豪語してライブを楽しんでいた。ちなみに彼女は「潔癖症か?」と思うほど、掃除も整理整頓が完璧。否応がなしに、汚れや乱れが視界に入ってくるせいもあると思う。そんなちいちゃんに40歳前半で早くも老眼が訪れていた。

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目がいい人ほどつらい、老眼鏡デビュー

「マジで見にくいんだけど。あんた、ずっとこんなんだったの」

 ちいちゃんに老眼が来てしばらくしてから、ふたりで会った時のこと。バッグから徐(おもむろ)に作ったばかりだという老眼鏡を取り出して、携帯電話の画面を見ていた。もう老眼鏡まで作ったんだ、と私が驚く。友人界隈では老眼鏡デビュー一番乗りだった。目がしばしばする、疲れる、ピントが合わないと文句を垂れていたが、万年近眼の私からすると至極当然の状況。やっとこちらの気持ちが分かったかと、妙な上から目線でいたことを覚えている。誤解しないでほしいのが老近眼マウントを取りたいのではなく、今回の文章は老眼未満の方へ向けた、あくまでも警鐘だ。

 老眼はある日突然、視界を揺さぶり、あれよあれよという間にピントを奪っていく。老化というのは誰しもがさまざまな現象を体験していくわけだが、見えにくくなる、というのはあまりにもダイレクトなので、ショックも大きい。そうなる前に40代へ突入したらある程度は心の準備をしておいたほうがいい。これは避けて通ることはできない。

見えないくらいでちょうどいいかも

 さて私の眼事情。普段はメガネで生活をすることが多くなった。友人たちと食事に出かけると、途中でメガネをテーブルに置いて、相手の顔がぼんやりと見えている状態でいる。これが意外にもリラックス効果がある。何かを書く、作るという仕事をしていると恒常的に視力から情報をキャッチアップしようとしてしまう。おそらく私の著名人遭遇情報がやたら多いのはそのせいだ。それだけはなくその辺を歩いている人の表情、コーディネート、街の看板…とありとあらゆる情報を見え続ける限り、吸収している。これが年を取ると疲れるようになってきた。見えてしまうから、追ってしまうけれど、結果、疲れる、あ~れ~。

神様からの休息のプレゼント?

 メガネを外すと視界がぼんやりするし、相手のアラ探しもしなくなるし、何より食事と会話に集中できる。見えていないくらいのほうが良い時もあるのだ。老眼も眼精疲労をするくらいなら見なければいい、という神様からの休息のプレゼントかもしれない。

 でもどうしても見えていたい! と思うのならレーシック、ICLの手術だろうか。最近では老眼対応の眼内レンズもあると聞くけれど、いずれも費用、年齢制限もあるのでご注意を…。

 おばさんの眼事情については次回、第18回でも触れていく。

小林久乃
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コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

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