「風俗を使ったら、心ごと妻から離れてしまうかもしれない」。セックスレスに耐える30代男たちの悲痛な叫び

久留米あぽろ ライター・コラムニスト
更新日:2025-02-18 06:00
投稿日:2025-02-18 06:00

“半径3m”でも聞こえ始めたセックスレス議論

 今やネット・メディアを通してそのワードを目にしない日はないというほどに深刻な、日本のセックスレス問題。しかし当事者だという人でも、自分が「求める側」でないと意外と問題意識も芽生えず、まあいいか…と放置されがちな問題なのだ。

 久しぶりに行われた忘年会・新年会などで、そんな「セックスレス議論」を耳にした人もいるのではないだろうか。今悩んでいる人もそうでない人も、一生無縁で過ごすことも難しいであろうこの問題。私たち女性は、どう捉えていくべきなのだろうか。

  ◇  ◇  ◇

推しを心の拠りどころにする女性、そうではない男性

 ところで30代も中盤にさしかかってくると、パートナーがいる人の中で、むしろセックスレスではない人の数が異常に減ってきたような体感がある。まだ小さな子どもを育てている人は「そんな時間の余裕がない」というし、子育てしていない人でも「長く一緒にいると家族のようになってしまって」と口にする。

 しかし、そういった人々も決して「男性断ち」しているわけでもなかったりする。女子会で女性用風俗やレディースコミックといったワードが出ると色めき立つし、性が関わることによってのみ満たされる「キュン」を渇望している人も多い。その気持ちを健全に発散するために、異性のアイドルやキャラクターに熱を上げて推し活を行う人も。

 その一方で、同年代の男性で異性に対する推し活を行っている人は、筆者の周囲にはあまりいない。女性はいくつになってもキュンを欲しているというのに、男性はどうしているのだろう。そこで、周囲でパートナーとは「レス」に陥っているという30代の男性たちに話を聞いてみると、驚きの事実が見えてきたのだ。

【こちらもどうぞ】“女風”で気持ち良くなりたいのに…アラフォー女性初回利用でなぜ大失敗?

「離婚する勇気が出ない」から“女性断ち”するしかない

「逆にいいよな、女子は」。そうぼやいていたのは都内の外資系企業で働きながら副業も行い、サラリーマンとしては上位数%といえるであろう稼ぎがあるAさん。

 Aさんは結婚5年目で、現在はパートナーと2人暮らし。彼女の希望もあって山手線の内側に高級マンションを購入し、そのローンの多くを彼が払っているという。レスになったのは結婚3年目の頃で、彼女の方から拒否されるようになったのがきっかけだという。

「お互い財布を分けていることもあって、彼女がいくら推し活に趣味費を投入したとしても、自分が口を出せるような状況ではない。仲が悪いわけではないし、休日は一緒にゴルフに行ったり旅行する時もある。

 僕は彼女のことをまだ女性として意識しているけれど、相手がそうではないのだから仕方ない。じゃああなたも推し活すれば、なんて言われるけど、推し活の気軽さは男性と女性で大きく違うと思う」

 かといって、外で発散することが許されているわけではないという。風俗を利用する程度であれば訴訟問題に発展する可能性は少ないが、彼は「行ってしまったら最後、心ごと浮ついて返って来れないかもしれないから」と、自主的に禁欲生活に近い暮らしを送っているそうだ。

欲求をコントロールする男たち

「たまに飲み会で女性が近くにいると、もういいかなと自暴自棄になりそうになることもある。相手に大きな魅力を感じていなくても、日常の抑圧を爆発させたくなってしまう。だけどまだ離婚する勇気が出ないし、会社関係で問題が起きたらマズイので、最近は飲み会も控えて、副業の仕事に時間を割いている」

 30代半ばでたくさんのお金を稼いでいても、彼があまり幸せそうには見えなかったのが印象的だった。セックスレスや不倫が大きな社会問題として報じられるようになり、昔のような気軽さがなくなっているのもあるのか、真面目な男性はセックスレスを背負いつつも、欲求をコントロールしている。ある意味、涙ぐましい努力だ。

久留米あぽろ
記事一覧
ライター・コラムニスト
セクシャルウェルネス、ジェンダーなどに関心を持つライター・コラムニスト。女性向けの恋愛・婚活コラムの執筆、シナリオライターとしても活動。シズル感のある取材執筆も得意。日々気になるスポットに突撃し、個人的にレポートを溜め込んでいる。

関連キーワード

ラブ 新着一覧


夫婦のセックスレス問題 解消されれば離婚は回避できるのか
 本連載やSNSで長年のセックスレスについて発信している私ですが、たまにこんなことを聞かれます。 「旦那さんとセックス...
豆木メイ 2023-01-24 06:00 ラブ
既婚の女友達が漏らす旦那の愚痴!結婚は本当に墓場なのか?
「結婚に希望を感じない」、「結婚は人生の墓場だ」。今、未婚世代で結婚をネガティブに捉える人が増えているという。周りの既婚...
ミクニシオリ 2023-01-24 06:00 ラブ
未婚・傷心の友達に結婚報告する際の注意点&伝え方のコツ
 結婚が決まったらやることの一つが、周囲の友人への結婚報告ですよね。ですが、友達の中には今まで未婚同士で励まし合ってきた...
恋バナ調査隊 2023-01-23 06:00 ラブ
愛を確かめ合った後こそ抜かるな!男性がドン引きしたピロートーク集
 身体を重ね、愛を確かめ合ったあとに繰り広げられるピロートーク。気持ちが高まっているため、女性も本音や本性が出やすいシー...
恋バナ調査隊 2023-01-22 06:00 ラブ
更年期の私に夜の営みをグイグイと…50代交際男性への恨み節
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2023-01-21 06:00 ラブ
「夜もガンガン励みます」恋人を自分色に染めたい50男の野望
「冷酷と激情のあいだvol.126〜女性編〜」では、恋人・ヒトシさん(仮名)が強引に自分の好みを押し付けてくることに不満...
並木まき 2023-01-21 06:00 ラブ
アプリで惨敗なら…勉強をしながら年下彼氏をゲットする方法
「年下彼氏が欲しいけど、どこに行けばいいの?」と悩んでいる女性は実はかなり多いのです。  マッチングアプリではなかなか...
内藤みか 2023-01-19 06:00 ラブ
もう一度あの頃に戻りたい…夫婦の“再構築”を成功させる方法
 夫との冷え切った毎日に「夫婦関係を再構築したい」と感じている人は多いかもしれませんね。でも、夫婦とはとても難しいもの。...
恋バナ調査隊 2023-01-19 06:00 ラブ
いい男に出会いたい! 良縁に恵まれるためにやるべきことは?
 学生時代は自然にいろんな人と出会えますが、社会人になると合コンなり飲み会に積極的に出かけて「出会うための行動」をしない...
若林杏樹 2023-01-18 06:00 ラブ
天国から地獄にズドーン…婚約中の彼に浮気されたらどうすりゃいい?
 大好きな彼にプロポーズされてから結婚するまでの「婚約中」は、幸せでいっぱいなはず。でも中には、幸せ絶頂期の婚約中に浮気...
恋バナ調査隊 2023-01-18 06:00 ラブ
夫婦円満のキラキラアカウントに嫌悪する私、どう対処する?
 ちょっとしたすき間時間があると、Twitterを見てしまう。最新の情報はインスタグラムで手に入れる。現代では当たり前に...
豆木メイ 2023-01-17 06:00 ラブ
事実カップルって何? 40代で“恋愛枯れ気味”ならリハビリに
 年齢を重ねると共にライフスタイルが変われば、価値観も変わるもの。恋愛に関しても、若い頃と考え方が変わった人が多いのでは...
恋バナ調査隊 2023-01-16 06:00 ラブ
「私の最大のライバルはゲーム!」ゲーマー彼氏あるある4選
 コロナ禍で不要不急な外出の自粛を求められるようになった今、インドアで楽しめる趣味として、ゲームに没頭している男性が少な...
恋バナ調査隊 2023-01-15 06:00 ラブ
着てる服が違うけど!詰めが甘~い男の浮気ごまかしLINE3選
 LINE画像流出による元アイドル芸能人の不倫でざわついた年の瀬。世間一般でも、LINEは浮気がバレてしまうきっかけとな...
恋バナ調査隊 2024-09-26 18:49 ラブ
結婚前は好きだったのに…夫の嫌いなところと3つの打開策
 結婚前は、大好きで仕方なかった夫の性格や癖。それなのに、結婚して夫になり、気がつけば大嫌いになってしまったという人は多...
恋バナ調査隊 2023-01-14 06:00 ラブ
47歳で婚歴ゼロの理由は? 過去をひた隠す恋人に不安な女性
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2023-01-14 06:00 ラブ