【きょうの朝ドラおむすび】北村有起哉と緒形直人の“神回”。証明写真機で“プリ”するおっさんず

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-02-19 17:30
投稿日:2025-02-19 17:30

第20週「生きるって何なん?」#97

 胃の精密検査で気を病む聖人(北村有起哉)は、孝雄(緒形直人)に誘われて大阪の街をおしゃれして歩くことに。そして、聖人は居酒屋で孝雄に悩みを吐露する。

 一方、愛子(麻生久美子)から聖人がいなくなったと聞いた歩(仲里依紗)。そんな折、歩のもとに、孝雄から聖人と一緒にいると連絡がくる。

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【本日のツボ】

ホンモノクオリティのジャズバンド

 ※※以下、ネタバレあります※※

 聖人とナベさん、おっさんの友情が描かれた本日の「おむすび」、久々に見応えのある回でした。居酒屋きよし、三度(みたび)の登場ですが、それも、ナベさんが「あんたの娘さんにええ店教えてもろたんや」と言っていたのですから、よしとしましょう。

 むしろ、飲みのシーンは神戸の太極軒か、大阪の居酒屋きよしと、無駄なセットは作らず、みなさまからの受信料を無駄遣いしないぞ、という姿勢は好感がもてます。

 ところで、聖人とナベさんって、ここまで仲が良かったのでしたっけ? 震災前も「ここの家の子と遊ぶな」と娘を連れ帰ったようなところしか見ていませんでしたので、まるで親友のようになっていることには若干の違和感を覚えつつ、それでも、北村有起哉と緒形直人という俳優が、ガチで演じているのを見ると、それなりに説得力も生まれてくるものです。

 北村和夫&緒形拳、それぞれに名優を父に持つおふたりの“血”のようなものを感じずにはいられません。

 ジャズバーの場面では、なぜかここだけ本格仕様のステージと音楽。それもそのはず、「カムカムエヴリィバディ」のトランペット指導で、トランぺッターとして出演もしていたMITCH率いるジャズバンドなのですから。演奏シーンもそれなりの時間があり、素晴らしい演奏を堪能させていただきました。

 それはそれとして、ジャズシーンだけホンモノのクオリティで見せられても、ほかとあまりに違い過ぎて、逆に浮いてしまったような…。あらためて「カムカム~」はいいドラマだったなあとしみじみした次第です。

「プリ撮りたい」とナベさんにおねだりする聖人。この時間に開いているゲーセンあるかいな、と、証明写真ボックスで写真を撮るおっさん2人にキュンでした。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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