今回は、氷河期世代として生き抜いてきた私が、その実態と理不尽さを綴ってみたいと思います。
「就職氷河期世代」とは?
「就職氷河期って何?」と思う方もいるかもしれません。厚生労働省では、バブル崩壊後の1990年代から2000年代にかけて、高校や大学で就職活動を行った世代を「就職氷河期世代」と定義しています。
この就職氷河期世代は、1993年~2004年頃に社会に出た人々を指し、2024年時点では43~54歳の世代にあたります。私は1973年生まれで、2年制専門学校を卒業しました。ちょうどその頃に就職氷河期が始まり、厳しい現実に直面しました。
就職氷河期を簡単にまとめると、以下のようになります。
1. 正規雇用が極端に少なく、女性の採用はゼロの場合も
バブル期に就職した友人と話したところ、彼女の就職した年には新卒採用が50人、そのうち女性の採用も20人ほどいたそうです。しかし、バブル崩壊直後の年には、新卒採用が半分以下に減少し、さらに女性の採用はゼロに。
その後も新卒採用は長期間にわたって絞られ続け、彼女の後輩はほとんどいないとのことでした。
2. 非正規雇用として働かざるを得なかった人が多い
新卒で正社員(正規雇用)として就職できなかった人たちの多くは、フリーターや派遣社員などの非正規雇用として働かざるを得ませんでした。
日本の労働市場は「新卒一括採用・終身雇用」が前提となっているため、一度正社員になれなかった人が後から正規雇用の道に戻るのは非常に困難でした。そのため、多くの人が長期間にわたり非正規雇用で働くことを余儀なくされたのです。
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3. 低収入のため非婚率が高く、少子化の一因に
現在40代50代となった就職氷河期世代は、本来であれば結婚し、家庭を築いている人が多いはずの世代です。しかし、非正規雇用や低賃金労働を強いられた結果、経済的理由から結婚を諦める人が多くなりました。
2020年の国勢調査では、50歳時点の未婚率(生涯未婚率)は、
男性 28.3%
女性 17.8%
と過去最高を記録しています。この世代の結婚率の低さが、現在の日本の少子化にも影響を与えていると言われています。
では、実際に就職氷河期とはどんな状況だったのでしょうか? 専門学校を卒業するタイミングで氷河期に突入した私が、その実体験をもとにお話しします。
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