月9「119 エマージェンシーコール」が好評のワケ…「フジらしくない」リアリティー
「119番消防です。火事ですか、救急ですか」──切羽詰まった通報に冷静に対応し、消防車や救急車を現場に向かわせる消防局の指令管制員(ディスパッチャー)のドラマとドキュメンタリーが、同じ来週24日に放送される。ダブル見をオススメ!
ドラマはフジテレビ系月曜夜9時の「119エマージェンシーコール」。清野菜名の新人管制員が、ひっきりなしにかかってくる119番通報に、経験不足で対処できなかったり、機転を利かせて命を救ったりしながら成長していくお仕事ドラマで、評価は高く、視聴率もいい。
「清野のクールビューティーもあって、新人お仕事ドラマにありがちな“張り切りすぎ”のウソっぽさがないのが好感されています。大げさないじめやパワハラを見せ場にする安直なドラマが多いなか、中村ゆりの上司、瀬戸康史の教育係、佐藤浩市のベテラン、見上愛のちょっと面倒な先輩も自然な演出で、リアリティーを感じさせます。いい意味で、フジらしくないのが成功の秘密でしょう」(ドラマ制作会社プロデューサー)
リアリティーに富むのは横浜市消防局が全面協力しているからだ。保土ケ谷消防署などでロケが行われ、緊急車両も貸し出し、通報のやりとりも“演技指導”している。とにかく管制員役たちがみな魅力的で、消防局のPR効果抜群である。
その横浜市消防局司令センターを3年前にドキュメンタリーで取り上げたのが、NHKの「エマージェンシーコール~緊急通報指令室~」だ。通報と応答の緊迫感、管制員の訓練された仕事ぶりが感動を呼び、以後、東京、埼玉、大阪、京都など各地の消防庁や消防局の続編が放送され、24日(午後6時5分)は名古屋市消防局防災指令センターである。
「指令管制員のドキュメンタリー番組はベルギーで始まり、欧米で人気になっています。NHKはその日本版で、火事や急病・事故だけでなく、時には人生相談やクレーマーなどもあって、通報の向こうに“今の日本”が見える出色のドキュメンタリーです。フジのはNHKのドラマ版といったところですかね」(前出のプロデューサー)
それにしても、同じ日に同じテーマのドラマとドキュメンタリーが放送されるというのも珍しい。ドラマ版には横浜の中華街や元町、山下公園などのロケもあって、“横浜案内”にもなっている。24日は2本とも録画して、続けて見るというのもいいかもしれない。
(コラムニスト・海原かみな)
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