タイプロ候補生で話題に…“歯ブラシ1時間”は有意義か?【歯科医監修】40代女性「正しい歯磨き」の方法

コクハク編集部
更新日:2025-04-10 06:00
投稿日:2025-04-10 06:00

3. 歯の健康を維持するために

 歯の健康を維持するために、さらに覚えておきたい2つのポイントを紹介します。

3-1. アイテムをしっかり選ぶ

 歯垢(プラーク)は歯と歯茎の間、歯と歯の間、噛み合わせ部分の3カ所につきやすいといわれています。その部分に歯ブラシの毛先をしっかり当てましょう。

 毛先が開いてくると歯垢を落とすのが難しくなるので、1カ月に1本を目安に交換するのがおすすめです。

 歯ブラシだけでは歯垢は半分くらいしか落とせないので、デンタルフロスや歯間ブラシも併用しましょう。

 歯磨き粉を選ぶときは、「フッ素」が配合されたものを選んでください。フッ素は歯垢の除去をサポートするだけではなく、歯の再石灰化の手助けをしてくれます。歯は食事をすると表面に歯垢がついて、「脱灰(だっかい)」といって歯垢の中の細菌が酸を出して歯の表面から成分が溶けていきます。

 その後、時間が経つと唾液が中和することで溶けた成分が戻ってくる「再石灰化」が起きます。この脱灰と再石灰化のバランスが傾くと、むし歯で穴があきます。

3-2. 定期的に歯科検診を受診

 ホームケアがしっかりとできていたとしても、歯の表面には細菌のバリアーのような「バイオフィルム」がついてきます。これは自分では落とせないので、歯科医院で専門の器具を使って落としてもらってください。

 むし歯や歯周病は歯垢(細菌)があるだけではならず、複数の要因が重なることでむし歯で穴があいたり、歯周病で骨が溶けてきたりします。そのため、自分のホームケアの出来具合やお口のリスクに合わせて、定期的に歯科医院でチェックしてもらうのがおすすめです。

 早期発見早期治療やクリーニングのために歯科受診するのではなく、問題が起こらないために上手に歯科医院を利用してください。

4. 歯は一生もの!毎日大切にしよう!

「正しい歯磨きの仕方、教えてくれてありがとうございます。特別なスキルとかが必要なのかなって思っていたんですが、そういうわけではなさそうで…。時間もそれほど長くないですし、これなら私も毎食後できそうです!」

「歯が悪くなると普段の口臭の原因になったり食事が楽しめなくなったりするわ。それだけじゃなく、歯周病や認知症のリスクが上がるような怖いこともあるの。毎食後に歯磨きをするのは面倒かもしれないけど、いつまでも自分の歯で食事を楽しめるように、歯を大切にしてね」

「ありがとうございます。また歯磨きの方法が自己流になりそうになったり、不安なことがあったりしたら、相談してもいいですか?」

「もちろんよ。また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」

 優しい表情でサロンを去っていくトモミさんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あかまつ歯科クリニック院長 赤松佑紀博士(医学)/顎咬合学会認定医/一般社団法人一隅会理事

 朝日大学卒業後、京都府立医科大学歯科で研修医として入局。その後、京都府立医科大学大学院感染免疫病態制御学大学院に進む。そして大学院後、京都府立医科大学大学院医学研究科歯科口腔科学助教(併任)と京都府立心身障害福祉センター附属リハビリテーション病院 歯科医長として過ごし、地元神戸であかまつ歯科クリニックを開業。メディカルトリートメントモデルと呼ばれる歯科医療モデルで、予防歯科を基盤として全ての診療に幅広く従事している。現在は、全国的に予防歯科医療を広めていくために、一般社団法人の理事として奮闘している。

あかまつ歯科クリニックHP:http://akamatsu-dental.jp

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ライフスタイル 新着一覧


友達褒めるはずが「シェイシェイのワンピ可愛い」で自滅…知ったか、恥っ
 人間誰しも知ったかぶりをしてしまった経験があるはず。知ったかぶりでその場を乗り切れるならいいものの、中にはボロが出て顔...
控えめな家族葬が200万ってマジ? 祖母急死で痛感!葬儀業者の“こっそり上乗せ”テク
 幼い頃に両親が離婚し母方の実家で暮らすことになりました。そんな筆者を優しく迎えてくれた祖母が2023年の11月に他界。...
2024-07-02 16:36 ライフスタイル
「楽しく暮らしています」“たまたま”が遠く離れた母上に一筆啓上
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
幸せの価値、そして――。
 家族親子恋人たちお年寄りも若者も桜に埋もれて過ごす時、人は皆幸せそうだ。  季節はもうすぐ梅雨――。
ほっこり癒し漫画/第74回「ヘルプみーこ」(中編)
【連載第74回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
今さら聞きにくい? 英語の新敬称「Mx.」や「X」って何
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
夫の胸ポケからキャバ名刺→子の刻に家出!?いいから落ち着けが止まらない
 LINEの文面だけでも、意外と「焦ってる」「取り乱してる」と分かるものですよね。今回は、そんな慌ただしいLINEを3つ...
すげえ!BoA完コピおじいに喝采。スナック常連の濃ゆいエピソード3選
 みなさんの職場には癒しキャラはいますか? スナックで働いているといろんな人を見るのですが、癒しキャラもとっても多いんで...
好きを仕事にしても「しんどい」よ。憧れだけではない現実との向き合い方
 キャリアについてよく聞くフレーズが「好きを仕事に」。確かに、好きなことでお金を稼げたら一挙両得! 幸せな毎日が送れそう...
「マタニティハイ」要注意! おブスな振る舞いが誰かを傷つける可能性も
「妊娠して幸せの絶頂です!」と感じている女性必見! 今回は、マタニティハイでやりがちなNG言動を4つ紹介します。  妊...
クネクネの正体はおとうさん!“たまたま”が真実を知った瞬間
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
【花屋実践】春から秋まで眼福♡ずぼら激推し良コスパの姫リョウブって?
 今年も自らの無計画さを後悔する季節がやってきました。  猫店長「さぶ」率いる我がお花屋の店横にある屋外LAB(「植物...
「ぼっち・ざ・ろっく!」のぼっちちゃんも仰天!承認欲求モンスター図鑑
 承認欲求は、人間であれば持っている自然な欲求。誰だって「自分の話を聞いて欲しい」「自分を認めて欲しい」と感じることがあ...
気まずい既読スルー後は演技力が命!《文章未完+矢印》で打ち途中を装う
 友達や知り合いからLINEが届いても、LINEの内容や忙しさによってはつい返信を後回しにしてしまいがち。そのまま忘れて...
6月病とは? 実は5月よりもタチ悪い説が…早め対策がマスト
「GWが明けてからも5月病にならず元気だったのに、6月になってからなんだかやる気が出ない…」「6月に入ってから、体も心も...
2024-05-21 06:00 ライフスタイル
【調香師監修】頭のにおいは“武器”!愛され頭皮になるヘアケア&香り術
 男性から女性への愛情行為のひとつに「頭皮のにおいを嗅ぐ」しぐさがあります。カレが貴女の頭のにおいを嗅いできたら、それは...