「あんぱん」嵩(北村匠海)の“ジェラシー”がなんとも可愛い! 寛(竹野内豊)の診察シーンが見たかった

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-04-14 19:03
投稿日:2025-04-14 18:50

第3週「なんのために生まれて」#11

 昭和10年、高等女学校の5年生になったのぶ(今田美桜)は、ある日、貴島中尉(市川知宏)と再会。祭りのパン食い競走で使うあんぱん200個の注文を受ける。

 朝田パン開店以来の大仕事に朝田家が活気づく一方で、親しげなのぶと貴島の様子に動揺を隠せない嵩(北村匠海)。そんな嵩は、将来何をしたいのかわからずにいた。悩む嵩に、寛(竹野内豊)はこれやというものが見つかるまで必死に考えるよう助言する。

【こちらもどうぞ】『あんぱん』RADWIMPSの主題歌は本当に「合っていない」のか? 正統派・朝ドラOPの真逆を貫いた意味

【本日のツボ】

朝田家三姉妹登場!

 ※※以下、ネタバレあります※※

 今週からいよいよ本格的にヒロインたちが登場しました。のぶを演じる今田美桜は、明るくて画面がパッと華やぐのがいいです。二女・蘭子(河合優実)は地元の郵便局に勤め、三女・メイコ(原菜乃華)は高等小学校1年生。朝田家の3人娘、揃い踏みです。

 嵩と弟くんの千尋(中沢元紀)も大きく成長。千尋に至っては、あんなに病弱だったのに兄よりも育っていてなによりです。

 女学校5年生になったのぶ。クラスメートの結婚話と、当時の女学生たちは卒業前にお相手を見つけなくてはいけないという話を、どこかで見たようなと思ったら、「虎に翼」でした。ヒロイン寅子のお見合い相手がオリラジ藤森だったことを思い出しました。

 そんなふうに世間ではお年頃ののぶですが、寅子とおなじく、そちらに興味はないようで、“夢”を探しているようです。大好きな父(加瀬亮)「夢は大きいばあええがや。おなごも大志を抱きや」という言葉が心にずっとあるのでしょう。

 突然、現われた海軍の貴島中尉(市川知宏)にはちょっと「?」でした。体操しているのぶを見て、「朝田か?」って。さすがにそれは無理があります。幼なじみでガキ大将のカッちゃん、ということでしたが、だったら、そこは「朝田か?」ではなく「のぶか?」のほうが自然なのではないかと。

 この貴島中尉の登場に、嵩は“嫉妬”を知ることになります。「胸が痛い」と伯父の寛に診察をお願いしたのでしょうか。そのシーンが無かったのは残念でした。

「この胸の痛みは治療できん。ドイツ語で“ナイツ”、フランス語で“アンビ”、英語で“ジェラシー”。世界中の人びとが経験する、やっかいな病気や」。嵩に微笑みながらそんなことをいう伯父さん、なかなか洒落ています。そして、自分の部屋でうつ伏せになって足をバタつかせていた嵩がなんとも可愛いこと。

 明日は、予告編にもあった“パン食い競争”で、のぶが“おなご”だてらにひと暴れするのでしょうか。楽しみです。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


タナケン「業界」発言に違和感 喜劇界でも演劇界でもないワードチョイス
 タナケン(生瀬勝久)が入院したと聞き、山下(近藤芳正)とスズ子(趣里)は、タナケンの見舞いに行くことにする。  ...
桧山珠美 2024-02-27 15:05 エンタメ
NHKさん、スーパー家政婦・大野さんのレシピ本出版のご予定は?
 大野(木野花)が家政婦としてスズ子(趣里)の家に来て半年、愛子(小野美音)はニンジンを食べられずにスズ子を困らせていた...
桧山珠美 2024-02-26 16:00 エンタメ
芦田愛菜が少し嫌いになりそう…「さよならマエストロ」本筋以外が楽しみ
 イケメンの息子はやっぱりイケメンです。TBS日曜劇場「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」を見ながら、確信...
恐るべし、大野さん! おてんば愛子を“瞬殺教育”、白い割烹着は信頼の証
 茨田りつ子(菊地凛子)の紹介で、大野晶子(木野花)がスズ子(趣里)の家政婦として働くことになる。  この日のスズ...
桧山珠美 2024-02-24 13:55 エンタメ
錦戸亮“主演抹消過去”もバネに復活!山ピー、平野ら民放地上波で続々躍動
 2月23日、「不適切にもほどがある!」(TBS系、以下「ふてほど」)に錦戸亮(39)がゲストで登場し、大反響を巻き起こ...
こじらぶ 2024-02-24 16:04 エンタメ
痛快すぎるりつ子のひと言、“眼鏡会計ババア”でざわつかせた女優登場!
 スズ子(趣里)は、羽鳥善一(草彅剛)に新曲にはブギの歌を書いてほしいとお願いする。  はじめは、ブギが続けば面白...
桧山珠美 2024-02-22 15:05 エンタメ
デカッ!急成長を遂げた2歳の愛子にびっくり、愛助さん似?
「東京ブギウギ」に続き、「ジャングル・ブギー」もヒットさせたスズ子(趣里)は、仕事に育児に大忙しの日々を送っている。 ...
桧山珠美 2024-02-19 17:00 エンタメ
「ふてほど」磯村隼斗の白ブリ姿がマッチ! 錦戸亮出演にアノ人も続く?
 あれからムッチ先輩の白ブリーフ姿が頭から離れません(笑)。ほどよく均整の取れたムッチ先輩の細マッチョな肉体に清潔感あふ...
中島健人まさかの大炎上 熱愛報道時の“友人の1人”発言が矛盾ではない訳
 Sexy Zoneからの卒業を発表している中島健人に熱愛スキャンダルが発覚し、彼の発言の矛盾を指摘する声が相次いでいま...
堺屋大地 2024-02-24 14:24 エンタメ
「キターーーー!」で思い出す目薬のCM、趣里の細体型が映えたヒョウ柄
 スズ子(趣里)は、タイ子(藤間爽子)と語り合う。夢を叶えたスズ子と、どん底にいる自分を比べると惨めで恥ずかしいというタ...
桧山珠美 2024-02-16 15:43 エンタメ
“昨日の敵は今日の友”というけれど…NHKさん、展開についていけません
 スズ子(趣里)は靴磨きの少年・達彦(蒼昴)に会いに行く。達彦にタイ子(藤間爽子)との思い出話をし、達彦からは、タイ子の...
桧山珠美 2024-02-15 16:25 エンタメ
偶然が過ぎる親友との再会、「やさぐれタイ子の8年間の謎」が気になる
 昭和23年、羽鳥善一(草彅剛)がスズ子(趣里)に送った「東京ブギウギ」は、明るいブギのリズムが人々の心をつかみ、空前の...
桧山珠美 2024-02-12 14:30 エンタメ
ムロツヨシは「男の顔は履歴書」を地で行く 伸びしろだらけのイケメン説
 先週のテレビはさながらムロツヨシ・ウィークでした。フジテレビ系「だれかtoなかい」、TBS系「日曜日の初耳学」「櫻井・...
東京ブギウギ初お披露目! 第1回冒頭のシーンとの違いは明白だった
 羽鳥善一(草彅剛)の気合が入った稽古に臨むスズ子(趣里)だが、愛子の世話をするために何度も中断することになってしまう。...
桧山珠美 2024-02-12 13:40 エンタメ
斬新な篠田麻里子様 不倫疑惑後に不倫妻を熱演→新シンママで何が悪い?
 元AKB48の神7に名を連ね、2011年リリースの「上からマリコ」なる自身の名が冠した楽曲でセンターという異例の好待遇...
堺屋大地 2024-02-09 06:00 エンタメ
無音演出で東京ブギウギおあずけ…オーラダダ漏れ!将来のスター候補登場
 羽鳥善一(草彅剛)がスズ子(趣里)のために作曲した新曲「東京ブギウギ」は、抜群の出来上がり。コロンコロンレコードでは、...
桧山珠美 2024-02-08 15:20 エンタメ