二宮和也×若林正恭「シークレットNGハウス」が好評 心理戦のゲーム企画が流行するワケ
3月27日から配信中のだまし合いサバイバルゲームバラエティー番組「シークレットNGハウス」(Prime Video)が面白い。ルールは実にシンプル。MC&ゲームマスターの二宮和也とオードリー・若林正恭が「3つのNG行動=シークレットNG」を設定。ゲームに臨むプレーヤーたちは、それを3回繰り返すと即脱落となる。
プレーヤーは、オードリー・春日俊彰、ベッキー、狩野英孝、上田竜也、ニューヨーク・屋敷裕政、池田美優、松丸亮吾、櫻坂46・山崎天の8人。警告音によって知らされるシークレットNGを推測して回避し、時にライバルを誘導してステージを勝ち上がっていく。最後まで残れば優勝。賞金500万円(ゲーム中に変動)も独り占めできる。
そんな中、とくに目を見張ったのがベッキーと春日だった。ベッキーは早い段階で追い込まれながらも、間一髪でNGを察してライバルたちを翻弄。バラエティーでの立ち回りのうまさを思わせる動きが目立つ。
逆に春日は、そうした空気を敏感に察し、決して不用意な言動をとらない。序盤で若林が「お金かかると本当強い」と語っていた通り、ここ一番でNGを回避する勝負強さを見せた。そのほか、謎解きクリエーターの松丸はもちろん、狩野や上田らの個性も光っており、つい一気見してしまう魅力があった。
昨今、心理戦のゲーム企画が盛り上がりを見せている。テレビでは、「水曜日のダウンタウン」(TBS系)の「電気イスゲーム」をはじめ、「マンゲキマインドマッチ~若手芸人心理王決定戦~」(関西テレビ)、おとぎ話をモチーフにした「おとぎダマし」(日本テレビ系)などの企画や番組が脳裏に浮かぶ。
一方で、エピソードトークの中から嘘のエピソードを探り合う「ウソカマジカ」(Lemino(R))、地方競馬の的中馬券の獲得者を推測する「馬狼」(さらば青春の光のYouTube企画)といったコンテンツは、ネットメディアから生まれている。そんな時流の中で、前述の「シークレットNGハウス」も制作されたのだろう。
流行する背景には、大きくふたつの理由が考えられる。ひとつは、テレビ局の番組制作費の減少だ。15年前と比べ、制作費は半分以下に削られたともいわれる。その状況下で、場所移動もなく高い臨場感を生み出せるゲーム企画は非常にコスパが良い。だからこそ、シンプルながら凝ったゲーム性を持つ企画が支持を集めるのではないだろうか。
もうひとつは、視聴者のコンプライアンス意識が高まったことだ。ロケやトーク番組でミスをすればネット上で炎上する可能性は高いが、ゲーム内でのやりとりなら多少暴言を吐いても問題視されにくい。ゲーム企画が増加しているのは、そんな時代の様相を呈しているように思う。
(鈴木旭/お笑い研究家)
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