ダウンタウン「サブスク配信」の打算と勝算……地上波テレビ“締め出し”からの逆転はあるか?
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)と浜田雅功(61)が独自のインターネット配信サービス「ダウンタウンチャンネル(仮)」を7月1日に開始することが明らかになり、話題になっている。
松本は昨年11月、「性加害疑惑」を報じた週刊文春に対する訴訟を取り下げ、配信サービスに参入することをインタビューで語っていた。一方、今年3月から体調不良のため休養に入っていた浜田は、5月10、11日に行われる音楽フェス「ごぶごぶフェスティバル2025」で復活するという。これで松本が活動休止に入った2024年1月から、約1年半ぶりにコンビ揃っての活動が復活となる見込みだ。
「同チャンネルは定額のサブスクリプション制。数十億円規模とみられる費用は、吉本が昨年暮れに設立したファンドで賄うようです。松本はすでにAmazonプライムで配信中の『ドキュメンタル』などのフォーマット販売なども手がけていますから、世界進出も視野に入れていると見られています」(テレビ誌記者)
すでに《松本のXのフォロワー数約964万人の1%が加入し、月額1000円としても毎月約1億円になる》などと、漫才コンビ・トミーズがレギュラーを務める「せやねん!」(MBS)でも試算が飛び出している。
一方、ネット上では、《禊はまだ済んでいない》などと、松本に対する批判はいまだ根強く、各局とも地上波復帰に踏み切れない状態だ。地上波を締め出され、配信に懸ける“元お笑いの帝王”が手がける番組は、今後、内容&収益ともに、地上波テレビを脅かす存在になっていくのか。さるお笑いバラエティー番組関係者はこう話す。
「話題性もありますから、不相応な金額設定でない限り、加入者は1万人を軽く超えることは想像できます。スポンサーがつかない有料コンテンツであれば、率直に松本さんがやりたかったことを自由な人選で実現できるわけで、その内容に期待する方も多いはず。年々テレビの力が弱まってきている中、その是非はともあれ、成功すれば日本のエンタメ業界を揺るがすビジネスモデルになるんじゃないでしょうか」
現在、2人の地上波でのレギュラー番組といえば、31年間続いた「ダウンタウンDX」(日本テレビ系)は6月末で終了。残る2本は「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」(日テレ系)と「水曜日のダウンタウン」(TBS系)だが、継続するかは不透明だ。
「懸念されるのは、サブスクを中心にして中長期的にどれくらいのファンがついてくるのかということですね。ダウンタウンも還暦を超えていますから、若い世代やライト層が途中で離脱してしまうことも考えられます。加えて、ダウンタウンが成功した場合、吉本興業が同じ要領で所属芸人のチャンネルを次々に作ってブランド価値を下げてしまう可能性もありますよね。いずれにしろ、こうしたプラットフォームに長けた方の意見を取り入れるべきだと思います」(前出の関係者)
このまま地上波とは完全に袂を分かち、配信に軸足をシフトするつもりなのか。
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ダウンタウンをめぐるここ1〜2年の話題は■関連記事で詳しく報じている。
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