吉本退所でも…令和ロマンくるまの謝罪は“最適解”だった。批判される「松本人志の復帰」との対比で見えたもの

帽子田 芸人、ライター
更新日:2025-05-13 12:00
投稿日:2025-05-13 12:00

カリスマ・令和ロマンも「切れる程度のタレント」だったのか

 同じ渦中にいたダイタクや9番街レトロなかむら★しゅんは、すぐに謹慎が決まったので、本人からのコメントがなかった。それに対して、あまり状況も分かっていないファンは非常に不安になってしまっていて、外野ながら「きちんと本人の口から謝罪させてあげればいいのに」とハラハラしてしまった。

 その点、即座に謝罪動画をあげたくるまは誠実だと思ったし、ファンもそのように感じている人が多かった。ただ、令和ロマンの功績を持ってしても、吉本的には勝手な行動が一発アウトだったというのは驚きだ。

 令和ロマンはお笑い史における重大な登場人物であることは間違いない。M-1優勝はもちろん、吉本の養成所や大学お笑いには令和ロマンに憧れている後輩であふれているし、一時代を築いたと言っても過言ではない。

 芸人やお笑いファンも令和ロマンをカリスマ視しているから、「こんなすごい令和ロマンを切るわけがない!」と思い込んでいたが、吉本からすると「言うことを聞かないのであれば切れる程度のタレント」だったという認識の差があったのだ。非常に悲しいことに。

一方、2人まとめて退所しない冷静さ

 そんな中、相方である松井ケムリは残留というから驚きだ。一方が契約終了、一方が契約続行というケースは前例がたくさんある(雨上がり決死隊、ロンドンブーツ1号2号など)。

 これまでのコンビと違うのは令和ロマンの一番の強みは「漫才」で、漫才が強いということは「絶対セット売り」のコンビであるということ。コンビ売りがマストなのに、このような契約形態に落ち着いたのがとても不思議だ。

 とりあえず今まで通りコンビで活動するだろうし、レギュラーの仕事も続けたいから、「ケムリだけ所属」というのが落とし所だったのだろうか。

 もしそうだとしたら、勢いに任せて二人まとめて退所したりしないあたり冷静だなという印象だ。きっと吉本の対応に落胆したり、ムカついたりしたはずなのに、仕事に関わる周囲の人や今後のことを考えて決断したのだろう。

帽子田
記事一覧
芸人、ライター
別名義では芸人として活動。一時期は年100本以上のライブに出演、ライブ主催の経験もアリ。一応現役の芸人ではあるが、ただのお笑い、バラエティ番組ファンでもあります。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


シン・スズ子誕生!タナケンに「面白いね」と言わしめたヒロインの魅力
 喜劇「舞台よ! 踊れ!」の幕が上がる。タナケン(生瀬勝久)に稽古ですべてを受け止めると言われたとおり、スズ子(趣里)は...
桧山珠美 2024-01-19 14:45 エンタメ
タナケン(生瀬勝久)の決め言葉、「どうだろうね」に込められた真意
 スズ子(趣里)は、不安を抱えたまま喜劇王・タナケン(生瀬勝久)との舞台稽古を続けていた。  なんとかしようと、ス...
桧山珠美 2024-01-22 15:16 エンタメ
ブギウギ新章、タナケン役生瀬勝久の“顔芸”と「3枚の張り紙」が見もの
 小夜(富田望生)が付き人をやめると言って姿を消してから3カ月、愛助(水上恒司)は大学を卒業し、村山興業で働き始める。 ...
桧山珠美 2024-01-17 15:49 エンタメ
5年ぶり「おっさんずラブ」にコレジャナイ感?それでもいいと思うところ
 あの「おっさんずラブ」が5年ぶりに帰ってきました。2018年4月期にスタートした同作は、ピュア過ぎるおっさんたちの恋愛...
小夜(富田望生)の食い意地は国境を越えた!愛か、餌付けされただけか
 復学した愛助(水上恒司)は、スズ子の公演に触発され、いっそう勉学に励んでいた。  そして、公演が再開して以来、ス...
桧山珠美 2024-01-12 16:05 エンタメ
任侠ドラマ出演の高岡蒼佑様…小栗旬&芸能界批判に“かわいいチワワ”か!
 アウトローな役柄などで人気を博していた元俳優の高岡蒼佑。役者引退宣言をしていたものの、今年2月にリリースされる任侠ドラ...
堺屋大地 2024-01-11 06:00 エンタメ
朝ドラ名物の闇市、小夜の食い意地はタダモノじゃねえ!
 戦争が終わって3カ月、世の中の混乱は続き、スズ子(趣里)たちは未だ公演ができずにいた。  愛助(水上恒司)の病状...
桧山珠美 2024-01-09 14:50 エンタメ
歯に衣着せぬ小夜のキャラを生かしたブギウギ流「玉音放送」シーン
 終戦の日。スズ子(趣里)たちは巡業先の富山で玉音放送を聞く。りつ子(菊地凛子)は慰問先の鹿児島で敗戦を知る。  ...
桧山珠美 2024-01-08 15:50 エンタメ
原作は4コマ漫画! 名作“ぎぼむす”のイケメントリオを味わい尽くそう
 新年あけましておめでとうございます。  例年であれば、大晦日は「ジャニーズカウントダウンライブ」で年越しするので...
特攻隊の前で「別れのブルース」、過去の“淡谷のり子物語”と異なる描き方
 1945年、日本の戦況はますます悪くなっていた。富山に慰問に来ているスズ子(趣里)は、女中の静枝(曽我廼家いろは)の話...
桧山珠美 2024-01-05 14:00 エンタメ
制作費の都合?「夜来香ラプソディ」音楽会シーンなしは残念すぎる
 上海の羽鳥善一(草彅剛)は、音楽会の準備を進めていた。羽鳥は、黎錦光(浩歌)が作曲した「夜来香」にブギを取り入れた音楽...
桧山珠美 2024-01-04 17:50 エンタメ
【2023年人気記事】マッチ様は逃げ上手と無責任のプロだった
【「残念プロフェッショナル」の流儀】  2023年も「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大き...
堺屋大地 2024-01-02 11:44 エンタメ
辻希美&杉浦太陽はニベアのCM…仲良しラブラブ芸能人夫婦はお金を生む
 元モーニング娘。のなかで1番の勝ち組は、やっぱり辻ちゃん(辻希美)でしょう。  先日も元モー娘。の中澤裕子、保田...
スズ子と愛助の無償の愛、平和ボケの今とは違って生きるも愛するも命がけ
 東京に戻ったスズ子(趣里)は、空襲で一面ががれきになっている惨状を目の当たりにする。  スズ子が三鷹の家に戻ると...
桧山珠美 2023-12-28 14:10 エンタメ
東京大空襲、愛し合うスズ子と愛助の運命は…金曜放送回を前におさらい
 トミ(小雪)の許しが出て、山下(近藤芳正)が正式に楽団のマネージャーとして加わることになった。  スズ子(趣里)...
桧山珠美 2023-12-27 17:40 エンタメ