「GREAT3」に続けと、達郎・浜省・みゆき・永ちゃんという「BIG4」が次々デビュー

更新日:2025-05-13 17:03
投稿日:2025-05-13 17:00

【1975 ~そのときニューミュージックが生まれた】#1

 序論:1975年の「ニューミュージック」を今語るべき理由①

  ◇  ◇  ◇

 新連載が始まります。題して「1975~そのときニューミュージックが生まれた」。

 音楽評論家のスージー鈴木と申します。日刊ゲンダイでは、今年の4月の頭まで「沢田研二の音楽1980-1985」という連載を、約半年間、週4回、書き続けていました。その連載は「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」という一冊の本にまとまることに(日刊現代から好評発売中)。

 今回の新連載は「1980」から、時計の針を5年間巻き戻した「1975」に着目するものです。なぜか──。

 まずは、今からちょうど50年前=半世紀前だということ。つまり「2025」は、当時の記憶をさかのぼるのに、絶好のタイミングなのです。

 ちなみに私は当時、小学3年生。東大阪に住む、歌謡曲と阪神タイガースが大好きな、ちょっと早熟なガキでした。当時のヒット曲や音楽シーンにリアルタイムで接した記憶を、少しずつ披露していこうと思っています。

 そして次に、この年は「ニューミュージック元年」だと言えること。

 そもそも、今や死語となった「ニューミュージック」とは「戦後生まれの若者による自作自演音楽」ぐらいの意味でして、もう少し具体的にいえば、吉田拓郎、井上陽水、さらに荒井(現・松任谷)由実が作った地盤の上に花開いた音楽ムーブメントなのでした。

 この年に関する象徴的な事実は、この年、山下達郎、浜田省吾、中島みゆきがデビュー、さらにはキャロルを解散した矢沢永吉が、ソロデビューしたということ。

 つまり拓郎、陽水、ユーミンの「GREAT3」に続けと、達郎・浜省・みゆき・永ちゃんという「BIG4」が、せきを切ったように次々とデビューした年だったのです(ちなみに山下達郎と浜田省吾はバンドとしてのデビュー)。

 つまり「1975」は、まさに「ニューミュージック元年」。ニューミュージック、ひいてはJポップにつながる大河の一滴が落とされた年。

 そして、この年を取り上げる理由の3つ目は、この日刊ゲンダイが生まれた年だということ。つまり本紙は今年で何と、創刊50周年!

 というわけで「1975」はいろいろな意味で、時代の変節点だったのです。さぁ、そんな50年前の音楽シーンへ時間旅行しましょう。ご一緒に。

 なお「沢田研二の音楽1980-1985」は週4回掲載でしたが、今回は週5回と強気でいきます。書いて書いて書きまくります。ご期待ください。=この項つづく

▽スージー鈴木(音楽評論家) 1966年、大阪府東大阪市生まれ。早大政治経済学部卒業後、博報堂に入社。在職中から音楽評論家として活動し、10冊超の著作を発表。2021年、55歳になったのを機に同社を早期退職。主な著書に「中森明菜の音楽1982-1991」「〈きゅんメロ〉の法則」「サブカルサラリーマンになろう」など。半自伝的小説「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」も話題に。日刊ゲンダイでの好評連載をまとめた最新刊「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」が好評発売中。ラジオDJとしても活躍。

エンタメ 新着一覧


なぜ『内村プロデュース』は伝説の番組に? 有吉弘行らから見える内P愛
 来たる9月28日、『内村プロデュース』(テレビ朝日系)が『祝!内村光良還暦祭り 内村プロデュース復活SP!!』と題して...
桂場の甘味好き、愛を語る家裁メンバー…「虎に翼」の登場人物は愛すべき人たちばかり
 最高裁大法廷では、いよいよ美位子(石橋菜津美)の事件の判決が出されようとしていた。寅子(伊藤沙莉)は早朝、よね(土居志...
桧山珠美 2024-09-25 17:10 エンタメ
期待はずれと面白かった夏ドラマを調査!『新宿野戦病院』をよそにアラフォー世代に刺さったのは…?
 2024年夏ドラマが続々と最終回を迎えています。今期も話題を振り撒いてくれた数々の作品がありましたが、みんなの率直な感...
ちちんぷいぷい返しを試みた航一は朝ドラヒロイン良き夫“ベスト5”に入る
 寅子(伊藤沙莉)の名前を知る少女の祖母・佐江子(辻沢杏子)が訪ねてきて、孫を助けてほしいと寅子にすがる。  そん...
桧山珠美 2024-09-23 17:25 エンタメ
『光る君へ』は吉高由里子、『スオミの話』には長澤まさみ…人気脚本家“お気に入り俳優”の傾向は?
 大石静氏脚本のNHK大河ドラマ『光る君へ』、クドカン節がさく裂するフジテレビ系『新宿野戦病院』など、昨今放映されている...
斎藤元彦知事は謹んで却下! イケメン知事5の存在を脅かす“大本命”は…
 わたくしたちイケメン愛好者の間で、常々イケメン知事と注目しておりましたのが、北海道の鈴木直道知事、青森県の宮下宗一郎知...
「虎に翼」大団円へ…ブレない寅子、桂場、航一の名場面をありがとう
 桂場(松山ケンイチ)に真っ向から意見した航一(岡田将生)だが、心ならずも寅子(伊藤沙莉)にまで心配をかける事態に陥って...
桧山珠美 2024-09-21 06:00 エンタメ
悪評だらけの天才、平手友梨奈が遅刻やドタキャンを繰り返す本当の理由
 2022年12月に、鳴り物入りで韓国大手事務所「HYBE」傘下の「NAECO」に移籍したものの、今年8月、2年も経たず...
堺屋大地 2025-01-03 10:01 エンタメ
【写真特集】魔性の女こと葉月里緒奈の色っぽい流し目…
【この写真の本文に戻る⇒】真田広之も“シタ夫”経験者…裏切られたサレ妻が離婚後も「また一緒にいたくなる男」にある共通点
寅子フリーズ! 美佐江くりそつな美雪登場、意味深な微笑が恐怖をあおる
 元明律大学女子部の一同が、久しぶりに寅子(伊藤沙莉)の家で顔を合わせる。涼子(桜井ユキ)は司法試験に挑戦していた。皆、...
桧山珠美 2024-09-18 16:35 エンタメ
芸人はランジャタイ伊藤から学べるか 「地雷女」を避けるたった一つの方法
 ランジャタイ・伊藤幸司(38)が未成年との不適切な関係を持ったことを暴露され、芸能活動を休止した。過去を振り返れば、伊...
帽子田 2024-09-18 10:08 エンタメ
老眼鏡かける寅子。「最後はいい方に流れていく」発言にトラツバロス一歩手前…!
 香淑(ハ・ヨンス)は、原爆被害に遭った外国人への支援を始めることを決意する。一方、寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)は...
桧山珠美 2024-09-16 14:00 エンタメ
秋元康との共通点も? 柏木由紀がすがちゃん最高No.1に惹かれた理由を考察
 9月11日、NEWSポストセブンが、元AKB48のゆきりんこと柏木由紀さん(33)と、お笑いトリオ・ぱーてぃーちゃんの...
伊藤健太郎は破局して正解! “小栗旬軍団”加入でバーター出演の機会にも恵まれる
 伊藤健太郎が帰って来ました。これは朗報です。あの不祥事からかれこれ4年。本人も充分反省しているようですし、そろそろ許し...
【写真特集】背中ぱっくりドレスを着こなす滝クリ。健康的な美脚も披露!
【この写真の本文に戻る⇒】滝川クリステルに「好きになれない」の声多数。バリキャリだけど同性ウケしないのはなぜ?
航一も明治生まれの男。娘に手を上げるのか!? と一瞬緊張が走ったシーン
 のどか(尾碕真花)の婚約者・誠也(松澤匠)が星家にやってくる。しかし、星家では航一(岡田将生)と優未(川床明日香)が優...
桧山珠美 2024-09-12 17:15 エンタメ