不倫相手は女装おじさんです。28歳ホステスが“女同士”の恋に落ちた理由「深紅のレースに目を奪われて…」#1

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-05-16 06:00
投稿日:2025-05-16 06:00

既婚、さらに子供も

 私は直樹さんの整った横顔にキュンとなりながら、たずねていました。

――ええ、女装の時はもちろん。

――では、女装じゃない時は、普通に男性の声色や言葉づかいで?

――そうよ。私は女性になりたいんじゃなくて、あくまでも女装が趣味なの。結婚だってしてるし、子供だっているわ。

――えっ、ご結婚されているんですか? 

――そうよ。悪い?

 直樹さんはアイラインに彩られた瞳をキッと吊り上げたんです。

 それがまた色っぽくて…。

低音ボイスが甘く響いて

――い、いえ…とんでもない…もちろん、ご家族には内緒ですよね。

――内緒にしていたけれど、3カ月前に妻にバレちゃったのよ。車のトランクに入れていたドレスやランジェリー、ハイヒール、メイク道具、ヌーブラを詰めたバッグが見つかっちゃって(笑)。

――えええっ、奥さまは何て?

――驚いていたようだけど、別に離婚などの話は出なかったわね。子供もまだ小さいし。あ…私は43歳で、息子は5歳なの。将来は女泣かせになるイケメンよ。

――直樹さんもイケオジですものね。

――ちょっとぉ、今はナンシーなんだからイケオジじゃなくて、美女って言いなさい!

――す、すみません!

 ツッコまれながらも私のときめきはエスカレートするばかり。女装しているとはいえ、彼の顔立ちはタイプで、耳触りのいい低音ボイスが鼓膜に甘く響いてくるんです。なぜ、こんな魅力的な人が女装を…?

 そう思った時、直樹さんは私をじっと見つめてささやきました。

――ねえ菜々美ちゃん、アンタ今、私がどうして女装子になったか、気になっているでしょう?

 急に、図星をさされてしまったので、笑ってごまかすだけで精一杯でした」

 菜々美さんは、心の中まで見透かされて、ますますドキドキが止まらなかったという。

 

まさかの再会

 しかし翌週、彼女はさらに驚かされることになった。

「翌週、 働いている赤坂のクラブでママと黒服に呼ばれて、私は凍りつきました。

――菜々美ちゃん、ご指名よ。新規のお客様ですって。

――先週はどうも。名刺をもらったから来てみたよ。

 通された席には、スーツ姿の直樹さんが座っていたんです」

 続きは次回。

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

ラブ 新着一覧


【40代対象】マッチングアプリの初デートでおすすめの服は?
 近年では、マッチングアプリで出会った恋人やカップルも増えているようです。なかでも特に出会いが増えるのが夏!  でも、...
恋バナ調査隊 2022-08-16 06:00 ラブ
ステップファミリー実践中!連れ子と実子との差は埋まるのか
 ステップファミリー5年目になる会社員ライターひでまるです。私は大学卒業と同時に、当時付き合っていた彼女と結婚→当時の妻...
うざい!何様?「彼氏の女友達」マウントあるある&対処法
 付き合いはじめた彼氏に仲の良い女友達がいる場合、すぐに仲良くなれるタイプの女性なら問題ありませんが、マウントを取ってく...
恋バナ調査隊 2022-08-15 06:00 ラブ
推しメンは誰?バチェロレッテS2にみるあなたの恋愛&結婚観
 Amazon Prime Videoで7月より配信中の婚活リアリティ番組『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン2。1人の...
ミクニシオリ 2022-08-15 06:00 ラブ
離婚寸前!?「夫婦の危機」乗り越え方&関係修復の3ステップ
 3組に1組が離婚すると言われる日本。まったく違う環境で育った他人が家族になるのですから、かなりお互いに歩み寄らないと離...
恋バナ調査隊 2022-08-15 06:00 ラブ
仕事帰りの隙間が正解! 警戒する彼を自然に誘うLINEテク3選
 気になる彼ができた時、あなたは積極的に誘うほうですか?  実は男性の中には、下心が見え隠れするあからさまな誘いには...
恋バナ調査隊 2022-08-14 06:00 ラブ
「少人数結婚式」意外なメリット 財布に優しいだけじゃない
 長引くコロナ禍で、今までのように盛大な結婚式を挙げにくくなってしまいましたよね。そこで今、人気なのが「少人数結婚式」で...
恋バナ調査隊 2022-08-14 06:00 ラブ
ハイスぺ男との結婚を逃すな!自分を偽り続けた40歳妻の限界
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2022-08-13 06:00 ラブ
「僕の妻はよく分からない人」空虚な夫婦関係を正当化する男
「冷酷と激情のあいだvol.103〜女性編〜」では、夫のユウキさんに対して“演じている自分”を崩せないまま8年もの歳月が...
並木まき 2022-08-13 06:00 ラブ
若さアピールは危険! 年上男性に恋を意識させる6つのテク♡
 恋した相手が年上男性だった場合、「恋愛対象だと思われていないかも……」と不安になってしまいますよね。  今回は年上男...
恋バナ調査隊 2022-08-13 06:00 ラブ
「相手男だろ?」って嫉妬!?寝る前に届いた甘い胸キュンLINE
 好きな男性からキュンとするLINEが届いて眠れなくなった……なんて経験をしている女性は意外と多いようです。  今回は...
恋バナ調査隊 2022-08-13 06:00 ラブ
その手があった!物欲のない彼が喜ぶプレゼントを考えてみる
 付き合いが長くなってくると、彼への誕生日プレゼントをあげ尽くしてしまい、どうしたらいいのかわからないと悩む人も多いです...
恋バナ調査隊 2022-08-12 06:00 ラブ
マッチングアプリで選ぶべき男性は? ポイント3つを押さえる
 感染症が拡大すると増えるのが、マッチングアプリをする女性たち。婚活イベントが中止になったり、規模が縮小され、出会いの機...
内藤みか 2022-08-11 06:00 ラブ
【苦痛】夫婦喧嘩、マジ疲れた…意外な原因を知っていますか
 大好きな人との結婚生活とはいえ、時には喧嘩をしてしまうこともあるでしょう。しかし、夫婦喧嘩が増えていくにつれて関係が悪...
恋バナ調査隊 2022-08-11 06:00 ラブ
私のことまだ好き? 彼氏との温度差を感じちゃった時の対処法
「尽くしていても、相手からは気持ちが感じられない……」  交際中、自分とパートナーとの間に気持ちの温度差を感じると不安...
若林杏樹 2022-08-10 06:00 ラブ
彼氏の体臭がきつい(涙)傷つかない3つの対処法を考えた
 40代の同世代カップルに多い悩みが「彼氏の体臭がきつい」というもの。理由は、40代を過ぎた男性は、特に加齢臭も強くなり...
恋バナ調査隊 2022-08-10 06:00 ラブ