春ドラマ、旧ジャニ出演の良作&ガッカリは? 道枝駿佑「キャスター」超えは“リアルさが圧巻”だったあの作品

こじらぶ ライター
更新日:2025-05-24 06:00
投稿日:2025-05-24 06:00

期待以下だったガッカリドラマ「人事の人見」

 次に、期待以下だった“ガッカリドラマ”を挙げるとするなら、松田さん主演の「人事の人見」になります。地上波ゴールデン帯初主演となる松田さんに当て書きされた脚本ですが、「主人公・人見廉=松田さん」と思われては可哀想なくらい、荒唐無稽すぎるストーリーです。

 大手文房具メーカー人事部において、実務の知識は皆無に等しい“おバカでピュア過ぎる男”である人見。バラエティ番組などでイメージされる松田さんに、ぱっと見の人物造形は近いですが、毎回起こる人事部の問題事に対する人見の解決策が、現実離れしすぎて共感が持てません。


 女性社員の隠れ残業をテーマにした回では、人見の画策で女性社員と他の社員が倉庫に閉じ込められます。人見は倉庫からのリアル“脱出ゲーム”を協力して行うことで、何事も一人で抱え込んでしまう女性社員に、人に頼ることを解こうとしました。ところが人見が倉庫の鍵を失くし、全員閉じ込められるアクシデントに見舞われます。

 なんやかんやあって、鍵を見つけるプロセスの中で女性社員は部下に頼ることが出来るようになって万事解決。ただ、突如始まった“脱出ゲーム”そのものも理解出来ませんし、鍵が見つかる前提での解決策にご都合主義を感じてしまいます。

正直、松田さんの印象が下がらないか心配…


 他にも新卒採用がテーマの回では、落とされた学生に対し、人見が個人的に肩入れ。廃棄を命じられていた不採用の学生達の履歴書を勝手に持ち出し、秘密裏に交流を持つなど、人見をカッコよく見せるための「非常識で型破り」な行動が、視聴者をイライラさせる要素にしかなっていません。

 松田さんのキャラは“おバカでピュア過ぎる男”に違いありませんが、バラエティ番組などではきちんとその場の空気を読んで笑いを生み出しており、人の気持ちを害すような行動は取りません。

 人見が松田さんを体現した人物だと思われることで、視聴者からの松田さんの印象が下がってしまうのではないかと心配になります。

 昨年の春ドラマ「東京タワー」(テレ朝系)では、色気ダダ漏れの肉食系大学生役を好演しており、俳優・松田元太は“おバカキャラ”に留まらず、振れ幅のある役柄がこなせるはずです。今後松田さんには、また良い意味で我々視聴者を驚かせてくれる名作、名キャラクターにめぐりあって欲しいものです。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


「ニャニャニャニャニャ」寅子の必殺技!いずれ強い虎になる“伏線”か?
 判決の日。寅子(伊藤沙莉)たちの予想は外れ、妻が着物を取り戻すことが認められる。大喜びする女子部の面々だったが、よね(...
桧山珠美 2024-04-12 18:20 エンタメ
不祥事芸人・フジモンの賛否両論の復帰劇!実は吉本への貢献度が抜群?
 昨年10月に当て逃げ事故を起こして活動自粛していたフジモンことFUJIWARA・藤本敏史が、3月23日放送の『さんまの...
堺屋大地 2024-04-12 06:00 エンタメ
寅子「あきらめたらそこで終わり」はもしや…名作漫画のイズムにニヤリ
 傍聴した裁判について尋ねた寅子(伊藤沙莉)に対し、穂高(小林薫)は皆で議論してみるよう促す。  暴力を振るう夫か...
桧山珠美 2024-04-11 15:25 エンタメ
トラコ入学、伊藤沙莉は表情筋を自由に操る女優…男装の山田よねにも注目
 昭和7年。晴れて「明律大学女子部法科」に入学した寅子(伊藤沙莉)のクラスには女子の憧れの的の華族令嬢・桜川涼子(桜井ユ...
桧山珠美 2024-04-08 18:38 エンタメ
“お騒がせ”青井実アナが心機一転、なにわ男子の道枝駿佑と似てるって⁉
 世の中の人がNHKに持つイメージといいますと、「真面目」「お堅い」「地味」といったところでしょうか。  そんな中...
逃げ恥の百合ちゃん役が“頭のいい女は頭の悪いふりをするしかない”発言
 穂高(小林薫)に出くわしたことで女子部への出願が母・はる(石田ゆり子)にばれてしまった寅子(伊藤沙莉)。  娘に...
桧山珠美 2024-04-05 15:30 エンタメ
「虎に翼」語りは尾野真千子 NHKアナと俳優のナレーションの違いは?
 寅子(伊藤沙莉)がお見合いに苦戦する中、親友の花江(森田望智)は寅子の兄・直道(上川周作)との結婚準備を順調に進めてい...
桧山珠美 2024-04-05 15:14 エンタメ
「虎に翼」シン・朝ドラの予感!わずか1話、たった15分で心つかんだ描写
 昭和6年・東京。女学校に通う猪爪寅子(伊藤沙莉)は父・直言(岡部たかし)、母・はる(石田ゆり子)から次々とお見合いを勧...
桧山珠美 2024-04-01 22:28 エンタメ
僥倖!世界に挑む赤西仁ほど「サムライマック」のCM向きな俳優はいない
 マクドナルドのCMにイケメンあり!  そんな声をちらほら耳にするようになりました。たとえば4月2日から全国放送さ...
平野らTOBEがドーム公演大成功の一方、暗雲立ち込める旧ジャニの逆転は
 3月14日から17日にかけて、滝沢秀明氏創設のTOBE所属アーティストによる東京ドーム公演「to HEROes ~TO...
こじらぶ 2024-03-30 06:00 エンタメ
ブギウギ最終回、水を差すようでスンマセン! 残念すぎる4つの演出と描写
 スズ子(趣里)のさよならコンサートが始まる。客席には懐かしい多くの面々がかけつけている。茨田りつ子(菊地凛子)、愛子(...
桧山珠美 2024-03-30 11:41 エンタメ
スズ子引退会見、“天敵の文屋”鮫島の「シャッポを脱ぐ」演出を読む
 歌手・福来スズ子(趣里)の引退会見の当日。スズ子は結局、羽鳥善一(草彅剛)とは話ができないまま会見に臨むことになってし...
桧山珠美 2024-03-27 14:30 エンタメ
超鈍感力! 羽鳥の絶縁宣言を屁とも思わないスズ子とタケシは似た者同士
 歌手引退――。スズ子(趣里)はその決断を、愛子(このか)や大野(木野花)に伝えた。  羽鳥善一(草彅剛)に絶縁す...
桧山珠美 2024-03-26 15:40 エンタメ
「GTOリバイバル」注目の新人イケメンは?松嶋菜々子は本当に出るのか
 反町隆史主演「GTO」が26年ぶりに帰ってきます。反町演じる元ヤン教師・鬼塚英吉がさまざまな問題を解決する学園モノで、...
ドヤ顔のアユミとヘイヘイブギー歌唱シーン温存の理由がわかる回だった
 昭和31年、大みそか。第7回オールスター男女歌合戦当日。スズ子(趣里)は、楽しみに会場へと向かう。スズ子が楽屋で支度を...
桧山珠美 2024-03-22 14:30 エンタメ
最終回秒読み…スズ子はブレずにお人よし、NHKと沼袋勉の手腕いかに!?
 愛子(このか)は、翌日の体育の時間に足の早い転校生と競争することになっていた。しかし、勝てる見込みがなく、愛子は学校を...
桧山珠美 2024-03-21 16:07 エンタメ