「訴えられる…」女装子の妻に“レズビアン”関係がバレる? 不倫の終わりは略奪か、それとも #3

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-05-30 06:00
投稿日:2025-05-30 06:00

「女装」を封印し、父親に徹する

「不倫の行方は3パターン。略奪婚するか、別れるか、現状維持。私は現状維持を願っていたのですが…。

 1年ほど経ったころでしょうか。直樹さんが珍しく神妙な表情で赤坂の店に来たんです。

――ごめん、妻に言われたんだ。そろそろ息子のお受験だから、協力してほしいって…。

 開口一番、直樹さんは予想外の言葉を告げてきた。

――えっ…それって…。

 私は目をしばたたかせました。

 聞けば、奥さまは直樹さんも通っていた有名私大の後輩。夫婦ともに、幼稚舎から通っていたそうで…息子さんにも同じ道を歩ませたいようです。

 妻からの要望―それは「女装のナンシー」を封印し、父としての顔に徹してほしいという意味でした。

――仕方ないですよね。大事な時期ですから。

――ああ、子供にとって環境は重要だと思う。公立がダメというのではなく、夫婦共に学んだ気心が知れた学校だし、安心と安全な環境下で息子の成長を見守りたいし、将来への可能性も広げてあげたいんだ。

――直樹さんの考え、すごくよくわかります。お子様のお受験のためにいくつもの塾に通ったり、引っ越したりするケースもあると聞きました。

――まさにそうだね。受験は親と子供の二人三脚。いや、夫婦だから三人四脚だな」

連絡が減っていき…

 菜々美さんは、直樹さんの言葉を聞きながらも、唇を噛んだ。

「夫婦」という言葉が、鋭いナイフのようにぐさりと胸に突き刺さった。

「その日をきっかけに、直樹さんとの連絡が減っていきました。LINEの既読がついても返事はこず、たまに送られてくる短いメッセージには、以前のような情熱も優しさもなくて…。

 家庭に戻って、ちゃんと『父親』として過ごしているんだろうなと思いました。私は『ナンシー』にも『直樹さん』にも会えなくなってしまった…まさかこんな形で終わるなんて…本当につらかったですね」

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

ラブ 新着一覧


彼氏と会えない時の不安対策 “出して・埋めて・先手”がいい
 彼氏と会えない時は寂しく感じますよね。寂しさが募ってくると、次第に不安も襲ってくるでしょう。  そんな時はどのように...
恋バナ調査隊 2022-06-11 06:00 ラブ
思いやりがない彼氏を引いちまった!でも別れたくない貴女へ
 思い続けていた男性と付き合ってみたら、実は「思いやりのない人だった」と気づくこともありますよね。そんな彼の言動に不安に...
恋バナ調査隊 2022-06-10 06:00 ラブ
サプライズ成功の秘訣 達人は“ダミーから本命プレ”で心掴む
 大好きな彼の誕生日や記念日に、ただお祝いするのではなく「サプライズ」で思い切り喜ばせたい! と思ったことがある人は多い...
恋バナ調査隊 2022-06-09 06:00 ラブ
年下男子が猛アタック!“羨ま”年上女性の行動を考察してみた
 ガツガツしすぎて年下男子に逃げられてしまう年上女性もいれば、のんびりしているように見えるのに年下男子に追いかけられてい...
内藤みか 2022-06-09 06:00 ラブ
「俺、離婚するから」と不倫相手 嘘か誠か“本音”を見抜く3点
 妻がいる男性と不倫をしてしまう女性が近年増えているようです。そんな不倫男たちが必ず言うセリフが「妻とは離婚する」という...
恋バナ調査隊 2022-06-09 06:00 ラブ
「距離を置こう」は別れる前のクッション 冷却期間や対処法
 大好きな彼氏から、「距離を置こう」と言われたらショックですよね。自分は距離を置きたくないから拒否した方がいいのか、それ...
若林杏樹 2022-06-08 06:00 ラブ
浮気バレで「タヌキとニワトリ」の攻防! 修羅場LINEの行方
 修羅場といえば「浮気現場の目撃」といった、衝撃的な場面を思い浮かべる方が多いはず。相手が誰であれ、できることなら修羅場...
恋バナ調査隊 2022-06-08 06:00 ラブ
結婚を諦めた女性は最強かも!“願望ポイ捨て”から始まる幸せ
 結婚願望があるのに「出会いがない」と、焦りを感じている女性もいるでしょう。週末のたびに、婚活に出かけたりしても成果が得...
恋バナ調査隊 2022-06-08 06:00 ラブ
“女”にこだわった元妻 養育費5万円は愛娘へのせめてもの贖罪
 ステップファミリー5年目になる会社員ライターひでまるです。私は大学卒業と同時に、当時付き合っていた彼女と結婚→当時の妻...
「子犬系男子」出現!手なずけ方法は? 相性のいい女性は?
「◯◯系男子」といった呼び方はいろいろありますが、今、特に話題なのが「子犬系男子」。対照的な意味を持つ、気まぐれタイプの...
恋バナ調査隊 2022-06-07 06:00 ラブ
ないないだらけ?「彼氏から毎日連絡がくる」に隠された心理
 大好きな彼氏から毎日連絡がくることを、あなたはどう感じるでしょうか?「それだけ私を思ってくれてるんだ」と嬉しく感じるか...
恋バナ調査隊 2022-06-07 06:00 ラブ
「純愛の不倫」は存在する? “私たちは特別”と思い込む理由
 不倫をしている人の中には、自分の都合のいいように「不倫」に対するイメージを変えてしまう人がいます。確かに、自分がしてい...
恋バナ調査隊 2022-06-06 06:00 ラブ
“モテ女”が仕掛ける「あいうえお」合コンで確実に使えます!
 数年前に、合コンの「さしすせそ」が分かる曲がSNSで流行していたのをご存知でしょうか。  雪印メグミルクの『重ね...
ミクニシオリ 2022-06-06 06:00 ラブ
「彼ママが嫌い!」上手に付き合う方法と諦めてもいいこと
 彼氏のことは大好きだけど、彼ママに嫌悪感を抱いている女性は多いでしょう。彼ママといえば、将来のお姑さんになる可能性もあ...
恋バナ調査隊 2022-06-06 09:46 ラブ
「倦怠期って何?」余裕こくために…彼に飽きない理由を知る
 付き合い当初はラブラブでも、長く付き合うにつれて「倦怠期」に悩んだことがある人もいるでしょう。でも、中には倦怠期がまっ...
恋バナ調査隊 2022-06-05 06:00 ラブ
バツ1同士婚 喧嘩も浮気もないのに夫の離婚宣言に戸惑う女性
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2022-06-04 06:00 ラブ