満島ひかりや二階堂ふみの出世作を監督…園子温氏が性加害疑惑に潔白主張も…作品は今後どうなるのか

更新日:2025-05-29 17:03
投稿日:2025-05-29 17:00

「もう一度映画を撮れるようになりたい」

 27日にこう語ったのが、記者会見を開いた映画監督の園子温氏(63)。22年4月に女性週刊誌で性加害疑惑を報じられた園氏は、同年5月に週刊誌報道に「事実と異なる点が多々ある」という声明を発表し、出版社を提訴。だが、23年12月にWeb記事の全文削除で両者は和解している。会見ではその理由について「一刻も早く裁判を終えて、監督業に戻りたかった」と話しているが、現在まで疑惑が晴れることなく「基本的には仕事がぜんぜんできていない」と苦しい状況を訴えた。

 とはいえ、園氏を巡ってはほかにも、22年に俳優の松崎悠希(43)が自身のXで、《園氏がワークショップで知り合った女優に性的行為を要求した》という内容を投稿し、物議を醸している。園氏は名誉を傷つけられたとして損害賠償などを求めて提訴し、今月16日には名誉毀損の一部を認める判決が出たが、本人は納得いかないようだ。

「裁判所の判決文では、園監督が『複数の女優に対して性的行為を要求する文面のメッセージを送信』『性的な関係を有した女優を映画に出演させていた』ことは真実であると認定しています。会見で園監督は、裁判所の認定は《主文ではなく、後書き、感想文みたいなところ》と独自の見解で"潔白"を主張。この後書きを不名誉として、控訴を考えていると明かしましたが、今回の会見が世間の支持を得られるかというと厳しい印象です」(スポーツ紙芸能記者)

■満島ひかりに二階堂ふみ、清野菜名の出世作も

 そんな中で気になるのは、園氏が手掛けてきた作品の数々だ。吹石一恵主演の映画「紀子の食卓」(06年)、西島隆弘主演の「愛のむきだし」(09年)や水野美紀主演の「恋の罪」(11年)、染谷将太と二階堂ふみ主演の「ヒミズ」(12年)、鈴木亮平主演の「TOKYO TRIBE」(14年)などをはじめ、人気俳優らの出世作にかかわっている。

「『紀子の食卓』ではデビュー直後の吉高由里子も起用されてますし、満島ひかりは『愛のむきだし』で演技力が認められ、海外の映画祭で最優秀女優賞ほか複数の賞を受賞しています。また、園監督といえば実際の事件をオマージュしたエロ・グロ・暴力を描いた作品も多くファンから支持されていました。水野は全裸の演技が話題になり、『TOKYO TRIBE』に出演した清野菜名もバストトップの体当たり演技が現在の主演女優への足掛かりになっている。ただ、こうした主演俳優や女優らは誰も園監督について言及していない」(映画配給会社関係者)

 園氏に限らず、映画業界では数年前から性加害問題が報じられ、複数の監督が出演者などから告発されている。それによって、問題が起こった監督作品は今後見られなくなる可能性もあるという。

 今年6月公開予定だった映画『時には懺悔を』は、監督の中島哲也氏が14年の映画『渇き。』に出演した元女優から性加害の告発をされたことから批判が相次ぐ事態に。現在は調査中として、公開は26年に延期されている。

「22年に性加害が報じられた榊英雄監督の場合、同年公開予定だった映画『蜜月』と『ハザードランプ』は公開中止に。榊氏の作品は大森南朋主演の話題作『捨てがたき人々』など現在配信サイトでも見られない状況。全作品ではありませんが、濡れ場があったり、告発された作品はやはり"お蔵入り"になっています。園監督の作品は現在配信サイトなどで見られますが、昨年末のNHK紅白歌合戦では園監督の映画『地獄でなぜ悪い』の同名楽曲を歌うはずの星野源に"二次加害"の批判が殺到し変更になっています。園監督の疑いが晴れるまでは、地上波での放送などは厳しいのではないでしょうか」(前出の関係者)

 作品に罪はないが……。

  ◇  ◇  ◇

 映画での濡れ場の演技にはとにかく慎重さが求められる。関連記事【こちらも読む】奈緒主演映画でインティマシー・コーディネーター起用却下が物議炎上…旧態依然の映画業界は変われるのか…では、日本映画界が抱える問題について伝えている。

エンタメ 新着一覧


早くも“NHK御用達俳優”の片鱗が?「虎に翼」出演の岡部ひろきはそんじょそこらの2世俳優とは違う
 1日放送「ダウンタウンDX」(日本テレビ系・読売テレビ制作)に故・西城秀樹さんの息子・木本慎之介(20)が出ていました...
なぜ令和ロマンは賞レースに出続ける?3冠制しヘイトも無視する戦闘力
 芸歴10年以下のお笑い賞レース「ABCお笑いグランプリ」(テレビ朝日系/以下ABC)が7月7日に開催。M-1に続き、令...
帽子田 2024-08-03 06:00 エンタメ
航一の秘密、明かされる。久々の回想シーンでも発揮した直道の顔芸パワー
 判決後、涼子(桜井ユキ)の店で寅子(伊藤沙莉)らと杉田(高橋克実)たちは偶然顔を合わせる。  戦争で娘と孫を亡く...
桧山珠美 2024-08-02 16:00 エンタメ
【写真特集】ワンピース姿を披露する、珍しく清楚なあやまん監督
【この写真の本文に戻る⇒】 【独自レポ】あやまんJAPANは健在だった! Tバックにぽいぽいコール、コンプラ無視の危ない...
優未の言葉「困っている子を助けるのは普通」に教えられた真っ当なコト
 寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)は、涼子(桜井ユキ)の店がたびたび嫌がらせを受けていたことを知る。警察に相手にされず...
桧山珠美 2024-07-31 16:30 エンタメ
赤いミサンガの女・美佐江、来た~!“放置エピソード”の回収がお見事
 寅子(伊藤沙莉)と優未(竹澤咲子)の姿を見ていきなり号泣した杉田(高橋克実)。実は杉田は昭和20年の長岡空襲で娘と孫を...
桧山珠美 2024-07-29 16:45 エンタメ
目黒、ニノを“沼落ち”続出の松村北斗「西園寺さん」が猛追!視聴率やTVerではない意外なデータが急上昇
 7月も後半に入り、2024年夏期主要ドラマの初回がほぼ出揃った。その中でも特に、STARTO ENTERTAINMEN...
こじらぶ 2024-07-27 06:00 エンタメ
「ごめんなさい」を連呼する航一。“戦時中の何か”は来週判明する?
 玉(羽瀬川なぎ)の将来を奪ったのは自分だと、涼子(桜井ユキ)も悩んでいた。寅子(伊藤沙莉)は2人の決断を応援するため、...
桧山珠美 2024-07-29 15:49 エンタメ
涼子さまの消息も明らかに…「ヒロインじゃない面々」のその後を描く意味
 寅子(伊藤沙莉)は「学校に友達はいない」という優未(竹澤咲子)の発言が気にかかる。  出勤すると、杉田(高橋克実...
桧山珠美 2024-07-23 15:45 エンタメ
夏ドラマ何見てる?『新宿野戦病院』『ブラックペアン2』への本音を調査
 2024年7月スタートの夏ドラマが出揃ってきましたね。今期もたくさんのドラマが放送していて、どれを見ればいいのかわから...
“カウンセラー”星航一(岡田将生)、ちぐはぐぶりがチャーミングだった件
 父親の話が聞きたいと言う優未(竹澤咲子)に、寅子(伊藤沙莉)は優三(仲野太賀)の話をすることができない。寅子は航一(岡...
桧山珠美 2024-07-18 15:50 エンタメ
なぜ塚地武雅、藤井隆はドラマ出演が続く? 不人気芸人との決定的な違い
 7月に入り、2024年夏の新ドラマが次々にスタートしています。なかでも話題になっているのが、宮藤官九郎脚本の『新宿野戦...
高橋克実「ショムニ」超えの名演技に注目!歴代朝ドラで舌打ちといえば…
 山の境界線をめぐる現地調停で書記官の高瀬(望月歩)と申立人の森口(俵木藤汰)との間にトラブルが発生。寅子(伊藤沙莉)も...
桧山珠美 2024-07-17 15:30 エンタメ
木村拓哉は逆に演技がうまい! わざと「いつもキムタク」を貫く役者魂
 最新主演ドラマ『Believe-君にかける橋-』(テレビ朝日系)が高視聴率でフィニッシュし、かつての人気ドラマの映画版...
堺屋大地 2024-07-17 06:00 エンタメ
我々は何を見せられていたのか…さよなら『バチェロレッテ・ジャパン』S3
 毎週木曜日のお楽しみ『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン3がついに完結しましたよ!
【写真で振り返る】『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン3の名場面
【この写真の本文に戻る⇒】我々は何を見せられていたのか…さよなら『バチェロレッテ・ジャパン』S3