仕事一筋の私が『対岸の家事』詩穂に共感した理由。くだらない「専業主婦vsワーママ」対立してる場合じゃない

森鷹ユキ
更新日:2025-06-14 06:00
投稿日:2025-06-14 06:00

 多部未華子さん主演のドラマ『対岸の家事』が6月3日に最終回を迎えた。毎回放送されるたびに話題になり、SNSを中心に視聴者がドラマの自分の境遇を重ねた感想や意見が飛び交い、それも含めて私は楽しんでいた。

 私はもともと朱野帰子さんの小説が好きで、原作の『対岸の家事』数年前に原作を読んで一気に読んだ記憶があるのだが、結構前のことなのでストーリーやディティールの部分はすっかり忘れていた。そのお陰(?)もあってドラマも新鮮な気持ちで見ることができた。

【こちらもどうぞ】『最後から二番目の恋』千明と和平の“名前がない関係性”の意味を、大人になってやっとわかった

主婦じゃないのに「詩穂に近いのかも」と思った

 ドラマを見ていなかった人のために説明すると、多部さん演じる専業主婦の詩穂を主人公に、江口のりこさん演じる仕事と家庭の両立に奮闘するワーキングマザーの礼子、ディーン・フジオカさん演じる、完璧な育児計画を掲げる官僚で育休中の中谷など、さまざまな立場や考え方をもつ「対岸にいる人たち」が交流しながらそれぞれの立場や悩みを分かち合っていくというストーリーだ。

 私自身は結婚もしておらず、子供もいない。あえてラベルをつけるなら「独身女性」だ。会社員として長く働き、40代に入った今、礼子のように家庭と仕事の両立に悩む同僚や友人も多い。だからこそ、礼子の葛藤も決して他人事ではなかった。

 そんな自らの置かれた立場もあって、ドラマを見る前は「どちらかと言うと礼子の立場に共感するのかなあ」なんて思って見ていたのだが、いざドラマが始まって思ったのは「私は詩穂に近いな」ということだった。

 そもそも詩穂が専業主婦を選んだのは「2つのことを同時にできない」という理由からだったのだが、私が子供を産まない人生を選んだのも結婚をしない人生を選んだのも「2つのことを同時にできないから」だった。

 もともと、子どもを産むことや結婚に強い興味はなかった。私の関心はいつも仕事に向いていた。もし家庭を持ち、子どもがいたとしたら——「子どものせいで自分のやりたいことができない」と思ってしまう自分の姿が、たとえ現実がそうでなくても、容易に想像できた。

 だから私は、仕事一本で生きていく道を選んだ。42歳になった今も、その選択に後悔はない。

森鷹ユキ
記事一覧
1982年生まれ。新聞社系エンタメサイトで記者を務めたのちに女性系メディア、ライフスタイル系メディアで編集者兼記者として従事。エンタメ、ライフスタイル、ジェンダーについての取材執筆を行う。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


春と幸運を呼ぶ「球根付き切花」を長持ちさせる意外な注意点。あー、見るだけでワクワクが止まらない!
 立春を迎え暦の上でも春。猫店長「さぶ」率いる我がお花屋の立地は神奈川の片田舎ですが、1月の終わりごろからど偉いエネルギ...
事例ありき? お役所仕事だな。街路灯ランプをLEDにするだけなのに、なぜかてんやわんや…
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女...
ホットフラッシュvsニット。“セーター”に恋焦がれる更年期世代から「エアリズムニット」の提案
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
誕プレで発覚! 親友と思ってたのは私だけだった…思わず虚無感を抱いた切ないLINE3選
 友達とLINEをしている時に、思わず虚無感を抱いてしまったことはありませんか? 人は、あまりにも自分の気持ちを無視され...
計算されたような曲線美! 塀の上の“たまたま”が放つ怪しい魔力
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
変わらず、光り輝いて
 街中にある機関車の車輪。  自分の背丈ほどの巨大な車輪を30年以上、1日も欠かさず磨き上げた人に出会ったのは、も...
【女偏漢字探し】「季」の中に紛れ込んだ漢字は?(難易度★★☆☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
プライド高っ! マウントをとる女の闘志メラメラLINE3選。バッグの値段、婚活の人数、子どもの習いごと…
「あなたより私のほうがすごい」と相手より優位に立とうとする女。そんな“マウントをとる女”は、LINEでも闘志メラメラのよ...
無意識な「フキハラ&ちくちく言葉」で職場のモチベ下げていませんか?
 相手を遠回しに攻撃する人いますよね~。不機嫌な態度で周りを威圧する「フキハラ」に加えて、嫌味たっぷりの皮肉っぽい「ちく...
フジテレビ問題で物議…【弁護士解説】職場や取引先との飲み会、部下や後輩とトラブルにならない誘い方は?
 芸能界を引退した中居正広氏(52)の女性トラブルを巡って、幹部社員の関与が疑われているフジテレビ。トラブルが発生してい...
「寒い。めんどい。やる気でない」を打ち破れ! 40女が実践するランニング継続のコツ
 1月ももう終わり。2025年の抱負として「運動習慣を身につける」と掲げた方も多いのでは。  仕事前にちょっとひとっ走...
あわや一触即発と思いきや…お互いを褒めあう仲良し“たまたま”たち
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「金運を上げる玄関」って? お金持ち宅の“テクニック”も参考にした生花の選び方
「米の値段がまた上がる!」がSNS界隈でバズっております。ワタクシの唯一の癒しでもある大好物(甘いもの系)のサイズや数量...
圧強めのママ友、涙を飲んだ受験生にはどう返信する? お受験シーズンはLINE界隈もてんやわんや
 今年も受験シーズンが到来。自分の子供の人生を少しでも良くしようと必死の「お受験ママ」がいる一方で、不合格で落ち込む受験...
まさか痴漢に遭うとは…更年期真っ最中のおばさんの身に降りかかった「性的な危険」
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
経験値不足が招いた悲劇か? 恋人や家族の「仰天センス」にドン引きしたエピソード
 買い物をしている時やプレゼントをもらった時など「なんでそれを選んだの!?」と驚くような仰天センスの持ち主に出会うことが...