横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

更新日:2025-06-17 17:03
投稿日:2025-06-17 17:00

 一般的に、飲食店の口コミサイトで3.5以上の“星”を獲得すればまずまず、4.0以上なら高評価と言える。4.3とか4.4以上になってくると“名店”か。横浜流星(28)主演のNHK大河「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」は、映画やドラマのレビューサイトFilmarksの評価が3.9(6月16日現在)。まずまず高評価とも言えるが、最近の世帯視聴率は9~10%台を行ったり来たりで、15日放送の第23回ではついに番組初の8%台まで下落。前回の9.4%から0.6ポイント減の8.8%だった(関東地区=ビデオリサーチ調べ)。

「このままのペースでは全話平均視聴率で、歴代大河のワースト3入りに一直線です」(テレビ誌ライター)

 じゃあ、内容が面白くないのかと言えば、途中で離脱をほのめかす口コミもあるにはあるが、《大人向きのドラマ》とか《稀に見る傑作》《毎週夢中になって見ている》……称賛するレビューの方が目立つ。《初めての大河》なのに《ハマっている》《泣けるし面白い》という書き込みも。《横浜流星が毎週見られるだけでありがた山》なんてファンも大勢いるし、《キャスティングもいい》と出演者の熱演を褒める声も多い。ところが、数字が伴わない。

「舞台が吉原という花街で、家族揃って見づらいという不利な条件もありますけど、最大のネックは簡単に“流し見”ができないことでしょうね」と、元テレビ誌編集長はこう続ける。

森下佳子の脚本が視聴者に求めるレベルが高すぎる?

「森下佳子さんの脚本が練りに練られていて、数話前に見たあそこがここにつながっているといったうれしい発見もありますけど、流し見をすると、せっかくの伏線が分からない。視聴者に求めるレベルが高い脚本とも言えます。何でもセリフで説明しようとするサービス過剰の脚本に辟易としているドラマ好きのウケはいいでしょうが、一方でサービス精神が薄すぎるとも言える。倍速視聴するような若者に受け入れられるとは思えませんね」

 じっくり視聴が「べらぼう」の大前提というわけだ。

「前回、ふんどし姿で踊った恋川春町役の岡山天音さんしかり、脇役陣も心に染みる演技巧者が揃っています。横浜さんの演技もこなれてきた。合戦シーンのない大河らしくない大河ですが、《初めて大河を見たけどハマった》という声が多いのもうなずけます。完成度が高い新タイプの大河なんですけど、ある程度は歴史的な知識がないと、なぜ“江戸城”のパートがあるのかを理解できない視聴者もいるでしょう。新たな大河ファンを獲得したい、若い世代も取り込みたいというNHKの思惑とはズレが生じている、ジレンマに陥っているように思いますね」(前出の元テレビ誌編集長)

 大河を変えていこう、新しくしようという気概は十二分に感じるが、分かる視聴者にだけ分かるというドラマは“皆さまのNHK”にはふさわしくないのか。

  ◇  ◇  ◇

 「べらぼう」の低迷は横浜流星の真面目すぎる性格も関係している? 関連記事【さらに読む】また1ケタ逆戻り…NHK大河『べらぼう』不安材料は横浜流星の「真面目すぎる性格」と「小芝風花ロス」…では、どうにも安定しない視聴率の今後を占っている。

エンタメ 新着一覧


ガンちゃん登場! 目の前にビール瓶2本…寅子の酒豪ぶりは母のはる譲り説
 本科と呼ばれる明律大学法学部に進学した寅子(伊藤沙莉)たち。法改正が行われ、女子も正式に弁護士になるための試験を受けら...
桧山珠美 2024-04-22 15:40 エンタメ
「366日」、髙橋海人「95」学生服コスプレ繚乱!関口メンディー何留?
 新ドラマを見ていて気づいたことがあります。それは過去と現在を行き来するドラマで、俳優さんたちがそのまま高校時代や大学時...
すわ、嫁姑戦争勃発か!? 月のもので結束力まで描く脚本の妙
 実際の事件を調べるため、まんじゅうを作ってみることにした寅子(伊藤沙莉)たち。すると涼子(桜井ユキ)が急に謝罪したいと...
桧山珠美 2024-04-19 15:50 エンタメ
「お月のもの」ネタ再び、寅子らの生理談議にマスターのヘンな気遣い
 よね(土居志央梨)は貧しい生い立ちを明かし、涼子(桜井ユキ)や寅子(伊藤沙莉)など、同級生らが恵まれていることに憤りを...
桧山珠美 2024-04-18 16:50 エンタメ
森香澄は“嫌われる女”を演じてる説 「女子アナ」抹消計画を進行中!?
 元・テレビ東京の「女子アナ」で、昨年3月に退社してフリーに転身後、バラエティ番組を中心に引っ張りだことなっている森香澄...
堺屋大地 2024-04-17 06:00 エンタメ
朝ドラ史上初の快挙!ヒロインの月のもの(生理)事情が描かれた
 生徒数が減り、存続の危機に陥る明律大学女子部。宣伝のため2年生の寅子(伊藤沙莉)たちは先輩の久保田(小林涼子)・中山(...
桧山珠美 2024-04-15 15:48 エンタメ
平野、神宮寺、岸のNumber_i返り咲きの春! 欲いえばもっともっと…
 さくら満開の春、Number_iがテレビに帰ってきました平野紫耀(27)、神宮寺勇太(26)、岸優太(28)、お久しぶ...
「ニャニャニャニャニャ」寅子の必殺技!いずれ強い虎になる“伏線”か?
 判決の日。寅子(伊藤沙莉)たちの予想は外れ、妻が着物を取り戻すことが認められる。大喜びする女子部の面々だったが、よね(...
桧山珠美 2024-04-12 18:20 エンタメ
不祥事芸人・フジモンの賛否両論の復帰劇!実は吉本への貢献度が抜群?
 昨年10月に当て逃げ事故を起こして活動自粛していたフジモンことFUJIWARA・藤本敏史が、3月23日放送の『さんまの...
堺屋大地 2024-04-12 06:00 エンタメ
寅子「あきらめたらそこで終わり」はもしや…名作漫画のイズムにニヤリ
 傍聴した裁判について尋ねた寅子(伊藤沙莉)に対し、穂高(小林薫)は皆で議論してみるよう促す。  暴力を振るう夫か...
桧山珠美 2024-04-11 15:25 エンタメ
トラコ入学、伊藤沙莉は表情筋を自由に操る女優…男装の山田よねにも注目
 昭和7年。晴れて「明律大学女子部法科」に入学した寅子(伊藤沙莉)のクラスには女子の憧れの的の華族令嬢・桜川涼子(桜井ユ...
桧山珠美 2024-04-08 18:38 エンタメ
“お騒がせ”青井実アナが心機一転、なにわ男子の道枝駿佑と似てるって⁉
 世の中の人がNHKに持つイメージといいますと、「真面目」「お堅い」「地味」といったところでしょうか。  そんな中...
逃げ恥の百合ちゃん役が“頭のいい女は頭の悪いふりをするしかない”発言
 穂高(小林薫)に出くわしたことで女子部への出願が母・はる(石田ゆり子)にばれてしまった寅子(伊藤沙莉)。  娘に...
桧山珠美 2024-04-05 15:30 エンタメ
「虎に翼」語りは尾野真千子 NHKアナと俳優のナレーションの違いは?
 寅子(伊藤沙莉)がお見合いに苦戦する中、親友の花江(森田望智)は寅子の兄・直道(上川周作)との結婚準備を順調に進めてい...
桧山珠美 2024-04-05 15:14 エンタメ
「虎に翼」シン・朝ドラの予感!わずか1話、たった15分で心つかんだ描写
 昭和6年・東京。女学校に通う猪爪寅子(伊藤沙莉)は父・直言(岡部たかし)、母・はる(石田ゆり子)から次々とお見合いを勧...
桧山珠美 2024-04-01 22:28 エンタメ
僥倖!世界に挑む赤西仁ほど「サムライマック」のCM向きな俳優はいない
 マクドナルドのCMにイケメンあり!  そんな声をちらほら耳にするようになりました。たとえば4月2日から全国放送さ...