NHK朝ドラ「虎に翼」~第3週「女は三界に家なし?」#11
生徒数が減り、存続の危機に陥る明律大学女子部。宣伝のため2年生の寅子(伊藤沙莉)たちは先輩の久保田(小林涼子)・中山(安藤輪子)と法廷劇を上演することになる。
演目は実際の判例を元にした「毒まんじゅう事件」。脚本は涼子(桜井ユキ)が担当。
よね(土居志央梨)でさえ、居場所を守るために参加すると言い、喜ぶ寅子。準備のため寅子の家に集まって衣装制作を行うことに。
しかし花江(森田望智)は浮かない顔で…。
【本日のツボ】
お月のもの
※※以下、ネタバレあります※※
昭和8年。週が明けたら、寅子たちがもう2年生になっていたのは驚きです。物語も寅子も全力疾走中。ぼやぼやしていたらおいていかれてしまいそうな勢いです。
3年生はとうとう2人に。2年生も60人いた同級生が20人に減りました。自分たちの居場所を失わないよう、女子部存続のために奮闘する寅子。
春から入学した後輩たちのお世話に、女子部の待遇改善を求めて大学に交渉したり、有志で行う傍聴会など多忙を極めている様子です。
場面変わって、自宅玄関でしゃがみ込み、ため息をつく寅子。雄三(仲野太賀)の前では平静を取り繕ってはいましたが…。
自分の部屋でもため息をつく寅子。よくよく見ると右手は袴の中でお腹をさすっているような。なんともいえないような苦い顔です。
袴を脱ぎかけ、中を見て「うぁー」と心底嫌そうに天を仰ぎました。
寅子に何が起こったのか。布団を被って寝ていた寅子が顔を出したところで、「寅子はお月のもの、つまり、月経が少々人より重めでした」とナレーションの声。
よもや朝ドラのヒロインの月のもの(生理)事情が語られる日が来るとは!
間違いなく、朝ドラ史上初の快挙です。さすが「生理のおじさんとその娘」(NHK)の脚本家です。
4日間学校を休んだトラコに…
朝食を取りながらも、普段とは明らかに様子が違う寅子に、「まだ寝てたほうがいいんじゃない?」と労わるように声をかける母・はる(石田ゆり子)。
それに引き換え、「毎日、傍聴だ、水泳だって忙しいからトラは」と寅子の憂鬱をみじんも理解していない父・直言(岡部たかし)の能天気さにイラっとしました。
たしかに100年後の今でも男性の前で生理の話をするのは抵抗があるわけで、寅子の時代ならなおさらです。
それにしても、当時はナプキンもタンポンもなく、どういうケアをしていたのか、気になってしまいました。
寅子のため息に、花江のため息、今週は女性たちの“ため息”がポイントになりそうです。
【おまけのツボ】
法廷劇「毒まんじゅう事件」
寅子が弁士になり、モノクロの無声映画のような仕様で語られる「毒まんじゅう事件」。このパターンもあるのか、とその遊び心に嬉しくなりました。
難しい事件の内容も一気に入ってきて一石二鳥です。
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