「愛子天皇」が国民の総意になってきた 保守系の読売新聞も異議なし
【週刊誌からみた「ニッポンの後退」】
将来の天皇の座を約束されている秋篠宮家の悠仁さん(18)は、ピッカピカの筑波大1年生。多くの週刊誌でキャンパスライフを満喫している様子が報じられている。
週刊現代(5月26日号)によれば、5月の大型連休の少し前、東京・下町の古びたもんじゃ焼き屋に、高校時代のクラスメートたちと現れたという。悠仁さんのことは鈴木などと「コードネーム」で呼んでいたそうだ。
週刊新潮(6月19日号)は、1年生が主体となる「やどかり祭」という宿舎祭で、悠仁さんのクラスが出店した屋台の売り子になり、大声でベビーカステラを売っていたそうだ。
週刊女性(7月1.8日号)は、悠仁さんは講義が終わると大学近くのカラオケによく行くと報じている。そこでは「RADWIMPS」の「なんでもないや」という曲を熱唱しているという。ある筑波大生が悠仁さんたちが出てきたばかりの同じボックスへ入り、曲の履歴を見てみると、「君が代」があったという。友人たちにこれを歌わせ、自らの「帝王教育」の一助にしていたのだろうか。
6月4日、天皇皇后と愛子さんの姿は国立沖縄戦没者墓苑にあった。その前の5月に愛子さんは、大地震に襲われた能登の復興状態を視察するために赴き、被災者たちに「温かい支援がこの先も続くとよろしいですね」と伝えていた。9月には両親が長崎を訪問するそうだが、彼女は被爆地・長崎への同行を切望しているという。
大阪・関西万博を訪れれば、彼女の放つオーラに、観光客たちから驚きと歓声が上がった。警護付きではあるが、生まれて初めて手に入れた「自由」を謳歌している将来の天皇と、日本赤十字に勤務し仕事の合間に公務をこなしているのに自分の人生設計さえ考えられない天皇の娘。
人心は千々に乱れ、今や“落ち目の三度笠”日本を甦らせるには「愛子天皇誕生」しかないという声は、主権の存する日本国民の“総意”といってもいいのではないか。保守系の読売新聞(5月15日付)でさえ「皇統の安定のために皇室典範を改め女性・女系天皇を容認」と提言したのである。
だが、愚鈍な政治家どもは、「いまだ男尊女卑の因習から抜け出せず、明治以降だけが伝統だというカルト思想の持ち主」(小林よしのり=週刊ポスト6月27日.7月4日号)に気兼ねして動こうとはしない。
週刊ポスト(同)は「私たち『愛子天皇』を希望します」という特集を組み、先の小林をはじめ識者5人が提言している。その話を要約すると、「イギリスをモデルに成立した明治以降の天皇制は欧州の立憲君主制と本質的に全く同じです。戦後憲法における『象徴』という言葉もイギリスの考え方を取り入れている」(政治学者の君塚直隆)。その欧州が男女同権意識の高まりで、憲法が改正され絶対的長子相続が認められているのに、日本ができないはずはない。
歴史学者の河西秀哉も同様で、「自分が直系であり、最初に生まれたからこそ天皇になるのだとの自覚があれば、自然と即位に向けた準備ができるのではないでしょうか」。
中世史研究家の本郷恵子も「皇位継承は自然でシンプルでわかりやすい『直系・長子』を優先とすればよく、女性皇族が公務だけのために『使い捨て』にされないようにすることが重要です」。
宗教学者の島田裕巳は「歴史学の専門家に過去の女性天皇を『中継ぎ』だとする見解があるくらいなのだから、皇位を悠仁親王につなぐまで一定期間、愛子天皇が中継ぎの役割を果たすかたちはどうか」といっている。石破首相よ、「愛子天皇」は是か非か、国民投票をしてみないか。 (文中一部敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)
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