更新日:2025-06-27 11:50
投稿日:2025-06-27 11:50
突然の別れ
だが、区役所に行く前夜、優佳さんは突然別れを切りだしたのだ。
――社長、ごめんなさい。やっぱり離婚はやめてください。
和彦さんは、何かの冗談だと思った。
「でも、彼女は真剣でした。問い詰めると、静かにこう言ったんです。
――申し訳ありません。彼がやり直そうと言ってくれて…私、彼の元に戻ります。社長もご家庭に帰ってください。お店も今日で辞めます」
和彦さんは、優佳さんに何度も考え直すよう説得したが、彼女は首を縦に振らなかった。
それどころか、今月分の給料すら受け取らず、荷物をまとめて出て行った。
「自分の人生が、突然切り取られたような感覚でした。信じていた未来が、音を立てて崩れ落ちていったんです」
絶望のまま、山手線のホームへ…
そして、気づけば渋谷駅の山手線ホームに立っていた。
「どうやって歩いてきたのか覚えていません。ただ、自分にふさわしい最期の場所だと思いました。ホームの端で、電車が轟音を立てて通過するたびに、『次こそ飛びこむ』と決意したんです」
いよいよ飛びこもうと足を踏んばった瞬間、ポケットのスマホが震えた。
反射的に「優佳か?」と、取りだしたスマホをタップすると、
――和彦、元気か?今度のクラス会の話なんだけど、今話せる?
大学時代の男友達からだった。無邪気な声にハッと我に返る。
(俺…今、自ら命を絶とうとしていたんだ)
その場でへなへなとホームに崩れ落ちた。
ラブ 新着一覧
男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
【『できても、できなくても』あらすじ】
「桃生翠さん…残念ですがあなたは不妊症です」――ブライダルチェックで発覚した...
世の中、不倫の話題で持ちきりだ。2024年に実施された調査によると、既婚男性の約2人に1人、既婚女性の約3人に1人が婚...
ドラマやネットなどで「女性用風俗」が取り上げられることが増え、一般の女性たちにもその名が浸透してきました。
ア...
「最近のJ-POPは、前奏が短すぎて歌いにくい」カラオケでそう感じたことはありませんか?
我々、40代が青春時代...
「彼からの告白はないけど私たちって付き合ってるのかな?」と、曖昧な関係性に不安を抱えている女性もいるでしょう。
...
マッチングアプリ内でやり取りを重ねていても、いざ初デートの日程が決まると「会話で失敗したくない」「話が弾まなかったらど...
ひとりの大人として生きていれば「他人には知られたくない秘密」が出てくるのは自然なこと。「自分のすべてをさらけ出せる」な...
彼氏とケンカしたあと「なんであんなしょーもないケンカしたんだろう」と反省することもあるはず。そんな“くだらない原因”で...
結婚して一緒に暮らすようになると、些細なことに「え、なんでそうなるの?」と驚く場面が増えるものです。恋人時代には気づか...
「無職の彼氏」というと一般的にはネガティブなイメージがありますが、中にはそれでも幸せに過ごしている人もいます。今回は彼氏...
「冷酷と激情のあいだvol.266〜女性編〜」では、近居の義母から夫の元妻と比較され、文句を言われ続ける奈々美さん(仮名...
男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
いくら相手のことが好きでも、不満や不安が我慢の限界を迎えたとき、別れを決意する人が多いようです。恋人と別れたくないので...
世の中、不倫の話題で持ちきりだ。2024年に実施された調査によると、既婚男性の約2人に1人、既婚女性の約3人に1人が婚...
かなり年下の彼氏ができたという話はもはや珍しい話ではありません。しかし近頃増えているのは「かなり年下の彼氏ができたけれ...
















