しつこいストーカーに反撃! 本当の“恐怖”はそこからだった。巻き込まれた20代女性の決断

中村未来 ライター
更新日:2025-07-15 11:45
投稿日:2025-07-15 11:45

彼氏が隠し続けていた真実

 S子の奇行をKに報告すると、Kはまたしても頭を下げた。しかし、なにか行動に移すことはなかった。そのことが原因で、マリカさんとKはたびたび喧嘩をするようになる。

「もとはといえばKのせいなのに、自分に被害が及ばないとなると、完全に他人事なんです。『なんとかしてほしい』と言っても、刺激しないことが一番といって取り合ってくれず…。でもそのおかげで、少しずつ『彼もおかしい』と気づきはじめたんです」

 マリカさんの予感は当たる。S子がこんなにKに執着するのはおかしいと思ったマリカさんが彼を問い詰めると、ようやくKは隠していた事実を打ち明けた。

「KはS子から、100万円近くの借金をしていたことがわかりました。しかもそれをほとんど返さないまま、一方的に別れていたんです。最低なクズ男ですよ」

ストーカー騒動から学んだ2つのこと

 マリカさんは、Kに別れを告げると、同時に会社も退職。住んでいたアパートを引き払い、実家に戻った。

「S子に職場を知られているということは、もしかしたら自宅もバレているかもしれません。家も仕事もリセットしました。Kは泣いて別れたくないと言っていましたが、どの口が言ってるんだろうとしか思いませんでしたね」

 それ以降、S子が接触してくることはなかった。マリカさんは、この苦い経験を通して2つのことを学んだという。

「1つ目は、おかしいと思う相手は、絶対に刺激してはいけないということ。2つ目は周りの意見に耳を傾けること。じつは当時、仲の良い友だちが『その男は変だから別れたほうがいい』と助言してくれていたんです。アドバイスをちゃんと聞いていれば、あんなことにはならなかったなと思います」

 KとS子がその後どうなったのかは、まったくわからないそうだ。

中村未来
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ライター
学生時代からライター業をはじめ、書籍や雑誌、パンフレットなど、ざまざまな媒体で執筆。現在は演劇や美術、漫画など、アートやエンターテイメント関連の取材執筆が中心。ライター業とともに、舞台やラジオなどのシナリオライターとしても活動中。
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