採点基準はどこにあった?
芸人たちは「漫才とコントという性質の違うネタをどうやって採点するのか」という点に注目していた。例えば『M-1』(テレビ朝日系)だとボケ数やフォーマットの面白さ、『キングオブコント』(TBS系)はキャラクターや展開の多さなどが一定の採点基準としてある。
ただ『ダブルインパクト』は客観的に見て、採点基準があまり分からなかった。
第1回だし審査員の人もどう判断していいか分かりかねていたのだろうが、どうしても客席のウケ量に左右されていたような気がする。もちろんウケは大事なのだが、プロの芸人から見る技術力や台本の良さなどの観点の方を重視してほしかった。
また、審査員の点数幅が狭いのも少し残念だった。大体85~95点ほどの点数幅だったので、点差がつかずに面白みに欠けてしまっていた。僅差での戦いも面白いのだが、大勝・大敗するコンビが見たいのも事実だ。みんな似たり寄ったりな点数では、逆にハラハラしなくなってしまう。
『ytv漫才新人賞決定戦』(読売テレビ系)での粗品のような審査員がいたら、また点数にパンチが効いて面白くなったのかもしれない。
やや予想通りすぎる展開
点数や結果で言えば、「予想通りすぎる」という感じもした。芸人界では開催が発表されたときから「ロングコートダディかニッポンの社長が優勝するだろう」と予想されていた。なぜなら高クオリティで2本ネタをできるコンビというのが、芸人の中でも限られているからだ。
芸人は基本漫才かコントか、どちらかを極める方針を取っており、専門外の大会に出るときは付け焼刃だったりする。しかもキングオブコントの予選とも日程が被っているため、そもそも出ない芸人も多かった。
だからこそ、通常時から両ネタを高クオリティでできる、ロングコートダディとニッ社の二組を最有力候補だと皆が思っていて、その通りだったから拍子抜けしてしまったのだ。
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