芦田愛菜"好感度トップレベル”でも女優で空振り続きのナゾ…映画「果てしなきスカーレット」が危険水域
芦田愛菜(21)が主人公・スカーレットの声を務めた11月21日公開の映画「果てしなきスカーレット」が、事前予想を大きく下回る興行成績に終わる見通しが広がっている。同映画は興行収入約58億5000万円を記録した「バケモノの子」(2015年7月公開)、約66億円を稼ぎ出した「竜とそばかすの姫」(21年7月公開)を手掛けた細田守監督(58)が演出と脚本を担当。声優も芦田のほかに、岡田将生(36)、役所広司(69)、市村正親(76)らそうそうたる顔ぶれが揃い、9月には第82回ベネチア国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門でワールドプレミア上映され、世界の映画関係者からは“今年のアニメの最高傑作”ともいわれていた。
ところが、公開から3日間の興収は約2億1000万円で、その後の苦戦を聞きつけ、筆者も上映館に足を運んだが、やはりウワサ通り、広い館内には観客がパラパラ程度。最終興収は8億円前後になりそうだというのが筆者の見解だ。
「この映画は大ヒットを前提に、CGスタッフだけで約300人を費やし、時間もかけたことから製作費は約20億円といわれています。最低でも50億円の興収を見込んでいたようなことを聞いていたので、興収10億円を切ると厳しい赤字となるでしょう」(映画関係者)
映画製作には、日本テレビが“局のプライドを懸けたプロジェクト”として参入。同社の福田博之社長らも今月1日の定例記者会見で「残念ながら思いのほか苦戦。我々が想定した興収からはかけ離れた数字のスタート」「これを見ていただかないのは残念」と表情を曇らせていた。
この想定外の苦戦に芸能記者たちから上がっているのが、「好感度が抜群に高い芦田の出演作なのにナゼ?」という素朴な疑問の声だ。芦田は毎年12月初めに発表される「タレントCM起用社数ランキング」(ニホンモニター社)で22年の“女王”に輝き、それ以降も川口春奈(30)と激しい女王争いを繰り広げている。好感度の高い芦田が老若男女に支持されているのは明らかなのだが、これが「女優人気」と結びついているかは実は問題なのだ。
例えば芦田が主演した22年6月公開の映画「メタモルフォーゼの縁側」は、脚本を「いま、会いにゆきます」(04年10月公開/東宝)で興収約48億円を記録した岡田恵和(66)が手掛け、共演者になにわ男子の高橋恭平(25)、宮本信子(80)を揃えたが、最終興収は約1億8500万円で終わっている。これは製作費を回収できたかどうかさえも疑わしいレベルの数字。つまり、好感度や訴求効果と、出演作品の客入りや視聴率が常に正比例するとは限らないということだろう。
「女優としてのキャリアが21歳にして18年を超える芦田の、演技力うんぬんを今更語るのは適切ではないでしょう。気になるのはCMの露出過多で、一般視聴者が“お腹いっぱい”になっているという逆効果の懸念です。幼い頃からの、テレビなどで毎日目にする芦田のイメージが頭の中で錯綜し、“今更お金を払って、わざわざ芦田を見に行かなくても……”という満腹感とでもいいましょうか」(ベテラン芸能マネジャー)
芦田は、来年も累計発行部数4500万部を超え、アニメも大ヒットした映画「薬屋のひとりごと」、地上波10月期には韓国で大ヒットした法律系ドラマのリメークと話題作出演が続く。女優としての真価が問われる一年になりそうだ。
(芋澤貞雄/芸能ジャーナリスト)
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