「あんぱん」嵩(北村匠海)初めてのチュウ、少しズレてなかった? 2人の“長屋生活”でいろいろ気になる点も

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-08-02 13:13
投稿日:2025-08-02 13:13

第18週「ふたりしてあるく 今がしあわせ」#90

 朝田家、柳井家の女性陣が集結し、のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)の結婚のお祝い会が開かれる。にぎやかに宴会が進む中、お手洗いへ行った千代子(戸田菜穂)が天井に穴が空いていたと驚いた様子で戻ってくる。

 のぶが気の毒だと嘆く登美子(松嶋菜々子)に、私は幸せだと言うのぶ。その後、宴席を抜け出してひと息つく嵩。追ってきたのぶは、天井の穴から星空を見上げながら優しく話しかける。

【こちらもどうぞ】「あんぱん」嵩の“三星百貨店 包装紙”誕生秘話にそうだったのか!プロポーズよりそっちに感心

【本日のツボ】

初めてのチュウ!?

 ※※以下、ネタバレあります※※

 中目黒の新居で、ふたり暮らしを始めたのぶと嵩。トイレは共同とのことですが、のぶも嵩も仮にも新聞社や政治家のところで働いているわけで、もっとましなところに住めるのでは、と思うのですが、戦後の東京の住宅事情はそんなものでしょうか。

 長屋といいながら、お隣りさんが誰ひとりいないのも不気味です。いたら、夜中のドンチャン騒ぎやメイコの歌に怒鳴りこんでくるはずですから。

 そのドンチャン騒ぎです。朝田家、柳井家揃い踏みで、狭い長屋に8人がぎゅうぎゅう詰め。長屋の床が抜けやしないかと心配になりました。この日は全員で雑魚寝したのでしょうか。あるいは千代子だけは登美子の家に泊まったとか!? いろいろ気になりました。

 が、なんといってもこの日のクライマックスは、穴あき天井トイレでののぶと嵩のラブシーンです。

 奥手でなおかつのぶのことを一途に思い続けていた嵩は、恐らく初めてのチュウだったのではないかと。のぶの唇をめがけて突進したものの、少しズレたところに着地してしまい、のぶが自分の唇を嵩の唇に持っていき、なんとか、「チュウ」を完遂したような……。

 それでも、満足げな嵩。そのあとのニヤニヤと嬉しそうな顔は、初めての「チュウ」を物語っているように見えました。

 そこで、気になるのはこの2人、今の今まで「チュウ」もしないでいったい何をやっていたのか、ということです。しかも、初めての「チュウ」がトイレの中って……。まさに、クサイ仲!? というオチでしょうか。

 くらばあ(浅田美代子)とも今週でお別れ。釜じい(吉田鋼太郎)に続き、最後の「ほいたらね」を担当。最後まで可愛いおばあちゃんでした。
 
 さて。来週の予告編には、新顔がたくさん。手塚治虫やいずみたくなど実在の人たちも登場するとのことなので、これは楽しみです。新しい出会いに期待しつつ――。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


カトパンへの嫌味に物議…新井恵理那は承認欲求のカタマリか、悪役を演じる聖人か?
 昨年3月、8年間出演して総合司会も務めていたテレビ朝日系の朝の情報番組『グッド!モーニング』を降板したフリーアナウンサ...
堺屋大地 2025-04-17 06:00 エンタメ
【募集】春ドラマ何見る? 面白かった&ガッカリを教えて!『最後から二番目の恋』『あんぱん』etc
 コクハクでは2025年春ドラマを対象としたアンケートを実施します。4月よりスタートした春ドラマ、「期待している」「面白...
笠松将、柳楽優弥を超えなければと思っていた。俳優業の“わからなさ”は「自分自身にビビッている感覚」『ガンニバル』シーズン2インタビュー
“この村では、人が喰われているらしい……”    2022年の年末にディズニープラス スターにて独占配信がスタートす...
望月ふみ 2025-04-15 06:00 エンタメ
「あんぱん」嵩(北村匠海)の“ジェラシー”がなんとも可愛い! 寛(竹野内豊)の診察シーンが見たかった
 昭和10年、高等女学校の5年生になったのぶ(今田美桜)は、ある日、貴島中尉(市川知宏)と再会。祭りのパン食い競走で使う...
桧山珠美 2025-04-14 19:03 エンタメ
15分の朝ドラで高揚感を得られるんだ! のぶ&嵩の“子役最終回”が見せた未来の夫婦関係
 久しぶりに登美子(松嶋菜々子)の顔を見て胸がいっぱいになる嵩(木村優来)だったが、登美子は困惑した表情を浮かべる。のぶ...
桧山珠美 2025-04-12 06:00 エンタメ
旧ジャニ会見から1年半、STARTO社の再興成否…CD売上と人権意識から考察、ファンは一体何を望む?
 2023年9月および10月、旧ジャニーズ事務所は創業者問題で2度記者会見を開いた。その後、同社所属タレントのテレビ・C...
こじらぶ 2025-04-12 06:00 エンタメ
「あんぱん」阿部サダヲの配合絶妙な演技。高知つながりで“しょくぱんまん”登場!
 元気のない家族のために力を貸してほしいというのぶ(永瀬ゆずな)の頼みに、草吉(阿部サダヲ)は1回きりの約束であんぱんを...
桧山珠美 2025-04-09 17:20 エンタメ
『あんぱん』RADWIMPSの主題歌は本当に「合っていない」のか? 正統派・朝ドラOPの真逆を貫いた意味
 2025年3月31日より、NHK連続テレビ小説『あんぱん』の放送が開始された。国民的キャラクター「アンパンマン」生みの...
「R-1」さや香・新山や吉住らベテラン勢はなぜ負けた? 売れっ子は予選で有利、決勝で不利な理由
 最もおもしろいピン芸人を決める「R-1グランプリ2025」(フジテレビ系)が3月8日に開催された。決勝常連組やベテラン...
帽子田 2025-04-09 09:48 エンタメ
ヤムおんちゃん草吉はあんぱん代をきっちり集金。ジャムおじさんとは違う“先導”に期待膨らむ
 草吉(阿部サダヲ)のあんぱんを食べて、生きる力をもらった朝田家。羽多子(江口のりこ)は内職の仕事を始め、釜次(吉田鋼太...
桧山珠美 2025-04-07 17:20 エンタメ
「あんぱん」ウラの見所~初週からブチかまし!細部に神経が行き届いた作品だと印象付けた中園脚本
 結太郎(加瀬亮)があの世に旅立ち、悲しみに暮れる朝田家。しかし、のぶ(永瀬ゆずな)は一粒の涙も流さなかった。そんなのぶ...
桧山珠美 2025-04-05 06:00 エンタメ
“百戦錬磨”香川照之ゆえの提案「全6話、スイッチを仕込んでいます」【主演ドラマ『災』インタビュー】
「連続ドラマW 災」(WOWOW、6日22時スタート)は、湿り気を帯びた陰鬱な雰囲気とぞわりとする劇伴が感情を揺さぶる不...
朝ドラ「あんぱん」の描写に25年前の“名台詞”が…CA役だった松嶋菜々子の変わらぬ美貌はさすが過ぎる
 ある日、のぶ(永瀬ゆずな)は千尋(平山正剛)とシーソーに乗る嵩(木村優来)を見かけるが、千尋が軽くて動かない。そこでの...
桧山珠美 2025-04-02 17:20 エンタメ
「あんぱん」ヒロインの着物がオレンジ色の納得。ドキンちゃんのモデルゆえの演出
 昭和初期、家族の愛情をたっぷり受けて育った少女が高知の町中を勢いよく駆けていく。「ハチキンおのぶ」こと朝田のぶ(永瀬ゆ...
桧山珠美 2025-03-31 17:20 エンタメ