「あんぱん」手嶌治虫(眞栄田郷敦)と運命の出会い…だけど。“靴紐”シーンは何かの伏線なの?

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-08-09 10:38
投稿日:2025-08-09 10:30

第19週「勇気の花」#95

 嵩(北村匠海)はカフェで打ち合わせをしていた手嶌治虫(眞栄田郷敦)に声をかけられる。いたたまれない気持ちで会社に戻った嵩は、意を決して退職届を提出する。

 一方のぶ(今田美桜)は、鉄子(戸田恵子)に意見して怒らせてしまう。落ち込んで家に帰ると、上機嫌な登美子(松嶋菜々子)が待っていた。しかし、嵩が三星百貨店を辞めると聞いて表情が一変する。

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【本日のツボ】

手嶋治虫、トレードマークのベレー帽はいつから被っていたのか問題

 ※※以下、ネタバレあります※※

 今週は一気に物語が動きました。特にメイコ(原菜乃華)です。月曜日に東京に出て来て、火曜日に健太郎(高橋文哉)と再会、水曜日に結婚して、木曜日には2人の子持ち(1人はお腹の中)に。怒涛のような1週間でした。長年想い続けてきた健太郎とやっと結ばれたメイコ。その幸せな様子をもう少し、じっくりと味わいたかったです。
 
 そして。のぶと嵩です。嵩はもうとっくに三星百貨店を辞めたのかと思ったら、まだ勤めていたとは驚きです。喫茶店で手嶋治虫(眞栄田郷敦)と編集者の打ち合わせに遭遇し、ようやく、退職の決意をしたという感じでしょうか。

 それにしても、嵩はなぜ、彼が手嶋だということがわかったのでしょう。トレードマークのベレー帽を被っていたから?

 手嶋が嵩に、革靴の紐がほどけていると指摘し、さらにその紐を結んであげるというエピソードは、何かの伏線になっているのでしょうか。そうでなければ、不思議なシーンとしか言いようがありませんから。

 のぶのほうも、薪鉄子(戸田恵子)と意見が食い違い、なにやら険悪なムードに。「私のやり方に文句はあるがやったら、辞めてええがで」と言われてしまいます。

 あの庶民の味方・薪鉄子がこんなにも変貌してしまうとは。端折られた5年間、のぶと鉄子の間になにがあったのか、ここもちゃんと描いて欲しかったです。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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