元タレントが見た過酷な現実。芸能界で“誰かのお気に入り”になった女と拒んだ女の分かれ道

おがわん ライター
更新日:2025-08-26 18:02
投稿日:2025-08-26 11:45

誰かの“お気に入り”になる勇気はあるか

 もちろん、すべての売れっ子が裏の力で動いているわけではない。実力と運を武器に、自分の力で階段を上がっていく人もいる。

 だが、同じくらい多くの人が、表に見えないコネや“お気に入り”という立場によって表舞台に押し上げられているのも事実だ。

 私はその頃、何度も自問した。

「もし誰かの“お気に入り”になるチャンスがあったら、受け入れるのか?」と。

 答えは簡単ではない。自分のプライドや信念と、夢の現実化との間で揺れるのは、タレントに限らずどの業界でもあることだろう。

 芸能界は華やかに見えて、内側はとても脆いバランスで成り立っている。表舞台に立つ人と、消えていく人。その差は、努力や才能だけでは説明できない部分がある。

 彩香の笑顔の裏にあった葛藤や不安を、当時の私は知る由もなかったが、今なら少しわかる気がする。

努力だけでは届かない壁

 そして私はあの頃の自分にこう言いたい。「お気に入りになることが近道かもしれない。でも、それは同時に出口のない迷路の入り口でもある」と。

 彩香が消えていった後、彼女のように急浮上しては消えていく人を、私は何人も見てきた。

 まるで舞台の照明が一瞬だけ強く当たって、次の瞬間には真っ暗になるように。輝く時間が短い人ほど、その光はまぶしく、そして儚い。

 中には、あえて“お気に入り”の立場を拒んだ人もいる。

 誰の力も借りず、自分の実力で勝負したいと望んだその人は、長い下積みの末にやっと名前が知られるようになった。

 だが、売れ始めた頃には若手としての鮮度は薄れ、スポンサーや制作側の興味も一時的なもので終わってしまった。努力だけでは届かない壁を、私はそこで見た。

おがわん
記事一覧
ライター
かつてちょっとだけ芸能の世界に所属。現在は縁あって、雑誌やWebメディアなどでライターとして活動中。エンタメ系から日常ネタまで、気になるあれこれを取材。楽しく読んでもらえる文章を目指して、日々ゆるっと執筆中です。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


海外駐在妻の驚愕実態!閉鎖的な女のドロドロ、とかくママ友が面倒くさい
 海外駐在ママというと、どこか華やかで羨ましいイメージがありますよね。でも、中には、現地でのママ友との面倒くさい関係に疲...
見ず知らずの人に電車代を貸せる? 一生大切にしたい人が分かった話
 みなさんは人を信用しやすい方ですか? それとも疑い深い方ですか?  私はどちらかといえば後者で、人を簡単には信用で...
パワハラ認定は回避を…叱り上手な人が実践するコツ5つ&間違った叱り方
 人を叱るというのは、意外と難しいものですよね。部下や後輩が失敗した時「ビシッと言ってやろう」と思いながらも、パワハラだ...
「俺を撮ってくれよ」な“たまたま”様、地を這うカメラマン冥利です
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
とことん落ちないと浮上できない 放っておいてあげる優しさ
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
球根いつ仕込む?「秋」の今でしょ!植えっぱなしにオススメの花は7種類
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋は、神奈川の真ん中の片田舎で商売をさせていただいておりますが、今年も悩ましい秋でございま...
「花屋前にいる」「どこ?どこにでもいる顔だから」実は傷つきLINE3選
 誰かの何気ない一言に深く心が傷ついた経験は誰しもあるはず。  相手の性格にもよりますが、ほとんどは相手に悪気がな...
お疲れ様はNG、お元気様はOKのナゼ…職場のうざいローカルルール5選
 社会一般ではない通じない「職場独特のローカルルール」が存在する会社って多いですよね。入社したての社員からすれば、ドン引...
青空に踏切の音が映える 季節は秋でも絶対に手放せないもの
 ここ数年ですっかり浸透したものに男性の日傘がある。 「男が日傘なんて」という謎の気負いも、死を覚悟する日差しには...
たまたまもゴロンと全開!幸せそうなにゃんたま様に昭和CMを思ふ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
中年のババア、もとい「中年女性」になった私たちへ
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
「聞いてよ!」「で、結論は?」せっかち君のLINEはタイパ重視ですって
 世の中には、1秒でも時間を節約したい「超せっかちな人」が存在します。なぜ生き急いでいるのかはわかりませんが、とにかく少...
#1 芸能界に執着する35歳女の密かな楽しみ。裏アカで吐き出す腹黒い本音
「いらっしゃい、シゲさん今日は早いんだね」  阿佐ヶ谷駅の北口の飲み屋街・スターロードにひっそりたたずむ小さなスナ...
#2「普通の女」に負けた美人は怨念まみれのSNSがバズり快感を覚える
【#1のあらすじ】  阿佐ヶ谷のスナックに勤務している紘子は、役者を目指しながらもくすぶっている日々。そんな彼女の...
#3「バカにされてる?」元彼のイヤミがつらい。女が椎名林檎を歌う理由
【#1、#2のあらすじ】  阿佐ヶ谷のスナックに勤務している紘子は、役者を目指しながらもくすぶっている日々。そんな...
「鉛筆なめなめ」「セクハラはやめて」悲しきおじさんビジネス用語3選
 会社に勤めている人なら、50代以上のおじさんたちが「おじさんビジネス用語」を使っているのを聞いたことがあるかもしれませ...