佐藤健は「グラスハート」で主演・企画 俳優プロデュース×配信メディアの強力タッグで“次世代の真田広之”が続々誕生

更新日:2025-08-16 18:08
投稿日:2025-08-16 18:05

 佐藤健が主演・企画・共同エグゼクティブプロデューサーを務め、ロックバンド「テンブランク」のメンバーの人間模様を描く、若木未生の青春音楽小説を実写ドラマ化した「グラスハート」が、先月31日からNetflixで配信中だ。この作品で佐藤健は、企画の立ち上げに始まり映像化権の取得や脚本作り、志尊淳や町田啓太、菅田将暉といった主要キャストへの出演交渉、RADWIMPSの野田洋次郎やONE OK ROCKのTakaへの楽曲依頼、映像の編集に至るまで、クリエーティブな作業の全般に携わっている。

 佐藤と同じく、近年、作り手として作品に関わる俳優が増えてきている。

 昨年、賀来賢人が「忍びの家」で主演と原案、今年11月から配信予定の明治時代を背景にした、292人の志士たちが命がけのバトルロワイヤルを繰り広げる時代劇アクション「イクサガミ」に主演する岡田准一も、共同プロデューサーとアクションプランナーを兼任。Amazonスタジオが製作、2023年に劇場版第1作と連続ドラマのシーズン1が配信された「沈黙の艦隊」シリーズでは主演の大沢たかおが共同プロデューサーで、9月26日からは劇場映画第2弾「沈黙の艦隊 北極海大海戦」が公開予定だ。

 いずれも「主演俳優×配信メディア」。映画会社は「イクサガミ」のような時代劇に多額の予算をかけるのには二の足を踏むだろうし、原子力潜水艦を巡る各国の攻防を描いた「沈黙の艦隊」は、政治的にデリケートなにおいをかぎ取る製作者もいるだろう。また「グラスハート」では、韓国ドラマに刺激を受けた佐藤健が、日本から海外に発信するアジアスターをつくろうと思い立ったのが、企画の発端の一つだった。彼らは国の垣根を越えて発信できる配信メディアを使って、自分たちが作りたいものをかなえようとしたのである。

いわゆる“スター・プロ”の時代が訪れた

 このように俳優が作り手側に回る状況は、1960年代にもあった。当時日本映画界はテレビの隆盛によって斜陽産業になり、各映画会社のスターが自分たちの作りたい映画を求めて独立。三船敏郎が三船プロダクションを62年に設立したのを皮切りに、石原裕次郎が63年に石原プロモーションを、勝新太郎が67年に勝プロダクションを、萬屋錦之介が68年に中村プロダクションを作って、いわゆる“スター・プロ”の時代が訪れる。スター・プロは当初意欲的な企画を次々に打ち出し、日本映画の年間興行収入第1位になった、石原プロと三船プロ共同製作の「黒部の太陽」(68年)など大ヒット作も生まれたが、スターを中心に置いた組織の運営と維持が難しくなり、多くが映画からテレビの連続ドラマに活路を求め、やがて三船プロを除いて消滅していった。

 60年代当時と異なり、あくまで企画の実現、作品のクオリティーを上げることが目的で、ものづくりの姿勢として健全だといえる。こういう動きの中からアメリカでエミー賞18冠、ゴールデングローブ賞4冠に輝いた真田広之主演の「SHOGUN 将軍」のような、世界が注目する作品が日本から生まれるのか。今後の展開が気になるところである。

(映画ライター・金澤誠)

  ◇  ◇  ◇

 日本国内の仕事がなくなってしまった永野芽郁は外国を活路とすることが出来るか? 関連記事【もっと読む】カナダの映画祭で仏語&英語で挨拶した永野芽郁 「イーオン」CM出演時に語っていた英会話習得の夢…では、当時の本人が自身の「夢」を語る姿について伝えている。

エンタメ 新着一覧


参政党「さや」塩入清香氏を追いかけ回す芸能マスコミの価値基準 “魔性”の歌手時代のナゾが明らかに
 参政党の「さや」こと参院議員の塩入清香氏(43)が、芸能マスコミから高い注目度を集め続けている。先の参院選で約67万票...
2025-08-05 17:03 エンタメ
やす子「ドッキリGP」での言動が物議…“ブチ切れ”対応で露呈してしまった芸人の器量と力量
「芸能人が本気で考えた!ドッキリGP」(フジテレビ系=8月2日放送)で、ドッキリを仕掛けられたお笑い芸人のやす子(26)...
2025-08-05 17:03 エンタメ
中川翔子に集まる「双子おめでとう」の声援と「Switchの件は?」のイジり…粘着アンチも黙る出産への快進撃
 8月1日にファッション誌「Numero TOKYO」ウェブサイトでタレントの中川翔子(40)が双子を妊娠中であると公表...
2025-08-05 17:03 エンタメ
「あんぱん」健太郎(高橋文哉)闇市→ディレクターへ謎すぎる大出世。スピンオフに期待していい?
 嵩(北村匠海)の漫画が入選し、大喜びののぶ(今田美桜)。嵩はのぶの笑顔がうれしくてたまらない。そんな中、蘭子(河合優実...
桧山珠美 2025-08-05 16:53 エンタメ
お受験界隈が「神回」と絶賛。藤本美貴、澤部ら芸能人はなぜ私立を目指す?『しくじり先生』で語られた“二世”息子の壮絶エピソード
 実業家の岸谷蘭丸(24)さんが7月25日深夜に放送された『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(ABEMA・テレビ朝日...
「あんぱん」ミセス大森、キター!! 誰もが知る名曲がどう生まれるのか? のぶのパヤパヤ感はちょっと不安
 のぶ(今田美桜)は鉄子(戸田恵子)の秘書として多忙な日々を送っていた。嵩(北村匠海)も三星百貨店の宣伝部で一目置かれる...
桧山珠美 2025-08-04 21:25 エンタメ
キンプリファンには“悪夢の7月”…永瀬廉&髙橋海人「ダブル熱愛報道」で心配な大量ファン離れ
 King & Prince(キンプリ)ファンにとっては“悪夢の7月”か。  7月17日に「女性セブン」が永瀬廉(26...
2025-08-04 17:03 エンタメ
脅迫と暴行で書類送検の三代目JSB今市隆二は活動自粛も…“LDHブランド”へのダメージは絶大
 タクシーの運転手に対する脅迫と暴行の疑いで警視庁に書類送検された三代目 J SOUL BROTHERS(以下、三代目)...
2025-08-03 17:03 エンタメ
NHK朝ドラ「あんぱん」いよいよヤマ場へ…すごい実在モデルが続々登場
 漫画家やなせたかしと妻のぶの夫婦を描いたNHK連続テレビ小説「あんぱん」は残り2カ月、いよいよヤマ場のアンパンマン誕生...
2025-08-03 17:03 エンタメ
松嶋菜々子&反町隆史の共演CMで資生堂男性向け美容液がバカ売れ!同世代女性から強い支持
 7月27日からオンエアされている、反町隆史(51)と松嶋菜々子(51)夫妻がアンバサダーを務める資生堂メンズ向けブラン...
2025-08-03 17:03 エンタメ
高野洸は同郷の大スター“藤井フミヤ”を追いかけたい。実は過去2回の紅白出場、3度目を目指す目標とは
 ミュージカル『刀剣乱舞』の主演や、近年では帝国劇場での舞台『キングダム』主演など、舞台を中心に、歌手やダンサー、俳優と...
望月ふみ 2025-08-05 12:03 エンタメ
日テレ発表「24時間テレビ」ランナー横山裕に厳しい目…結局ジャニタレ起用で“公開罰ゲーム”強行のウラ
 日本テレビ系夏の恒例特番「24時間テレビ」で、目玉コーナーのチャリティーマラソンを走る今年のランナーがアイドルグループ...
2025-08-02 17:03 エンタメ
磯村勇斗も生徒役も地味なのに…“キラキラ”封印の学園ドラマ「ぼくほし」が大人に刺さるワケ
 刑事、リーガル、医療ものと並んで連ドラの定番的ジャンルの学園ドラマ。今期も、かるた部の青春を中心にした王道「ちはやふる...
2025-08-02 17:03 エンタメ
渡辺翔太「事故物件ゾク」が大苦戦…Snow Manシングル史上初の快挙も“団体芸”からの脱皮に課題
 Snow Мanの1年ぶりとなるシングル「SERIOUS」が、初週売り上げ約88.3万枚で“オリコン週間シングルランキ...
2025-08-02 17:03 エンタメ
悠仁さま「9.6成年式」…第1子出産の眞子さん、小室圭さんの里帰りだけでない“秋篠宮家の憂鬱”
 19歳の誕生日を迎えられる9月6日に「成年式」が行われることが正式に決まったのが、秋篠宮家長男の悠仁さま。男性皇族の成...
2025-08-02 17:03 エンタメ
永野芽郁の「何事もなかったかのような復帰」にファン真っ二つ!《理解できません》《ずっと応援しています》
 7月31日、女優の永野芽郁(25)が4月13日以来3カ月半ぶりにインスタグラムを更新し、ネット上に驚きが広がっている。...
2025-08-02 17:03 エンタメ