戦後80年ドラマ「八月の声を運ぶ男」は「被爆者とは何か」「被爆を伝える意味とは何か」という難テーマに挑んだ
更新日:2025-08-20 18:08
投稿日:2025-08-20 18:05
【碓井広義 テレビ 見るべきものは!!】
13日に放送された「八月の声を運ぶ男」(NHK)は実話に基づくドラマだ。元長崎放送記者でジャーナリストの伊藤明彦。長年たった一人で全国を歩き、1000人以上の被爆者の声を録音して残した。2009年に72歳で亡くなっている。
ドラマの主人公は伊藤がモデルの辻原保(本木雅弘)だ。自費による被爆証言取材活動を続ける中で九野和平(阿部サダヲ)という被爆者に出会う。彼が語る壮絶な半生は辻原の心を大きく揺さぶった。しかし、やがて証言に登場する献身的な姉の存在が不確かなものとなっていく。九野が語っていたのは事実か、夢想か。辻原は煩悶する。
時は1970年代。被爆者に対する誤解や差別は現在の比ではない。家族にも明かしていない被爆体験を語ることを拒む人も多かった。辻原は「語るべき」であり、「聞くべき」と信じて被爆者を訪ね歩いてきた。九野に対しては、彼の中に「出会ってきた多くの被爆者が住んでいる」という思いに行き着く。語ったのは「本当の話」だと。
戦後80年は被爆80年でもある。このドラマは「被爆者とは何か」「被爆を伝える意味とは何か」という難しいテーマに挑み、見る側に多くのことを考えさせてくれた。
脚本が池端俊策。演出は柴田岳志だ。ここに主演の本木も加わり、司馬遼太郎原作「坂の上の雲」(09~11年、NHK)のチーム復活となった。
(碓井広義/メディア文化評論家)
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