花火大会の“有料化”が増えた背景。3万円の高級席も…若者世代は「お金を払って見る」が当たり前?

コクハク編集部
更新日:2025-08-25 15:20
投稿日:2025-08-23 11:45

 今夏も花火大会が大盛り上がり。特に日本三大花火大会の長岡花火は、開催直後のSNSでは観客が撮ってアップした写真や動画が溢れた。チケット転売も話題にもなったが、気になるのは費用の疑問。元は取れているの?

【こちらもどうぞ】「大阪芸大にピアノ科はない」ことが話題だが…“音楽はお金にならない”は本当か? 芸大卒の意外な稼ぎ口

 長岡まつり大花火大会の2025年度予算は、過去最高となる約18億円に達した。2日間だけのイベントに18億円という巨額な予算だが、その経済効果は県内だけで146億円との試算も出ている。花火写真家でハナビストの冴木一馬氏は言う。

花火大会の経済効果は絶大

「一晩に何万人もの観客を自治体が呼べるイベントは花火のほかにありません。宿泊、飲食、交通など波及効果は絶大です」

 実際、長岡花火には毎年100万人を超える観客が全国から押し寄せるという。

 では、18億円という巨額予算の内訳はどうなっているのか。長岡花火財団の事業計画によると、最も多いのが会場設営費の4億5200万円(24.7%)で、次に花火打ち上げ費用の2億9332万円(16.0%)、安全対策事業費の2億4212万円(13.2%)と続く。

 意外なのが安全対策費の高さで、冴木氏は「花火大会の予算で大きな割合を占めるのは実は警備費なんです。観客の安全確保のため、警察や消防との連携、医療体制の整備など、目に見えない部分にお金がかかります」と指摘。

 もちろんも花火打ち上げ費用も重要。花火大会の満足度につながるからだ。この費用を支えているのが有料席だ。

急速に増える有料席の設置と値上げ

 近年、花火大会の有料席化が急速に進んでいる。帝国データバンクの調査によると、2025年は国内主要106の花火大会のうち約8割にあたる83大会で有料席を導入。そのうち半数超の42大会で値上げを実施した。

 特筆すべきは価格の二極化戦略だ。一般席の平均価格は5227円で前年から1.8%増にとどまったが、プレミアム席の平均価格は3万6193円で7.2%増と大幅に上昇。両者の価格差は約7倍に拡大している。

「花火大会はやっぱり競争なんです。自分たちの花火大会を有名にしたいわけですから。それには玉数をたくさん上げなくてはならない、球数を上げるには費用がかかる、だから有料席でお金を集める、というサイクルです」

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


暑い暑い東京の夏の思い出
 一緒に連れて来てもらったんだ。  いいね、こういうの。
ほっこり癒し漫画/第80回「るーるールルルー」
【連載第80回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
波動、引き寄せ、前世はフランスの作家⁉ スピリチュアルにハマったの人のトンデモLINE3選
 スピリチュアルにハマった人からのLINEに心がざわついた経験はありませんか?  何を信じても本人の人生なので自...
「麻婆豆腐」の由来は?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
女子のダラダラLINEを終わらせたい時はこれよこれ。既読スルー前に遂行する鉄板テク3つ
 女友達とLINEのやりとりをしていてありがちなのが、目的のないダラダラした会話になること…。  自分は楽しく会話...
非常識な「子持ち様」にイライラが止まらない。子持ちじゃない勢“心の中”の攻防
 最近よく耳にするワード「子持ち様」。「特別扱いされて当たり前」「子持ちの方が偉いでしょ」と勘違いした態度を取っている親...
癒しと勇気を与えるにゃ! 天使みたいな“たまたま”にロックオン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
炎天下の植え込みで元気に咲き続けた花とは? 暑すぎる夏でも「優勝した植物」答え合わせ 
 猫店長「さぶ」率いる愛すべき我がお花屋の日常業務として、「公共の仕事」なんてものもございます。近隣地域の公園や道路の植...
SNSの闇だよね…承認欲求がダダ漏れのウザい投稿あるある5選
 SNSで知人や友人と繋がるのが普通の時代。みんなのプライベートを垣間見れる一方で、「あ〜またやってるよ…」とゲンナリし...
“幽霊商店会”から「相談がある」と突然言われ、会合に出てみると…何!ナニ!!なにー!!!
 東京下町育ちの私、ここ35年以上都心(港区、渋谷区、目黒区周辺)暮らしをしている。現在は、とある人気神社周辺、そこそこ...
どんな対応が正解? 陰謀論にハマった家族や友達への対応方法3つ。諦める前に試したい!
 さまざまな情報に溢れたネット社会では、正しい情報と間違った情報を見抜く目が必要です。でも、孤独や不安などから冷静な判断...
楽天1位常連「-10℃日傘」実力は? 遮光率100%、雨天兼用だけどアラフォーならではの意外な弱点が…
 話題のコスメや、広告でよく見かける化粧品や日用品。「webでよく見るあの商品、本当にイイの?」「買ってみたいけれど、口...
やっかいなママ友トラブルにさようなら! 無駄なストレスを抱えない秘訣とは
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方などをテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。  今回は「...
【調香師が推す】夏疲れを絶つ!アルガンオイルで作る簡単アロマ化粧水。フェロモンタイプ別に解説
 夏の疲れが一気に出やすいこの時期は、いつもよりていねいなスキンケアで肌を労(いた)わってあげましょう。今回は、フローラ...
万年夏休みなんて羨ましい! 木登り中のやんちゃ“たまたま”
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
我が子なのになぜ? 娘と気が合わない3つの理由と子育てが楽になる考え方
 人間同士には相性があり、親子だって相性が合わないこともあるでしょう。とくに、娘は母親と同性なので、余計に気になるのかも...